まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

由良には見るべきものがたくさんありそう

2009-05-07 22:32:47 | 建築・都市・あれこれ  Essay

由良の町に行ってきました。

白山島のあたりの海辺の風景を楽しんだ後、内陸に入ってみると小さな灯台がありました。昭和36年築なのでそれほど古いものではありませんが、造形的には見るべきものがあります。下左図の下に記したように、この灯台はキャンチレバー(片持ち梁形式)を二つ組み合わせたかたちをとっています。キャンチレバーひとつではなんということがありませんが、複数をバランスよく組み合わせると動きのある面白い形状が生まれます。

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上右図(上段)にあるように、ロンドン動物園のペンギンプール(1934.ルベトキン)の上屋もそのような構成になっています。ペンギンプールに並べて恐縮ですが、昨年出来た荘内銀行鶴岡西支店(上右図下段)も同じような効果を狙っています。

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由良に戻ります。さらに東のほうに歩いていくと面白い蔵を見つけました。大谷石のような凝灰岩風の石ですが、骨材のような大きな黒い石も混じっていて、人造石、あるいは左官仕事のようにも見えます。しかし鎹で補強され目地もレンガなどで用いられる覆輪目地という凝ったもの。たまたま持ち主の方が出てこられ、お話を伺うことができました。蔵の石は近くの石切り場から持ってきたとのことでした。また、このあたりの集落では、海岸線から内陸に向かって細長い短冊状の敷地が並んでおりその短冊を横切るかたちで海岸に併行する方向の道路を通したようです。そのお陰で母屋と蔵とが分断されています。ただしこの話は同行したTさんが後から翻訳してくれたから理解することが出来ました。庄内弁には大分慣れたつもりになっていましたが、この話は2割程度しか理解できませんでした。

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


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