野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

筑波実験植物園~温室の花

2009-08-30 | 植物園
 <前回からの続き>
 園内には4つの温室が設けられている。サバンナ温室、熱帯雨林温室、水生植物温室、熱帯資源植物温室の4つ。このうち熱帯雨林温室から入ってみた。

 入口の脇には真夏に咲く椿、ゴルドニア・ラシアントゥスという花が今週の花ベストワンとして紹介されていた。




 入口の前には大きな木のオブジェがある。温室の中には階段を上り2階から入っていくのが面白い。



 リュウキュウボタンヅル



 コウシュンカズラ



 ガガイモ科サクララン属の一種とあった。



 ハイビスカスの仲間なのに、花弁が離れている。



 ラン科の花は密生して植えられていて、立て札の名がどの花なのか判別できなかった。









 この花は分かった。エピデンドルム・ポルパクス。メキシコ原産















 このラン科の花だけは立て札が大きく「シンビジウム・カナリクラツム」とあった。Black Orchid(黒い蘭)の一種のよう。日本のシュンランと同じ仲間なのだが、分厚い葉をつけて木の上に着生している。




 ペンタス



 世界最大のラン。グラマトフィルム・スペキオスムといい、ニューギニア地方原産。よく育つと7mにも達し、植物全体の重量は2t、一株に1万もの花が咲いた記録があるという。







 サバンナ温室ではアフリカオーストラリアなどの半乾燥地域に自生する植物が植えてある。

 フエルニア・ゼブリナ。通称赤鬼角、アフリカ原産。



 ヤトロファ・ムルチフィダ。トウダイグサ科で北アメリカ原産



トラデスカンチア・フルミエンシス。ツユクサ科の花でブラジル原産



 プレクトランツス・ヒリアルディアス。シソ科の花



 温室の片隅にとても背の高い植物があった 。23年の時を経て開花したというダシリリオン・グラウコフィルム。国内で開花したのは確実な例としては3例目らしい。
 



 エボロブルス・ピロスス。通称アメリカンブルー、ヒルガオ科




 エキナンツス・トリコロル。イワタバコ科



 世界にさまざまな花があるものだとほとほと感心させられた。

  ではこの辺で。

筑波実験植物園

2009-08-28 | 植物園
 国立博物館の分園となっている筑波実験植物園を訪ねた。ここを訪れるのは今回で3度目になるが、真夏の季節は初めて。入園料は大人300円、駐車場は無料。近くにあったら季節ごとに訪れたい所だ。

 敷地面積は約14haで、園内には4つの温室と14の野外区画が設けられ、およそ3000種類の植物を観察できる。



 キツネノマゴが道のわきに咲いている。



 入ってすぐのコンコースに、早速お目当ての花が咲いていた。タヌキノカミソリである。野生でよく見かけるキツネノカミソリと花の形はほとんど同じだが花色がピンク色となっているのが違いだ。







 さらに先を歩いていくと、サバンナ温室の隣にもう一つのお目当てである、シカクヒマワリが咲いていた。



 花を見ても普通の菊のようであまりヒマワリらしくないのだが、蕾をみるとなるほどヒマワリに似ているのと頷ける。



 シカクの名の理由は花ではなく、角ばった茎にある。



 この後は温室を見て回ったのだが温室の花は次回にまとめて、今回は野外区画にあった花を中心に載せることにしよう。

 これは蕊が橙色じゃないのだが、多分サフランモドキではないかと思う。



 名札があったのだが、メモをし忘れた、以前も昭和記念公園や深大寺植物園で見かけたことがあったのだが……。




 ウォーターポピー



 ツノヤブコウジ




 山地草原エリアに行った。さすがにこの時期咲いている花は少ない。
 ツリガネニンジン



 バアソブの花は初めて見ることができた。
 


 ノヒメユリも初見




 カモメヅルの仲間



 白い小さな花がきれいなマキエハギ



 エチゴトラノオ




 隣の区画は海岸性の植物が中心に植えられている。
 ハマカンゾウ



 カラスアゲハがしきりに羽ばたきながら蜜を吸っていた。



 これも見たかった花の一つ、ソナレマツムシソウ。普通のマツムシソウに比べ海岸性で、浜風を避けるため背の低いのが特徴。






 ハマゴウ



 砂礫地区画のイワダレソウ




 奥に進んでいくと低木林の区画になっている。
ゴンズイの赤い花が咲いていたが見ごろは過ぎていたのが残念。これは色づき始めたズミ(コナシ)の実。



 園内には結構広い池もあり、周囲は水生植物の区画となっている。



 タイリンオモダカ



 ホソナガバミズアオイ



 ワスレナグサも小さな花を咲かせていた。



 絶滅危惧種の区画にあったスズカケソウ



 そばでは大きな茸が見つかった。横の青いのは市販されている虫よけスプレー



 池をまわった先には以前なかった(気付かなかった)温帯資源植物の区画もあった。
 落花生の花



 綿の仲間の花も咲いていた。




 最後はススキの根元に咲いていたナンバンギセル。咲きだしたばかりでまだ口元の赤い火が淡い。


 ではこの辺で。

夕暮時の多摩川

2009-08-26 | 散歩
 武蔵境の駅から西武多摩川線に乗った。終点の是政駅から一つ手前、競艇場前駅で降りた。予想誌を片手に群れているおっさんたちの間を抜けると、5分も歩かないうちに多摩川のサイクリングロードが見えてきた。午後四時をまわった頃、日差しは暑いが、川を渡ってくる風が心地よい。とたんに視界が広がり、それとともに気持ちまで伸び伸びしてくる。








 かってはこの辺りまでフナやウグイ、オイカワなどの小魚をよく釣りに来たものだ。











 いまでは少なくなった川ガキ











 ウィンドサーフィンは多摩川では初めて見た。



 稲田堤のあたり




 鷺が狙っているのはアユなのか








 川と空を暫く見ているうちに、空に茜が差してきた。




 送電線に止まっているのはカワウだろうか。五線譜の上に書かれた音符のようで、しかも時折羽を広げて乾かしているのが面白い。








 サケやアユなどの遡上する魚のための魚道。






 あれほどぎらついていた日差しも熱を失い、心なしか人々の歩みも少し速くなってきたようだ。










 陽は落ちる前に一瞬輝きを増す。



 そして次第に光を減じ、熱を失った風が頬をなでていく。




 遠くの町の灯がポツリポツリと点き始めた。私も家路に着くとしよう。




御岳渓谷を歩く

2009-08-24 | ハイキング
 夏の暑い日差しを少しでも避けようと、休日御岳渓谷を三時間ほど歩いた。少し時間が遅かったが、何とか玉堂美術館そばの無料駐車場に車をとめることができた。



真夏のこの時期、野外では咲いている花が少ない。目立つのはタマアジサイ



 
 丈高く伸びた草の間に白い小さな花がのぞいている。サワハコベだろうか。



 ノカンゾウ



 この辺りはカヌーの練習場ともなっている。







 橋を渡って発電施設のわきを抜け、対岸を歩いて行くとキツネノカミソリの群生があった。







 一帯は薄暗い林の中でヤブミョウガやシュウカイドウも群生している。








 秋の花のキンミズヒキも目だつようになってきた。




 川井のフィッシングセンターの所で引き返すことにした。
 この辺のゲンノショウコは白花が多い



 センニンソウ



 つゆ草も先のこっていた。



 ヒヨドリジョウゴ




 ミズタマソウ




 やっとハグロソウを見つけた。ハグロソウはキツネノマゴ科の花で、低山の林下に生える。枝先に1,2個の赤紫の花をつける。花の大きさは3cmほどにもなり、同科のキツネノマゴと比べると格段に大きい。花は朝開いて午後には散ってしまう一日花だ。




 これはツートンカラー




 ススキの葉にヤマトシジミが止まった




 流れの緩やかな川岸では川泳ぎやバーべキューに興じる家族連れが多い。



 コマツナギ



 ミゾソバ




 同じミゾの名がつくミゾホオズキもまだ咲いていた。
 


 寒山寺の一つ手前の橋を渡って御岳まで引き返した。こちらの岸は途中で車道に出なければいけないので歩く人は少ない。ここではつい最近、野兎を見つけたことさえある。

 これは花弁が反り返っているのでヤマホトトギス。よく似たヤマジノホトトギス(名前まで似ている)は、花弁が反り返らず平開するので区別される。
 


 キバナアキギギリを見つけた。奥多摩の低山でよく見かける花だが、平地の川沿いでも咲いているのには驚いた。



 ここで今回の散策はお終い。わずか3時間足らずであったが、真夏の炎天下、涼しい渓谷沿いの林道歩きを堪能できた。


万座ハイウェイーから軽井沢へ

2009-08-20 | 旅行
 帰路は草津白根山の湯釜を見てから軽井沢植物園に寄った。

 国道最高点となる渋峠



 湯釜まで登る道は以前とは違ったコースに変わっていた。






 湯釜という名とは違ってずいぶん涼しげな色をしている。



 付近を散策した。オンタデの花の紅色がきれいだった。




 ヤマハハコ



 気の早いナナカマド



 ウツボグサ




 この前来た時とは季節が一カ月ほどずれているので、見事な群生を見せていたオヤマリンドウはまだは殆ど開花していなかったのが残念。
 少し戻引き返し万座ハイウェイーに乗った。カーナビでは有料表示されてなかったのにしっかりと1020円徴収された。悔しい乗るんじゃなかった。距離も短く、たいしてスピードの出せる道でもないのに1020円も取るとは…。おまけにそれが高給天下り官僚の給料に補填されることを思うと一層腹立たしい。



 中軽井沢の風越公園の中にある軽井沢植物園に着いた時はすでに午後一時を回っていた。真夏の暑い日差しがきつかった。



 クサギの木の花にチョウが集まっていた。




 狭い園内にはたくさんの植物が植えられているのだが、この時期花の咲いている種は数えるほどしかなかった。その中でもレンゲショウマだけは見事な群生を見せていた。










 いつもながら誰が名付けたか、「森の妖精」の名がぴったりの清楚にして妖艶な花だ。






 他に目立った花を挙げておこう。
シキンカラマツ




 ユウスゲ




 イワタバコ



 ナツズイセン




 少しくたびれていたフシグロセンノウ



 アキカラマツ



 アスチルべ





 あまりにも暑く、おなかも空いて来ていたので園内の散策は一時間ほどで切り上げた。雰囲気の良い植物園だったので、次回は花の多い時期に再来園したいと思う。
 では、この辺で。