さてさて、目出度く勝手に連載しておりますボブ
そうボブ・ディランです
突然ですが、
10代から20代に4年間付き合っていた女性がいる。
昨日書いた女性(友人)と、時を同じくして
こちらは「恋人」と呼んでいい、
そんな女性だ。
ある日、彼女と別れることになった
理由はお互いに溝が出来てきたからで、
決定打は「彼女に好きな人が出来た」事であった。
まあ、仕方ないことだ
俺はバンドばかりやっていて、
オマケにこの夏に敬愛していた「ジェリー・ガルシア」が死んだ
溝はココでハッキリと現れていたからね。
(この件は依然書いた気が・・・また再放送します)
愛がなくなったら延命処置は必要ないのさ
でも、20代そこそこの恋愛なんて、
間違っても「愛」じゃあないんだよね。
ありゃ、言い方悪いけど
「ママゴト」だな
まあ、別れて分かったことは、ボブ・ディランの歌、
そう、「詩の世界」が深く深くこの時に響いたことなんだね。
ホント、彼女には悪いが、別れて良かったよ
で、ある日、
その後友人になった女の子と部屋にいたんだ。
そう、友人と呼ぶに相応しい女性で、
外は大雨だったなぁ。
聴いていたのはボブ・ディランだった
俺の大好きなアルバム「血の轍」
曲は「君は大きな存在」
しかし、このアルバムは化け物だね
この曲以外にも「ブルーにこんがらがって」
「運命のひとひねり」等、まあ名曲ぞろい
とにかく「君は大きな存在」
の中の歌詞がたまらなく好きで、
特に
「君は今誰かさんの部屋にいる・・・」
というところがブルースでイイ
「フラレタ男」が彼女を「君は今でも俺の中にいるよ・・・」
みたいなさ。
分かるだろ
まあ、実際女々しいだけなんだけどさ。
俺はそれを友人の女性と大雨の中で聴きながら
「この気持ち、とてもよく分かるんだ・・・」
と、話し込んでしまってね・・・
その女性も迷惑だったんだろうな。
そもそも、前の彼女の話なんて、聞きたかないんだ。
多分その友人は俺に好意以上のものを寄せてくれていたんだろうし・・・
(じゃなきゃ平日の夜中に、雨の中、男の部屋にいねえよ)
この時期の俺は「ボブ・ディランを推薦する会」の会長になった気分で、
皆に聴いて欲しい一心だったんだよね。
本当に彼は「別れの歌詞」を巧く描くよなぁ・・・。
彼以上に「リアルなことをシンプルに描ける人」はいないよ
この曲の他にも
「In the summer time」や「Born in time」なんかも、
本当に、本当に「伝わる」んだよなぁ。
ちなみにこの友人の女性は
子供を2人も生んで、
今では幸せな家庭を築いている。
そして、俺はいまだに今夜のような大雨になると
「血の轍」をターンテーブルに乗せ、
「ミラー・ライト」の栓を開ける・・・
大人になるって、ホント難しいのです
<9/13 Mash>
★湘南の中古楽器専門店Jerry'sのオーナーです。
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昨日に続きボブを語ろう
今日はボブと俺にとっての
思い出の女性、
そして、名曲を語る。
実は俺がボブを思い出す時、
必ず女性の影があるんだ
彼のキャリアで本当の意味で
最初の「ディラン・アルバム」である
「フリーホウィーリン」
ココからの名曲と言えば、
まずは「北国の少女」
信じられない程の美しい曲
コレを聴くたびに思い出す女性が一人いるなぁ~
10代から20代半ばまでよく色々な話をした、
必ず1週間に1度会っていた女性。
元気だろうか
ここ10年は会っていないし、
連絡も取っていない。
当時、彼女は大学生であった。
確か駒沢大学だったと思うな。
俺は専門学校生で、音楽ライターもしていた頃だ。
彼女は大学の軽音とかに入っていて、
俺は彼女に色々な音楽を聴かせてあげていた。
高校時代の同級生で、
俺の最も古い友人の一人でもあった。
彼女の二十歳のバースデーに
「ゴダールが見たい」
と言う我がままを聞き、
池袋の小さなシアターで1日中映画を見た。
彼女は始まって30分くらいで熟睡。
俺だけなんとなく8時間ゴダール・・・
さまざまな経験をしてきた俺だけれど、
ゴダール8時間はそれ以来無い。
ゴダールを終え、僕らは喫茶店でパフェを食べた。
そして彼女は
「ゴダール面白かった」と言った。
突っ込みどころ満載だ。
「おいおい。お前寝てたジャン。」と俺
「えっ、わかっちゃったぁ」と彼女。
「まったく・・・しょうがねえなぁ。」
そんな感じで「パフェ」を食べた。
とてつもなくデカイ「パフェ」を
彼女はぺろりと平らげた。
彼女も俺にも当時別の「恋人」がいた。
でもことあるごとに、よく会っていた。
お互いに色々な話をして、
夕食をともにした。
俺は何かと彼女に世話を焼いていた気がする。
俺がバイトで出版社に勤めだした時、
「何かバイトないかなぁ」と言う彼女に
俺は彼女をバイト先に紹介し、
僕らは共に働いていた。
俺が残業していると、
彼女は近くの店で俺の上がりを待っていて、
待ち合わせて夕食を一緒に食べた。
俺が行くと小説やエッセイの単行本をパタンと閉じ
「ああっ、終わったのねぇ」みたいな感じ
その時の「少しトロリとした瞳」を、
俺は彼女の話をする度に思い出す。
とにかく、
毎度毎度「取り留めの無い話」をした。
何を話したかは、よく覚えていないけれど、
一度妙な相談を持ちかけられたことがある。
「私さぁ、穴が小さいみたいなんだよねぇ・・・」
「ふぅ~ん。そうなんだぁ。で、何か問題でもあるの」
「病院行ってみたんだけれど・・・」
「ふぅ~ん。病気じゃなきゃ大丈夫だよ。」
「だといいんだけれど・・・」
そんな感じの話だった。
それほど「切羽詰った」話じゃなかったし、
後々彼女に子供が産まれたと聞き、
ふと思い出された事だ。
その後、僕らはお互いに就職をした。
彼女は「大手のお仏壇屋さん」に入社し、
俺はそのまま出版社に入社した。
「辞めたい、辞めたい」ばっかり言っていた。
「「もうすぐ死にそうな人リスト」があって、仏壇を営業しにお宅を回るの」
「おいおい、とんでもない職種だなぁ・・・」
それでも彼女は数年続け、
限界に来た時に俺はファッション系の出版社を紹介してあげた。
結果は不採用だったみたいだけれど。
その時の編集長から俺に電話があり、
「彼女は明確なヴィジョンが無いんだよ。申し訳ないけれど・・・」
と話されて、確かにそうだな、と俺は思った。
その後、彼女は俺に「悩み相談し続けた男」と結婚した。
10代の時に俺の部屋で彼女と聴いた「北国の少女」
「ボブ・ディランって素敵なのねぇ。」
例の「トロリとした瞳」をしながら言っていた。
俺はその夜自転車の後ろに彼女を乗せ、
駅まで送って行ったっけ。
それ以来茶化しながら彼女との挨拶に
「よっ、北国の少女」
と言うようになった。
彼女は「まんざらでも無さそうに」
その都度笑顔で答えた。
美しい曲の中に、美しい思い出があって欲しい
2人の距離は「常に微妙」であり、
俺達は「ほっぺにキスするくらいの間柄」でしか無かった。
「素敵な距離感」に
ボブ・ディランはピタッと寄り添ってくる
彼の音楽に今夜も乾杯しよう
<つづく>
<9/12 Mash>
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