4年ぶりに冬の新潟を訪ねた。目的は福島潟と瓢湖。天気予報は猛吹雪となっていたが、現地は雨。新潟市内ではほとんど雪を見ることがなかった。以下数行は私のうっぷん晴らしの雑文ですので読み飛ばしてください。
午後5時ごろに着いたその日は、「Niigata光のページェント」の最終日(2月14日のバレンタインデー)それを楽しみにしていたのだが、想像以上のスケールの小ささ、いや無さに意気消沈してしまった。同じ名前の「仙台光のページェント」と比べて規模を3分の一に縮小して、更に照明を4分の一ぐらいにしたような感じ。とにかく比べること自体が失礼なのだ。しかも演出、イベント、アトラクションなど一切なし。そもそもページェントの本来の意味を知っているのだろうか。ページェントというのは祝祭日に行われる野外劇や行列なのだよ。いったいどこにそれがあるのか。そんなものどこにもありゃしない。道行く人だって見向きもしないでみんな黙々と通り過ぎていく。これではうちの近所の商店街のイルミネーションと大して変わらないじゃないか。何のためわざわざこれを楽しみにしてきたのか……。勝手に雪景色の中の天を突くようなまばゆいイルミネーションを妄想した私が愚か者だったのか……。
翌朝は朝から雨降り。7時10分の白新線に乗って(尚切符は前夜買っておいた越後ワンデーパス1500円、これが一日使えて便利だった)、30分ほどして豊栄に到着。駅から福島潟へはバスなどないので歩くことになる。
駅で買い求めた500円のジャンプビニール傘(これがまた砂糖菓子のように脆かった。何と地面に置いただけで骨が折れ曲がってしまったのにはびっくりした)を挿して半時間。はばたき橋から見た福島潟放水路。中央上に見えるのが「ビュー福島潟」の建物
雁かけ橋から、雪は点々としか見えない
まだ閉館中のビュー福島潟のわきを過ぎていく
手前はキャンプ場、奥に見えるのが休憩所となっている「潟来亭」。8時になったばかりでまだ係りの人は顔を見せてなかった。
ヨウモツ小屋が見えてきた。ヨウはいお、魚の意味で、網にかかる魚を待つ小屋として昭和20年代までは使われていたという。現在福島潟には2か所復元展示してある。
木の上には数羽のカワウが木の実のようになっている。
雪は少ないが気温は低く、散策路脇を氷の帯が道に沿っている。
晴れた日には五頭山、二王子岳がヨシ原の向こうにみえるが生憎の雨霞みでぼんやりとしか見えない
船着き場のマガモ、いかにも寒そうだ
雨が横殴りに変わってきた
左遠方に見えるのが水鳥観察小屋の「雁晴れ舎」
猛禽類でも飛んだのか、奥の方でカモたちが一斉に飛び立った。
「カモマチ小屋」。これも復元展示。
その前でがスズメの大群が朝ごはんの真っ最中。一番右端はアトリだったということを帰ってから発見。
見えている水鳥たちは殆どおなじみのメンバー。双眼鏡で一生懸命探すのだが、ヒシクイどころかほかの珍しい水鳥たちにも出会えない。
遠く過ぎてよくわからないが猛禽類のようだ。
橋の上にダイサギ
片足を上げてお休み中
サギを驚かさないように迂回して雁晴れ舎までやってきた。
ちょっと中に入って雨宿り。先客は一人だった。三階建ての2階と3階部分が鳥見用で、望遠鏡が数台備えつけてある。時間が遅かったのか、奥の方まで見てもヒシクイは発見できず。マガモ、コガモ、オナガガモ、カルガモが大半。小屋のボードにはたくさんの種類がカウントされているのだが……。私の鳥見力が不足しているのか、器材が能力不足なのか、時間帯が悪いのか、それとも単に運が悪いだけなのか。まあそれらを全てひっくるめた方が合っているのだろう。
鳥見には恵まれないが、この風景を見るために遠くからでも来る価値は十分過ぎるほどある。
羽ばたき、悲しげに泣き交わす声、ヨシ原を抜ける風の音。目を閉じて聞き入る時間が何とも楽しい。
オシドリがいた
水鳥たちの鳴き交わす声を暫く聴きながら、小屋で暫く時を過ごした。
帰り際放水路で見かけたオオタカ
この辺で。