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まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

各務原瞑想の森斎場 伊東豊雄さん

2017-10-08 18:58:06 | 建築まち巡り中部 Chubu

都市環境デザイン会議の岐阜大会のついでに各務原へ。岐阜から名鉄電車。

名鉄の各務原市役所前駅から苦労して到着。

 苦労してたどり着いた甲斐があります。

蓮池の前の斎場ですね。水面に屋根が映ります。ここなら静かに死者を送り出せそうです。

別れの場や休憩室を見たかったのですが、見学禁止とかで、中に入れてくれません。トイレを借りるためにようやく中に入りました。撮影はできません。

高谷時彦 記

Kakamigahara City Crematorium was designed by Toyo Ito.

It was surrounded with beautiful and quiet woods.

The curved white surfice of the elevated roof looks so tender as to heal the deep grief for the death of a family member.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

 

 

 

 


大垣城と防火帯建築

2017-10-08 13:06:06 | 建築まち巡り中部 Chubu

都市環境デザイン会議の大会で岐阜を始めて訪れました。宿泊はお隣の大垣にしました。

私たちの世代には、大垣は繊維産業で栄えたまちという印象があります。もちろん今は違うでしょうが、駅前から続く商店街を訪れると、工員さんたちでさぞかしにぎわった時代が髣髴されます。

もちろん今も元気です。

日曜日の路上市場です。ご年配の方々のお店です。

このまちを歩いていて気付いたのが、防火帯建築です。たくさんあります。

なかなかの迫力です。コーナーの階段室などに工夫があります。

他にも懐かしい昭和の建築があります。これはお城近くの大垣城ホール。名前から、公会堂のようなものかと思ったら、中は体育館です。

階段のデザインに目が留まります。踊り場の出し方がいいですね。

市のHPをみると、昭和28年に飛行機の格納庫を移築転用したとのことです。

すぐ近くにお城があります。

石田光成が東軍と戦った城です。全体の再現図を見るとずいぶん堅牢な構えです。

周りのお堀の一部が残っています。

実は大垣は水資源の豊富なところです。水力発電所の建設が、後の繊維産業の発展にもつながっているようです。旧城下は駅の南ですが、田園やおそらく工場跡地のショッピングセンターの目立つ駅北にも水路が張り巡らされています。

鯉も居ます。この水路が、妹島和世さん設計のマルチメディア工房につながっています。

揖斐川の伏流水で酒を作り続けてきた酒蔵もあります。

高谷時彦記

I visited Ogaki city for the first time. I found some RC buildings of fire resistive structure along the main street. THose buildings were constructed to provide a fire-blocking zone in this city. After the world war Ⅱ, fire proofing of cities has been one of the main issue of Japanese city planning. 

After enjoying a walk around the down town, I visited the factory of multi-media, designed by architect Kazuyo Sejima.

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

 

 

 

 

 


ブルーノタウト日向邸補遺

2013-08-17 15:37:11 | 建築まち巡り中部 Chubu

以前のブログで都市環境デザイン会議の熱海まち歩きを紹介しました。

http://blog.goo.ne.jp/1210tokihiko/d/20130426

その中で、ブルーノタウトの日向邸を訪れたことを簡単に記しています。今日は少し補足します。


日向邸は1933年から3年間滞在した日本での唯一の建築作品です。

事前に申し込んでおいたので、10名ほどの観光客と一緒にボランティア建築家の案内で隅々まで見ることができました。

クイズ形式で大変面白く楽しい説明でしたが、床の間の落掛け(床の前の小壁の下端にある水平の材)が長押と同じレベル(普通は一段上にあげます)にあることを指摘してくれました。当然大工は常識に従って施工しようとするでしょうから、タウトの強い意志の結果です。

その理由はタウトも残していないとのことでしたが、私は住宅を通しての生活改善的なことにも尽力した合理主義者そしてモダニストの譲れないデザインポリシーであったと思いました。鴨居の高さ(内法寸法)の統一や幾何学的な造形にこだわっていることは、ひしひしと伝わってきます。落とし掛けを合理的な理由なく持ち上げることにより、単純な十字形の幾何学が壊れるのを避けたのだと思います。

・・・ということを見学したときには思っていましたが、最近タウトの本を読み返していたら、これに関する具体的な記述がありました(『忘れられた日本』中央公論2007、p10)。彼は桂離宮を小堀遠州の作とし彼の創作態度の独創性、哲学性を称賛するとともに、大徳寺狐蓬庵の「(小堀)遠州の居間(忘筌)」の落掛けが長押のレベルとそろっている唯一の例であることを指摘しています。

日向邸の床は、既成概念や世事にとらわれず、自らの中に静寂な精神的境地をつくりだすことから設計に臨んだ遠州の精神と相通じる造形であったといえるようです。


小布施まちとしょテラソは光にあふれたまちの大きな居間

2012-10-21 22:05:51 | 建築まち巡り中部 Chubu

ここ最近毎週末に大きく移動。昨日は土沢・盛岡、その前は飯山・小布施、その前は郡山・・・この間東京と鶴岡の往復はいつもどおり、そして今週末はなぜか北海道に行くことになりそう。

行く先々でお話を伺ったり見学をしたことが頭の中でごっちゃになりそうです。ともあれ、まず記憶に残ったことの一つ。小布施の図書館まちとしょテラソは完成度の高い美しい建物でした。光の変化、時間のうつろいが身近に感じられる居心地良い大きな居間です。さすがです。
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残念ながら中の写真はありません。でも屋根を見あげているだけで飽きません。

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3回目の村上

2010-11-16 12:01:02 | 建築まち巡り中部 Chubu

集合住宅研究会の3日目は村上。以前東北公益文科大学にもきてくださった小杉さんのご案内でした。商人会の活動もますますアイデア豊かに広がっていることが良くわかりました。

さてまちの写真です。村上も3回目なのでちょっと今までとは違うものをとって見ました。

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いきなりですが、柱時計の新聞入れ。これは独創的なアイデアです(上)。

次は仏壇と神棚の垂直共存。鶴岡では普通ですが他の地域にもあるんですね。

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職人さんの町にはこんな粋な塀があります。村上は鮭の町です。銅版だと思いますが、うろこ張りの上にダメ押しのように2匹の鮭が泳いでいます。

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安善小路の板塀の見越しにはもみじなどが美しく成長していました。

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世界一小さい美術館だそうです。

間口3間、奥行き1間でしょうか。

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以前にも面白いと思った看板建築ですが、横に回ると「電気パン」がありました。どんなパンでしょう。

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芭蕉も投宿した旅館の一階に静かなコーヒー店がありました。中庭を見ると、以前御茶ノ水にあったレモンの喫茶店を思い出しました。もうずいぶん前に建て変わっていますが・・・。

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