野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

蓮日和

2010-07-14 | 公園
 7月12日から16日までは、二十四節季小暑の第二候「蓮始開」(はすはじめてひらく)である。ハスの見頃という便りを聞いて、町田の薬師池公園に出かけてきた。

 アジサイや花菖蒲などの梅雨時の花には雨が似合う。一方ヒマワリやチューリップの花はすっきり晴れ上がった青空のもとで見たいと思う。ハスの花はどうだろうかと考えて見たのだが、夏を思わせる強い日差しがふさわしいように思えるが、雨もそれなりに似合うようにも思える。

 出かけたその日は雨が降ったり止んだり、時には夏を思わす強い日差しが照りつけるそんな忙しない天気の「蓮日和」の一日だった。


 蓮見橋から、時季が早いのか花が少ない。



 





 まだ蕾の株が多い







 羽化したばかりのオニヤンマ






 あまりにも花の数が少ないので、府中の郷土の森公園に隣接する修景池に移った。大賀(おおが)ハスで有名な大賀博士が、戦後間もなくの頃府中の中央公園付近に住んでいて、そこで育てていたハスをこの修景池に移植したものらしい。ここでは大賀ハスだけでなく、20数種の珍しいハスが見られる。






 妙蓮という花弁数が5000枚にもなるという品種









 小首を傾げて






 荷風とは「蓮の香りを乗せた夏の風」の謂いだとか。文人永井荷風の名はその由来なのだろうか。






 赤い縁取りがある品種もある







 蓮は古くに中国から伝わった多年生の水草。ハスは「蜂巣」から来たと言われ花托を意味する。



 花弁が細長く、舞を舞っているような風情をみせている






 咲き始めて4日目枯れる寸前











 おまけに薬師池の万葉草花苑で咲いていた花数種



 ヤマユリ



 オグルマギク



 ノコギリソウ



 トモエソウ



 オカトラノオ



 ホタルブクロ



 去年の7月6日にも古代蓮の里の記事があるので宜しかったら覗いて見て下さい。

 <今日はこの辺で>

初夏の三窪高原

2010-07-10 | ハイキング
 


 当初は丹波川の支流黒川谷へ黒川金山廃鉱跡を訪ね、あわよくば川べりで砂金探しをするつもりだったのだが、昨夜来の大雨で川が増水していて断念。急遽レンゲツツジがまだ残っているかもしれないと、柳沢峠からの三窪高原歩きに切り替えた。

 近年シカの食害がひどく、植物相が荒れたせいか訪れる人は少ない。わずかの登りですぐに鬱蒼とした原生林の様相を見せる。









 柵で保護された中にはアヤメやヤマオダマキ、ノアザミ等の花を見ることができた。










 






 展望台のあるハンゼノ頭




 レンゲツツジは殆ど終わりかかっていた。

 生憎の天気で富士の展望は見られず





 トイレの設備のある広場を過ぎ、電波塔の脇を更に板橋峠まで歩いてみた。



 途中休憩した草むらの脇でトキソウを見つけた。あまり花が開かないところをみるとヤマトキソウなのだろうか







 ハート形のキノコ




 藤谷の頭を過ぎた辺りからは幅の広い防火帯の中の山道を歩いていく。



 おや、何やら前方に小動物を発見




 近づいても草を食べるのに夢中の様子



 やっと気づいてくれた、アナグマだ。久しぶりの人間で驚いたのか、こちらを見つめて固まってしまっている。十数秒後、呪縛が解けたかのように草むらに飛び込んで行った。





 板橋峠の標識







 板橋峠からは林道を引き返した。見事なツルアジサイ



 山ブドウも小さな実をつけて秋に備えている。



 白化したミヤママタタビ、一部赤みを帯びた葉もあるので普通のマタタビと区別できる。

池の平湿原の花たち

2010-07-07 | 野の花
 <前回からの続き>
7月初旬のこの時期、春の花は姿を消し、夏の花はこれからといった所で花の種類は少ない。が、その割には3時間ちょっとの散策で、結構たくさんの野の花たちに出会えたのは嬉しかった。




 グンナイフウロ、花の色が濃いのでタカネグンナイフウロだろうか。林道、草原、ガレ場と至る所で目についた。

 





 こちらはアサマフウロ




 これもよく見かけた、まとめてツマトリソウとヤマオダマキ










 カラマツソウ



 ピグミーの森と名付けられた薄暗い林床に多く見られたマイヅルソウ、他で見かけるより背が高いのは光量が足りないからだろうか。




 ゴゼンタチバナ



 内向きに固まって恥ずかしそうなギンリョウソウ




 ベニバナイチヤクソウはいくら探してもこの花だけだった、他はもう枯れてしまったのだろうか。




 シャジクソウは初めて見た。群馬長野県境の山地に多い花で、マメ科シャジクソウ属で仲間にツメクサ等がある。林道脇や乾いた山地の草原に良く見られた。



 頂上近くのコマクサ園のコマクサ









 ウスユキソウ



 時期的にはまだ早かったようで群生は見られなかった、アヤメ。






 ハクサンシャクナゲは丁度見ごろを迎えていた。アズマシャクナゲに比べ、派手さはないが気品をしっかりと湛えている。



 ナナカマドの花



 湿原の中で多く見られたのはハクサンチドリ




 これは似ているが、花序が細長くまとまっているテガタチドリ



 こっちは恐らくアオチドリじゃないかと思う

 いずれもラン科の花だ。



 終わりかけのイワカガミとスズラン。多くがこれから咲く夏の丈高い草に埋もれるように咲いていた。









 オオヤマフスマはガレ場に多かった。小さな花だ。




 アマドコロは春の花だが、まだ2000mの高所では見ることができる。



 ナツトウダイ



 ネバリノギランはあちらこちらでよく見かけた、黄緑色の地味なつぼ状の花が一部開きかかっている。花茎の上部が粘つくのが名の由来。



 
 草原の中では夏の花たちも準備を始めていた。

 ヤナギラン



 ノコギリソウ



 グンバイヅルは実が軍配に似ている所から名付けられたらしい、嬉しいことにこれも初見の花。



 コケモモ



 マルバタケブキの花は今にも咲きそうだった




 今回は一泊の旅行で、長野群馬県境の山地をいくつか回ったのだが、季節がらラン科の花に多く出会えたのが何よりうれしかった。その希少性ゆえ盗掘が絶えないラン科の花だけに、所在地をぼかして3点だけ紹介したい。いずれも私にとって野生の姿を見るのは初めてだっただけに、出会えたときは電撃が走った。
 クモキリソウ



 コケイラン



 ウチョウラン



 盗掘などせずに足腰が丈夫なうちは山に出かけて楽しみ、老いて山に登れなくなったら思い出とともに写真で楽しむ。これが本来の山野草の楽しみ方なのだと思うがどうだろう。

池の平湿原散策

2010-07-05 | ハイキング
 上信越道を小諸で降りて車坂峠まで20分、そこから更に牧場内の林道を5分ほど行くとランプの宿で知られる高峰温泉だ。午前8時50分、駐車場に車を止めて、立ち込めるガスの中を歩き始めた。


 右手が水ノ塔(みずのと)山への登山道、今日は天気が思わしくないので左の林道を行くことにした。









 時折ガスの中に浮かぶレンゲツツジの鮮やかな色に驚かされる。



 遠く木のてっぺんでキビタキが囀っている。



 午前10時10分、」やっと池の平湿原の入り口、兎平が見えてきた。途中、山野草の観察に時間をかけてしまったせいか、林道歩きは思ったより長く感じられた。






 ここからはハイカーも多くなった。なるべく団体とは距離を置いてから、池の平湿原に降りて行く。笹藪の生い茂る細い道をゆっくり下り、10分ほどでで湿原の木道が見えてきた。






 一面の群生とはいかないが、点々とレンゲツツジもみられる。






 湿原といっても平なのではなく、緩やかな起伏がある。景色は歩を進めるごとに、少しずつ移り変わっていく。



 ただ一本残されたデッドツリー






 ガスは晴れたかと思うとまたすぐに視界を覆い尽くす。が、雨がぱらつかないだけましというものだ。




 湿原の中ほど、枯れ木の枝先で鳥が鳴き始めた。が、遠いのと深いガスとで何の鳥かはわからない。









 まだ蕾が多いのだが、木道に沿ってアヤメが咲いている。

 一帯は昔アヤメ平といわれ、7月になると湿原一面が紫色に染め上げられたそうだ。









 11時、湿原を逆コの字型に回って忠治の隠岩広場まで来た。



 その先に鏡池がある。






 分岐まで引き返した。三方(さんぽう)ヶ峰にはいかず、見晴岳へと右折する。10分ほどの登りで眼下に池の平湿原が見えてきた。



 見晴らしコマクサ園は、残念ながら金網越しでの観察。



 再びガスが濃くなってきた。ピグミーの森をぬける。一瞬風が渡り、眼下に再び湿原が見えてきた。霧の中の楽園もわずかの時間で、また白い闇の向こうに消えていった。



 12時雲上の丘。この先雨も予想されるので、少し早いがここで昼食にした。



 




 アヤメの群生




 時折、鮮烈な色合いのレンゲツツジに出会う。同じレンゲツツジなのに色彩にずいぶん違いがあるようだ。



 雷の丘、村界の丘と通り過ぎ、13時兎平まで戻ってきた。ガスは一向に収まる気配が無い。




 一時間をこえる林道歩きで、再び高峰温泉の駐車場に戻ったのは、もう2時になろうとする時だった。往復合計5時間のハイキング、天気は良くなかったが、たくさんの山野草を観察でき、いつもながらの至福の時を送ることができた。感謝。
 長くなったので花の写真は次回に回すことにしよう。


国分寺崖線の虫たち

2010-07-02 | 散歩
 6~7月にかけて主に野川公園や武蔵野公園、浅間山付近で撮ったもの。私は虫に全く詳しくなく、しかも手元には学研のポケット昆虫図鑑しかないので、名前不明、あるいは自信が無いのがたくさんあった。




 梅雨に入ると山ではマタタビの葉が白化し、里ではハンゲショウの葉が白化する。






 オナガシジミに似ているのだが……。




 一番よく見かけるベニシジミ、これは自信を持って名前を呼べる。




 イチモンジチョウであってほしい




 クヌギの幹にしがみついているサトキマダラヒカゲ。似ているのにヤマキマダラヒカゲというのもある。近づいても人を恐れず、周囲を飛び回って再び同じ場所に止まる。山道ではよく水たまりに群がっている。



 切株から軽く威嚇してきたヒオドシチョウ



 透明に近い翅、黒と黄色のオシャレな胴体が特徴のキハダカノコガ(ネットで調べた)



 カシワマイマイ?チャドクガ等と同じ仲間らしい。



 林の中を歩いていると優雅に飛んでいるのが目に着くハグロトンボ。飛ぶ様はゆったりとしているのだが、警戒心が強くなかなか近づくことができない。




 羽化したばかりのムギワラトンボ、まだ翅が乾いてないのか、近づいてもおとなしくモデルになってくれた。



 

 尻尾が白いのでシオヤアブだろうか



 ナナホシテントウはアブラムシを食べるので益虫なんだと、むかし小学校で習った記憶がある。




 体調よりもはるかに長い触角をもつのはカミキリムシの仲間。体色からするとクワカミキリだろうか






 オカトラノオの群生地にたくさんの昆虫が集まっていた。




キマダラカミキリ



 これもよく見かけるアカスジキンカメムシ、もちろん触っちゃいけない



 ?こんな特徴のない虫は全くお手上げ、図鑑でもネットでも調べようがない



 葉蔭にはカマキリがひそんでいる。またトカゲもかなりの頻度で見かける。



 これも何度かクヌギやコナラの幹で見つけたのだが?体側が赤いので容易に調べがつくと思ったのだがわからなかった。



 触角が長いのでバッタではなく、キリギリスの仲間か



 ?



 キバチのなかまか



 小さなカタツムリ




 こんなかくれ帯は初めて見た、どうやらウズグモというらしい。このかくれ帯の役割は天敵から身を守るという説や、白い帯が光に反射して昆虫から花のように見えることから虫を誘っているという説もあるようです。



 森の死体処理役オサムシやシデムシの仲間に似ている。



 最後に出会ったこいつはバッタなのかコオロギなのか




 この辺で