まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

創造都市(CREATIVE CITY)02―ニューカッスル・ゲイツヘッド―その2

2009-09-28 13:06:54 | 講義・レクチャー Lecture

 

 

 

 

(続き)

 

 

その荒廃していたキーサイドQuaysideが近年大きな変貌を遂げました。

 

 

 

 

その経緯をチャップマン先生の研究室にいるオランダ人研究者Peter van der Graafの博士論文Emotional Ties to the Neighbourhood in Urban Renewal in the Netherlands and the United Kingdom ( Amsterdam University Press,2009)、ニューカッスル・ゲイツヘッドイニシアティブ(地域の魅力を発信するために両市のカウンシル(議会であるが、イングランドの場合には行政機関としての性格も併せ持つ)によって民間資金も導入したうえで設立されたマーケティングエージェンシー)のホームページhttp://www.visitnewcastlegateshead.comや『アート戦略都市―EU・日本のクリエイティブシティ』(国際交流基金編、鹿島出版会 2006)から引用させてもらいながら紹介します。

 

 

 

創造都市としての成功に向かう最初のきっかけはキーサイドから数十km離れた炭鉱跡地の丘に立つ「北の天使」と名付けられた巨大な彫刻(Antony Gormley)です。20mの高さをもち翼はジャンボジェットより大きい。今でこそWonders of Britainに選ばれるなど内外から高い評価を得ており、文化で都市を再生するGatesheadの象徴となっていますが1990年に計画案がゴームリーによって提示されたときには1.2億円という高額の製作費もあいまっていっせいに反対が起こったそうです。しかし彫刻家自身の忍耐強い説得もあり1998年完成してからは、市民の意識が変わり、熱い支持を得ています。

 

 

 

そもそもパブリックアートを導入しようとしたのは1986年にGateshead Councilが現代美術館を持っていないので屋外でアート作品を展開しようと決めたことがきっかけです。Gateshead Council2006 によると「パブリックアート作ろうと考えたのは環境の質を高める特徴あるパブリックアートに毎日接することで場所の感覚(sense of place)を持ってもらいたい」と考えたからです。パブリックアートは社会的排除や町に対する市民の誇りや全般的なデザインの質向上にも効果ありと考えられたわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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北の天使 アーツカウンシルhttp://www.artscouncil.org.uk/aboutusより引用

 

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


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