まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

藤沢周平記念館の植栽

2009-05-27 15:06:09 | 建築・都市・あれこれ  Essay

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藤沢周平記念館の建築工事は今月末で完成します。私たち建築設計者としてはこれでひと段落。後は展示チームの出番となります。

上左の写真は荘内神社参道から見た風景です。植栽が加わると一気に表情が和らぎます。中央部に建物側に入り込んだ小さな庭がありますが、そこには旧藤沢邸(東京)の塀に使われていた大谷石や庭の木々を取り込んでいます。

上右の写真はエントランスアプローチからその庭を眺めたものです。藤沢邸にあったカクレミノがみえます。どちらかというと南のほうの植物ですが、仮植地で2年余り鶴岡の風土になじませておいてくれたので、枯れることなく元気で私たちの目を楽しませてくれると思います。

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上左写真を見ると記念館が既存の松をよけるように建っていることがわかると思います。これは敷地の文脈(コンテクスト)としての既存植栽に対する敬意の結果であり、また空間の形式化における自然的要素の取り込み方という点で大変日本的な方法であると歴史文化に造詣の深いI氏からご指摘をいただきました。脇参道(大宝館側)に廻ると(上右写真)日がよくあたりますがここには旧藤沢邸の南庭にあった木々をほぼ原型に近いバランスで再配置しています。

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


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