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野田どじょうを代表にして立憲民主党が取り組むべき「自民攻撃公約」4本の柱提案・・ 元週刊文春・月刊文芸春秋編集長 木俣正剛氏 

2024-09-07 08:13:16 | 時評
【ダイアモンド・オンライン】野田佳彦氏が、もしかすると総理に返り咲けるかもしれない「奇跡の秘策」とは (元週刊文春・月刊文芸春秋編集長 木俣正剛)
 各党の支持率は、自民が29.9%、立憲民主が5.2%、日本維新の会が2.4%、公明が3.3%、共産が2.6%、国民民主が0.8%、れいわ新撰組が0.8%、そして「特に支持している政党はない」が45.7%
 でした(NHK8月調査)。菅義偉内閣崩壊の時期においては、自民の支持率は35.1%、そして無党派層は42.3%でした(NHK2021年2月調査)。つまり、自民党の支持が約5%落ちて、無党派層が3%以上増えています。自民党支持をやめた人を取り込み、無党派層を掘り起こせば、厳しい状況とはいえ、勝機を見出す数字は見えてきます。朝日新聞の8月15日調査などによると、無党派層は59%に達しているのだから。つまり、野田氏が今回の党首選に勝利すれば、ゆくゆく総理に返り咲ける可能性も、状況次第ではなきにしもあらずと言えるのです。

 もし野田氏が代表になったとしても、政権交代には難題がいくつもあります。前回の総選挙では立憲と共産党は選挙区調整をしていましたが、今回はまだです。また、日本維新の会は躍進して、全国に100人以上の候補者を準備し、そう簡単に選挙区調整には応じないという懸念もあります。しかし、野田氏の言う「無党派層はもとより、自民党に失望した保守層を巻き込み、自民を単独過半数割れに追い込むことが大戦略。対自民では戦闘力、野党連携には包容力が必要です」という方法なら、可能性はあるかもしれません。左派の枝野幸男氏、経験不足の吉田晴美氏、推薦人もまだ集まらない泉健太氏には、こうした戦略が望めないのです。

 「とにかく一度政権交代をしないと「刷新感」だけではこの国は救えない。それを徹底的に国民に認知させるために、立憲民主党は代表選時から近い将来を見据え、野党統一の<自民党攻撃公約>
 を決める作業に取り組んでほしいと私は提案します」と木俣氏が提案する「秘策」を整理すると、次の4項目。
【1】世襲議員の禁止と政治資金収支の透明化
  「他国のように自分の親戚(親以外でも)の選挙区を継ぐことはできない」「同じ県内だと中選挙区からの後援会の流れは続いているので、他府県からの立候補しか認めない」といった方針にすれば、しがらみや利権から自民党を完全に
   分離させることができます。
   政治資金が無税で相続できる権利も廃止します。ジバン、カンバン、カバンのすべてを自民党から奪うのです。また地方無視、地元を顧みない体質が根底にある格差社会も、東京育ちで地元を知らない世襲議員がいなくなれば、是正できる
   でしょう。他にも、マイナンバーの健康保険などへの拡大も一時中止し、制度設計から見直します。政治資金はデジタル化して、全部透明化します。これらを共同政策にすれば、野合批判はなくなるでしょう
【2】野党間の選挙協力体制づくり

   野田氏の包容力は、維新や共産とも話し合いにより、勝てる選挙協力を実現できる可能性を秘めています。私はあえて一人の軍師を推薦します。東京都知事選で、選挙中メディアに一度も取り上げられなかったのに15万票を獲得して5位に
   なった、AIの専門家・安野貴博氏です。安野氏を三顧の礼で、選挙区割りと政策作りの軍師として起用してほしいのです。石丸伸二氏のように「論破するSNS」ではなく、話し合うSNS選挙こそ、今後に求められているもの。いち早く、
   それを採り入れるのです。ただし、彼は「都知事を目指すのであって、誰かの手伝いはしない」と公言してきました。だからこそ、技術者としてでなく政治家として育てるために、軍師として迎える礼を尽くしてほしいのです。
【3】注目選挙区の設定で自民幹部を撃破
  (1)麻生太郎氏。彼は83歳ですが、比例復活の定年は73歳なので、小選挙区で勝たないと落選です。攻撃力なら強力な蓮舫氏を野党連合候補として麻生氏にぶつけ、「老害批判」「世襲批判」を繰り広げたらどうでしょう。
  (2)下村博文氏。初当選時僅差で破れた有田芳生氏か、参院から鞍替えした辻元清美氏に徹底的に「裏金攻撃」をさせます。板橋なら辻元氏の大阪弁もウケる可能性はあります。
  (3)萩生田光一氏。統一協会研究のプロ・有田芳生氏かジャーナリスト・鈴木エイト氏に出馬をお願いしましょう。萩生田氏は公明党の東京進出を妨害したことで、公明票も厳しいだけに落選もありえます。
  (4)二世候補・河野太郎氏または若手の人気者・小林鷹之氏。立憲・維新の共同戦線の象徴として、吉村洋文大阪府知事にも鞍替えをお願いし、対決してもらいたいものです。
【4】共産党との閣外協力で政権交代後も安定化
   前回は共産党との共闘が労働組合・連合に見放されて敗戦の原因になったとされていますが、安倍派裏金問題、統一協会問題などは共産党の調査力あっての成果です。彼らにはその調査力を期待して、閣外に野党共闘自民党調査会をつくり、
   共産党主導で徹底的に政治的不正を調査する組織をつくるという案はどうでしょうか。
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 木俣氏の提言は来るべき衆議院総選挙に臨む立憲民主党ならびに野党への具体的な処方箋だ。自民党が狙う浅薄な(刷新感づくり)ではなく、本当に国を刷新する・変えてゆくための具体策として
『世襲を生む後援会票田と選挙区制度の切り離し『疑惑幹部の個別撃破』』『打倒自民党への最大公約数まとめ』に絞っている。立憲民主党ならびに野党幹部は虚心坦懐に耳を傾けてもらいたい。
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