まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

映画のまち 調布と鶴岡

2022-03-24 14:39:07 | 建築・都市・あれこれ  Essay

私の住む町、調布。駅の南口を歩いているとこんな看板が。

ここが映画の1丁目1番地なんですね。

今ちょうど映画イラストレーターの宮崎祐治さんの個展が「たづくり会館」(図書館によく行きます)で開かれています。先日訪れた際には、宮崎さんがおられて、似顔絵を描いてくれました。このメガネの人物が、私です。

調布には、日活や大映の撮影所があり、今も撮影所内外で多くの映画が撮影されています。鶴岡まちなかキネマを設計しているときに、2期工事で予定していた小スタジオの勉強のため、日活スタジオをつぶさに見学したことを思いだします。スタジオ見学の後には、吉永小百合さんや石原裕次郎さんが座ったという食堂の椅子に座って、撮影所の方から、お話を伺いました。懐かしい。

鶴岡まちなかキネマを設計していた2006年当時、地元出身の藤沢周平さんの小説がどんどん映画化(武士の一分、蝉しぐれ、たそがれ清兵衛・・・)されていたということもあり、鶴岡の町の通りや駅にも「映画のまち鶴岡」という幟が出ていました。いつの間に、その看板を下ろしてしまったのでしょうか。鶴岡まちなかキネマを設計しているときに、映画関係の方々がおっしゃっていたのは、映画(興行)というのは立ち上がりに長い時間がかかる事業ですよということでした。この数年間は10万にに近い人が訪れるようになり、やっと「映画の町」が定着しようとしていたのに、閉館は返す返す残念です。

このエントランスホールもなくなると思うと、寂しいですね。

2つの「映画の町」に関わったものとしては、自分の無力さが何とも残念です。もちろん、映画の灯を絶やさないための鶴岡の地元商店街の皆さんを中心とした活動は、微力ですが全身全霊で応援していくつもりです。

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko Takatani

architecture/urban design

 


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