まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

久しぶりに世田谷美術館そしていらか道

2023-11-26 16:46:12 | 建築まち巡礼関東 Kanto

結構忙しい日々を終え、ふと美術館に行こうというアイデア。

「倉俣史朗ー記憶の中の小宇宙」をやってるじゃないか・・・ということで田園都市線の用賀に降り立ち世田美へ向かう。

長らくご無沙汰していた「いらか道」が出迎えてくれます。言わずと知れたチーム象の名作。

年月を経て、まちの中にしっくりとなじんでいます。

サインも面白いですね。

ただ、私はここまでやる必要があるのかな・・などと思っていた時期もあったように記憶します。しかし、ここまで丹精を込めて作り上げているからこそ、使う人にも受け入れられているのでしょう。役所の予算が余ったから、歩道のお化粧をしましょうというのとは次元が違います。当時の世田谷区役所の人たち、地元、設計者、施工者が大切に作ってきたという、思いが今も伝わってきます。

数日前に、ランドスケープアーキテクト宮城俊作氏の『庭と風景のあいだ』(鹿島出版会SD選書 2020)を読みました。active designである建築によるアーバニズムに対してpassive design であるランドスケープが主体となったLandscape urbanismについて教えてもらいました。確かに、都市域が縮小し、空地化していく時代において、ランドスケープの視点から構築環境(Built Environment)の在り方を考えていくことの意義は大きいと思います。

このいらか道は、通り道であると同時に、周りの構築物に対しても一つの(優しい)structureになっているように思いました。建築的な(強い)メガストラクチャーではない、都市環境の誘導の仕方があることを示してくれているように思いました。

ということを考えているうちに、砧公園に到着。

・・・しかし、倉俣史郎展は、まだ先のことでした。予告のポスターを見てきてしまいました。しかし、大変刺激的な展覧会を見ることができました。

「雑誌に見るカットの世界 『世界』と『暮らしの手帳』」。

岩波書店の世界は昔よく読んでいました。確かに記事の横に小さなカットもありました。それらが、中川一政、加山又造、宇佐美圭司さんなどそうそうたるアーティストの

手になるものだとは知りませんでした。飯田善国さんや関根信夫さんなど彫刻家のスケッチもたくさん使われていたようです。

また暮らしの手帳の花森安治さんは編集者とばかり思っていましたが、画家、イラストレーターとして活躍されていたんですね。引き込まれてしまい、見てて飽きることのない

味のある作品をたくさん見ることができました。得をしたような気分です。もちろん「倉俣史朗」展はまた別の機会に来るつもりです。

 

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko TAKATANI

architecture/urban design

 

 

 

 

 

 

 

 


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