野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

田島ヶ原のサクラソウ

2010-04-28 | 野の花
 数年前に訪れて以来、久しぶりにサクラソウの自生地田島ヶ原を訪ねてみた。隣接する秋ヶ瀬公園には鳥を見に何度か訪れているのだが、こちらは雑草に覆われたサクラソウにがっかりしたことによって足が遠のいてしまった。今回も鳥見のついでにどうなっているのかな位の軽い気持ちで寄ってみたのだが、今年は4月の中旬ごろが見頃だったようで、私が行った時にはノウルシやスイバなどの背の高い草に隠れてしまっていた。




 サクラソウの赤い色が全く見えない。



 元気がいいのはカラスノエンドウ



 中ほどまで進んだ所でやっと発見













 よく見ると花弁の幅が広いものと狭いもの、色合いも赤からピンクまで変化に富んでいる。







 唯一見つけた白花種




 今の時期はノウルシの方が勢いが良いようだ。






 アマドコロも目に付く












 これは開花前のチョウジソウ




 全体の風景、時期が過ぎたとはいえサクラソウの赤色は原っぱ全体の一割にも満たないのが悲しい。




 平成14年ごろの記事をネット上で見つけた。



 今年の4月中旬の様子


 こうした山野草の自生地を管理維持していくのは本当に難しい。
 
 

丹沢大山登山

2010-04-26 | 登山
 久しぶりに晴れそうなので休日、丹沢の大山に登ってきた。小田急線の伊勢原駅からバスで20分少々、運賃300円で大山ケーブルカー駅へ着く。そこからは道の両脇にお土産屋が立ち並ぶ細い、急な道を登っていく。



 大半の人はケーブルカーに乗るのだが勿論私は脇の登山道へ。前回は右側の男道を行ったのだが変化に乏しかったので、今回は左の女道を登っていくことにした。



 新緑が眩しい











 ここが女道への分岐






 古びた野仏が多い



 子育て地蔵



 爪切り地蔵




 40分ほどでケーブルカーの終点になっている阿夫利神社下社に着いた。



 左に折れていくと半開きになっている門の先に山頂への登山道がある。



すぐに長い急な階段が続く。その先はごろごろ石が多く、 頂上の神社への参道ともなっている道幅の広い登山道が続いて行く。


 ヤマルリソウ



 ミヤマカタバミ




 スミレも多い







 登山道の脇には思いがけなく小さな野仏が置かれている。



 一時間ほどで25丁目、ヤビツ峠からの分岐に到着。ここから西の方に富士山が見えるはずだが、残念ながら春霞で全く見えず。



 10分ほど登って阿夫利神社の鳥居が見えてきた。



 やっと頂上だ。









 阿夫利神社の奥の院



 頂上は丁度お昼時で、座る場所がないほど人でいっぱい。
 


 北西側に新しい休憩場所が作られていたが、こちら側にもたくさんの人がいる。更に西に回り込んでやっと座る場所を見つけ、いつもより早めの昼とした。真向かいに塔の岳が見える。



 富士が春霞の向こうにうっすらと浮かんでいる。




 30分程休んでから下山。下山路は見晴らし台経由で日向薬師コースへ。途中咲きのこっていたキクザキイチゲを発見。



 下山路に咲くミネザクラやアセビ









見晴らし台到着。ここまで一時間弱かかった。ここから先は関東ふれあいの道となっている。






 クロモジの花



 カエデの若葉










 40分ぐらいで日向学習センター前に着いた。ここからは車道歩き、満開の八重桜が出迎えてくれた。


 アケビの花も見える。




 道端には近年自生地が少なくなったオドリコソウが咲いている。



 途中ユキヤナギやレンギョウ、ヤマブキなど派手やかな春の花々をを横目に見ながらゆっくりと歩いて30分。秋の彼岸花で有名な日向薬師に着いた。ここからバスに乗って帰宅。まだ時間が早かったのでバスも電車も空いていたのが嬉しかった。いつも思うのだが丹沢は鹿の食害のせいだろうか、近くの高尾山周辺と比べてみると花の種類、量が少ないように思える。足の便の良さや見晴らしの良さは絶好なのだが……。
 今回の山行総歩数は18000歩ほど、下りを急いだので足は多少痙攣ぎみとなったが、春先の足馴らし登山としてはちょうど良かった。

イワウチワ咲く低山ハイク

2010-04-24 | ハイキング
 


 奥多摩の某山へ登ってきた。気軽にイワウチワやヒカゲツツジに出会える山ということで近頃オーバーユースになりつつあるようなので、山の名はとりあえず秘すことにしたい。尤も探そうと思えば決して難しくはない。


 天気予報は午後から雨ということで登山道には人影は少ない。一時間ほどで見晴らしのきく所まで登ってきた。







 途中の山道はまだ冬の気配が残されていて、山野草の類はあまり見られなかった。

 キイチゴ



 スミレサイシン



 ミヤマキケマン




 薄暗い林の中ではミヤマシキミが花をつけていた。



 一時間半ほど登った所でイワウチワの群生に出会えた。

 山道の脇の岩がごろごろしている周辺に多い。








 イワウメ科イワウチワ属の多年草。北海道から近畿地方までの低山から高山の林の中に自生している。名前は岩混じりの斜面や草むらに多く見られ、葉っぱが団扇のようなことからつけられた。




 切れ込みのある花弁がフリルのようで可愛い。花の色は白だけでなく、ピンク色のものもある。






 まだ新緑も見られない中でミツバツツジだけが華やかな彩りを添えている。










 更に登って行ったところそれまでは蕾だったヒカゲツツジがやっと花を見せてくれた。









 ヒカゲツツジは関東地方以西の四国から九州にかけて早春の時期に見られる花だ。従ってイワウチワと両方見られるのは関東から近畿にかけてだけということになる。沢筋等の薄暗い所に多いことからその和名がつけられた。自生する淡黄色のツツジは珍しくこの種のみだ。













 頂上が近づいてくると葉の色が茶色を帯びてきた。







 1000mを越えたこの辺りではイワウチワはすっかり姿を消し、代わりにイワカガミの群生が見られる。が、残念ながらイワカガミの花期にはまだ早く、イワウチワと同時に見るのは難しい。




 頂上近くのアセビ



 帰りは別ルートで帰ったのだが、斜面の向きが異なるせいなのかそれとも地形のせいかイワウチワもヒカゲツツジもほとんど見られなかった。



 おまけは帰路出くわした小菅村の多摩川源流にかかる鯉幟と奥多摩湖畔のヤマザクラ





 この辺で

休日は立川の巨大公園へ

2010-04-21 | 植物園
 

 この時期の公園は、ソメイヨシノは終わっているもののナノハナとチューリップそして最近ではムラサキハナナの3つが同時に見られるので結構お得になっている。

 いつものように砂川口から入園。開園間もなくでまだ人は少ない。



 こもれびの里の池。造られてから暫くたち池らしくなってきた。メダカやオタマジャクシが泳ぎ回り、カメが甲羅干しをしていた。




 時期遅れの桜が見ごろを迎えている。




 みんなの広場まで来た。開園間もないせいか巨大広場は空いている。昼ごろにはこの広場も人でいっぱいになるはずだ。




 花期の長かった桜も終わってしまっている。もう少し早ければナノハナと同時に見られたのだが……。







 園内をS字型に突っ切っている残堀川。咲いているのはカラシナの花だろうか。




 黄花オドリコソウ




 オトコヨウゾメ




 昔はトリモチに使われたというモチノキの花。咲いているのを見たのは今回が初めて。




 オオデマリはまだまだこれからといった所



 




 水鳥の池を一周して渓流広場へ。こちら側に来るとバーベキューガーデンもあり、人の数が一挙に多くなる。去年はハーブが植えられていた丘に今年は小規模ながらシバザクラやディージーが植えられていた。








 反対側はディージー




 昼近くなって更に人が増えてきた。渓流広場の付近はチューリップガーデンとなっているので大変な人出だ。






 フリルのついたチューリップの花












 植えられているのはチューリップだけではない。ムスカリやスイセンなどが巧みに配色されている。








 水面に映るチューリップもなかなか綺麗だ












 渓流広場の先はムラサキハナナの群生地となっている。




 ところどころに逃げ出した菜の花やチューリップが咲いている。








 子供の森に来たのは久しぶり




 管理棟前にもチューリップが咲いている。








 子供の森からはこもれびの丘に寄った。ここは最近作られたゾーンで山野草が植えられている。観察された花はニリンソウ、ヤマブキソウ、ヒトリシズカ、シュンラン、チゴユリ、ホウチャクソウ、ウラシマソウ、イカリソウ、スミレ数種類等等。まだ整備中なので疎らに植えられているのだが、山野草好きとしてはこれからを楽しみにすることにしよう。


 その隣にあるのが日本庭園。新緑がきれいだった。



 モミジの花



 枝垂れ桜



 入園から4時間、相変わらず人は多いものの、園内は広いのでさほど苦にならないのがいつもながらこの公園の良い所だ。
 今回も十分楽しませてもらった、感謝。

タカオスミレを訪ねて

2010-04-17 | ハイキング
 


 未だ見たことのなかったタカオスミレを訪ね高尾山に登ってきた。平日は1時間にほぼ一本という小仏行きに乗り遅れてしまったので、予定を変え、登山口まで歩き、6号路から登ることにした。この日は琵琶滝から左折するコースと帰りの4号路が一部通行止めとなっていた。



 平日でも人は多い、ミシュラン本の影響か、以前より外人さんが多くなったような気がする。



 アオキの花



 山道に沿ってミヤマカタバミも咲いている。






 スミレも幾種類か咲いているのだが、そのほとんどは残念ながら同定出来ない。






ナツトウダイ



 今回は高尾山の頂上となっている大見晴台は迂回して城山へ向かった。




 モミジ台付近はヤマザクラが見ごろを迎えていた。



 ミツバツツジ






 切れ込みの深い葉をもつスミレはエイザンスミレ










 これはヒゴスミレだろうか




 一丁平の付近はヤマザクラが山道の両側に咲いている。ちょうどお昼ごろで弁当を広げている人が多い。



 日当たりのよい崖に咲いていた色の濃いスミレ















 午後一時過ぎやっと城山に到着、登り始めて二時間半近くかかった。下に相模湖、晴れていれば稜線の上に富士が大きく見えるのだが今日は見ることができない。






 軽い昼食と小休止の後、日影沢林道を下山。眼下に見えるヤマザクラは一丁平の付近のものだろうか。







 ケマンソウ。左がムラサキケマンで右がミヤマキケマン



 ミヤマネコノメソウ



 ハシリドコロも青青とした大きな葉の下に目立たない花をつけている。




 沢筋に沿ってはニリンソウが見事な群落を見せている。







 やっと出会えた。スミレは同定が難しくて私の手にはとても負えないが、このスミレだけは黒ずんだ葉で他のスミレと容易に識別できる。思ったより野草らしい楚々とした佇まいの花で、いっぺんに気にいってしまった。どうやらこれから数年はこの花に会うために高尾山に通うことになりそうだ。











 花が出て暫くすると普通の緑色の葉が出てくる。




 日影沢からは高尾駅までバスに乗る予定だったが、また乗り遅れてしまった。2万5千歩を越えて痛くなりはじめた足をなだめながら、そしてタカオスミレに出会えた満足感を味わいながらゆっくりと旧甲州街道を高尾駅まで歩いて帰った。途中の新緑が目にも疲れた心にも優しかった。