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日本で女性議員が増えず 民意反映が出来ない真因:それはムラ社会的後援会・業界団体と政党の連鎖に乗っかる高齢男性たち

2024-01-25 09:28:52 | 時評
▽ 毎日【政治プレミア】「強者」の女性議員を追いつめるハラスメント浜田真里・Stand by Women代表  <抜粋>
* 「そんなことを言うと投票しないぞ」
   ◆ ①投票をお願いする立場なので、権力関係が逆転します。「そんなことを言うと投票しないぞ」と言われると弱いのです。女性議員からはハラスメントを受けても「下手に切れない」「市民全員がお客様」
    「はっきり言って人気商売」などの声を聞きます。
* 「コントロールしようとする」
   ◇ 「当選したいなら、おれの言うことを聞け」と言われます。②選挙期間の平日に活動できる人というと、特に地方では定年退職後の男性が多くなります。結果として、高齢者のための政策を掲げざるを
     得なくなり、若い人が出馬しても支援者は高齢者ばかりという状況になりがちです。
* 「365日24時間」
   ◎ 子育て中の議員が選挙活動は午後6時まで、と言うと支援者から「それでは当選できない」と反対されるのです。③今の選挙スタイルでは、誰かをケアしている人が勝てる仕組みがありません。
     ④「頑張っているから」ではなく、政策や実績で投票するように変えないと議員も激しい活動をやめることができません。政治家が変わるなかで有権者も変わるしかありません。
     選挙の場では有権者のパワーは強いです。「こういうやり方でも票が取れる」となれば政治家も変わります。

    「出陣式」など、平気で戦争の言葉を使います。また⑤「ウグイス嬢(女性のアナウンス係)」と言います。「ウグイス」「嬢」ってなんでしょうか。疑問を抱かないのは関わる人たちが単一化している
    からです。男性文化がぎゅっと濃縮されたのが今の政治の世界です。

★ 「女性、若者、よそ者」
   ▼ なぜ議会内でハラスメントが横行しているかといえば、学校のいじめと同じ構造です。閉じられた世界でヒエラルキーがあります。しかも権力闘争がからみます。内部だけでは解決できません。
     ⑤これまで政治の世界とつながりのない人、しがらみのない人、変えていける人が入ることが不可欠なのですが、排除しようとします。「女性、若者、よそ者」をいかに入れていくかが大事です。
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下線を引いた①~⑤の部分、ここに<日本社会では、どうして対等な個人の個別支持ではなく組織・営利団体の支持なしには選挙できないのか?>への答えが詰まっている。
言い換えると、何故≪後援会組織≫≪業界団体≫≪政党≫に属さないと選挙に出られず、出ても当選できない仕組みになっているのか? への答えだ。
米国と対比してみよう。


① 米国では鉄鋼業界と並び国政への影響力の強い自動車産業。その労働組合は州議会、連邦議会、大統領を問わず、立候補した人物本位に投票先を組合内で議論し、
  同意できない組合員は拘束されずに自主投票で自分が信頼したい人物を選ぶ。ここに「しがらみ」「利害関係」「買収」「裏金」が入る余地は極めて薄い。

② 支持者の多くは現役勤労者ゆえ、候補者を招いての演説集会・寄付・募金の催しは勤務を終えてからの夜になる。ヒマな老人が仕切る日本の「後援会」式にはならないし、
  子育て勤労世代向けの政策ではなく高齢者福祉政策しか言わせてもらえない、とはならない。

③ ”誰かをケアする”対象は高齢者だけでなく幼児・身障者も含むが、②と同様、米国のようなベビーシッター制度や公的ケア施設が不備な日本で夜の集会は開けない。

④ 「子育て・ケアに頑張っている」女性だから投票を!と同情に訴えるのは女性であることを売りに便利に使われている事と裏腹であり、女性が政策本位に訴える活動は
  日本で好まれない。

⑤ 出陣式で拳を突き上げる姿。あれこそ男性文化であり、銃器保有で如何にミリタリズムが浸透する米国でも、選挙の場にはそぐわず<イカレテル>と排斥されてしまう。
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タイトルにハラスメントとあるが、此の記事はセクハラを言ってるのではない。政治に顕著な(日本社会の女性全般への低い扱い)を指している。
2000年以降の選挙制度・区割り変更に纏わる問題点が現在の政治を機能不全に貶めている主因だが、それだけではなく、浜田氏が言うように、有権者側の問題、即ち、
自立した個人の単位で政治を考える姿勢の欠落したムラ社会意識の残存が根強くはびこる現実こそ、真の民主的選挙を実現できていない根本的原因だと私は考える。
 ここに、いったいどれほどの日本人が気づき、選挙制度改革とペアになった後援会活動や業界団体への政治資金規制の根本的改正を求めてゆくだろうか?
これが変わらなければ、日本の政治は前進せず、政治停滞は経済活性化の停滞を招き、国の衰微はますます進むだけだ。
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