野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

多摩湖夕景

2012-12-31 | 探鳥

  最近ユーチューブで鈴木常吉の歌を知り聞き浸っている。心の根に直接語りかけてくる詞もいいのだが、独特なシンコペーションが何とも不思議で、心地良いリズムでひたひたと語りかけてくる。お勧めは「おもひで」と「炊事節」など。近況終わり。

 多摩湖といっても本当の名前は村山貯水池。玉川上水から引かれた水がここに流れ、東京都の水道の一部を賄っている。でも地元の人はみんな東京にある方を多摩湖と呼び、埼玉県にある方を狭山貯水池と呼んでいる。間違っても奥多摩湖(これも正式には小河内貯水池)と比べて近多摩湖と呼んではいけない。品格がなくなってしまうから。

 木に止まっているのはカワラヒワ。先ほどからキリリコロロと甲高い声で鳴き交わしていて忙しない。

 

 

 それを打ち消す轟音で自衛隊機が上空を通っていった。

 

茜色が世界を音もなく染めていく、奥多摩の峰々が影絵のように浮かび上がってくる

 

 すっかり色を変えた湖面には取り残された水鳥が一羽

 

 存在の証のように、小さな丸い波紋を立てている。

 

 闇を写しとった森の上から富士がのっそりと顔を出す

 

 そしてその前をアカトンボのような飛行機が飛んでいく

 

 

 アハッ、天心を通過した

 

 やがて飛行機は飛び去り、湖上には水鳥の番いが何やら鳴き交わしている。

 

 一日の終わり、一年の終わりだ。

 

 遊園地もそろそろ店じまいか

 

 湖畔のレストランが眩しいほど最後の日を浴びて輝きだした

 

 

 光も熱もやがては消え失せていく

 

 今年最後の日の入り。初日の出に対して何と言ったらいいのだろうか。

 

 この辺で。


お台場ガンダムイルミネーション

2012-12-20 | イルミネーション

 

 

 ガンダムのイルミネーションが見られるというので、お台場まで出かけてきた。12月中旬4時も過ぎると日は傾き、海も空も茜色に染まっていく

 

 夜の準備を終えた屋形船の向こうに、せわしなく冬の日は沈んでゆく

 

  トラスティ東京ベイサイド

 

 黄昏時の夢の大橋。ここを歩いているとこの世ならぬ異世界に迷い込んだようで、不思議な気分に襲われる。

 

 ビーナスフォートに入るとさらにリアルとは思えない世界が広がっている

 

 

 道行く人もどこかマネキンのような振る舞いで生気は感じられず… 作り物めいた世界の中を、青白いチューブライトが正確な時を刻んでいる

 

 オリーブ広場の希望のツリー

 

 噴水広場ではビーナスが妖しく煌めいている。

 

 

 

  極北の空を焦がすオーロラのように色を変幻自在に変えていく

 

 人工雪を降らし、ビーナスの上のスワロフスキーがいっそうの輝きを増す

 

 ビーナスフォートからダイバーシティーまで歩く。

夕日を浴びたガンダム

 

 

 16時半、日が落ちるとガンダムのライトアップが始まる。

 

 

 

 

 傍まで寄ると巨大さに圧倒される。

 

 後ろから

 

 ショーが始まると音楽とともにめまぐるしく色を変え始めた

 

 巨大ガンダムの足元にはガンダムサンタが愛嬌を添えていた。人を模したビーナス像には人間味を覚えなかったが、人とは異なる形をした巨大ロボットには懐かしさやシンパシーを感じてしまったのはいったいどういうわけだろうか。

 

 フジテレビ前の巨大ツリー

 

 

 そしてお決まりのレインボーブリッジの夜景

 

 この辺で。

 

 

 

 


新宿御苑

2012-12-17 | 探鳥

 師走の慌ただしい雑踏を抜けて、大温室の新装なった新宿御苑を訪ねた。入ったのは大木戸門から。

 

 入口すぐ右手にドコモタワーに寄り添うように立っている大温室が見える。

 

 

温室入口は新宿門の方にある。建物はかなり斬新なデザインにかわっている。

 

 入口のマップ。

 

入口から「人と熱帯の植物」コーナーを抜けると熱帯池沼の植物コーナー。

 

その先沖縄コーナー、小笠原コーナー、乾燥地の植物オーナー、熱帯山地の植物コーナーと見て回った。立体的にコースが作られているが、植物の点数が少ない、植物と建物が全く馴染んでないということで、10分足らずで出口に出てしまった。2007年から今年の秋まで時間をたっぷりかけた改装工事だったので、かなり期待して訪れたのだが……全くの空振りだった。今度訪ねるのは植物が建物になじんだ5年先ぐらいで良さそうだ。

 イギリス庭園の端にあるメタセコイア

 

 コブクザクラが咲いていた。

 

 台湾閣

 

日本庭園。池の向こうの芝生には翔天亭。雲一つない小春日和の絶好の天気。

 

 中の池の向こうには新宿の高層ビル群が顔を覗かせている。

 

 バラ園とプラタナス並木が有名なフランス庭園

 

 

下の池を廻るとモミジ山。終盤を迎えた紅葉が最後の輝きを放っていた。

 

 

 

 

 在園2時間、一周半して千駄ヶ谷門から退園した。期待外れの温室を除いては結構楽しめた。

この辺で。

 

 

 

 


百蔵山と富士の笠雲

2012-12-11 | 登山

  

 

 天気がいいので、早起きして百蔵山に登ってきた。中央線の猿橋で下りて中央高速のガードをくぐる。橋の下を流れるのは葛野川、すぐ下流で山中湖を水源とする桂川と合流し相模湖にそそぐ。上流の山並みは大菩薩連嶺だろうか

 

登山口までは舗装された道をくねくねと折れ曲がって登っていくのだが、車は少ない。登山口までの標識は分岐点ごとに表示してくれているので迷うこともない。

市営グランドを過ぎ、ここで左折。

 

 駅から約40分ほどかかって浄水場まで登ってきた。標高は500mを越えたぐらいか、ここまで登ってくると富士も望めるようになる。。

 ここが浄水場。

 

 すぐに登山口が見えてきた

 

 まだシモバシラの溶けきらない山道を登っていく。と、ヒッヒッという規則正しい小鳥の鳴き声が聞こえてきた。4,5m先にルリビタキの雌が鳴いている。円らな瞳が何とも可愛い。人を恐れ無いようで、カメラを向けても暫く被写体になってくれた。

 

薄暗い谷間にいたウソ、こちらは中々振り向いてはくれなかった。

 

 種名はわからなかったが、一枚の葉に紅と黄に染め分けられていてきれいだった。

 

 今回初めて登ったのだが、この山は付近の山と違い針葉樹が少ないので、陽だまりの中を登山できるのが嬉しい。その陽だまりの中を頻りに飛んで、というか浮遊していた雪虫を手で捕まえてみた。捕まえたら暫くボーっとしていたので、椅子に置いて4,5枚撮ってみた。何とかとれたのがこの一枚。

 

 12月の時期なのでしょうがないが、花はキク科のリュウノウギクやアキノキリンソウの枯れ残ったものを除いてほとんど見られない。これは絵筆のようなコウヤボウキの綿毛。

 

 信仰登山の名残か石仏が無造作に置かれてあった。百蔵山のモモ、そして付近の集落の名には犬目、鳥沢、猿橋とあり、更には九鬼山と桃太郎の昔話のキャラクターが揃っていることから、この山には桃太郎伝説もあるという。

 

 扇山との分岐点、古い今にも朽ち果てそうな標識がいい。

 

1000mを越えたこのあたりではほとんどの木が葉を落としている。

 

 頂上の標識が見えてきた。百蔵山は山梨の秀麗富岳12景の一つとなっている。

 

 

 ここで富士の良く見えるところに腰かけて、缶ビールとつまみを取り出す。風もほとんどなく、他には人一人いない。オーバーを脱ぎ、小春日和の心地さを味わう。眼前には雄大な富士、ううーん何という至福の時間だろうか。

 ちょうどこの時に富士に小さな笠雲がかかってきた。このサイトによると、笠雲には20の型があるという。

 これはさしずめ、はなれ笠

 

 うねり笠

 

 おひき笠

 

 ふきだし笠

 

 僅かの時間に笠の形が変わっていく

 

 そして缶ビールが終わり、おにぎりも終わった頃には笠雲も随分離れ、なくなってしまった。

 

 帰りは福泉寺方面へ下山

 

 金毘羅宮の小さな祠

 

 

 今年の台風の跡か、登山路にはスギの倒木がごろごろしていた。

 

 軒を壊すので乗り入れ禁止との民家の標示

 

 福泉寺を過ぎてからは、ススキがきれいな葛野川べりの遊歩道を歩いて駅まで向かった。

 

 

 今日はこの辺で。

 

 

 

 


多摩川散策

2012-12-07 | 探鳥

 初冬の夕暮れのひと時、多摩川是政橋付近を歩いた。

 

 向こう岸(川の右岸)にわたる。橋の上を幾分冷気を含んだ風が吹いている。

 

 すぐ傍に中央線の鉄橋がある。

 

 堤防

 

 流れの中にアオサギが一羽

 

 コンクリートの上にはマガモ

 

 その向こうにいるのはコガモの群れだ

 

 さらにその向こう中州の岸にコサギがすうわ群れを作っている。

 

 近くに来た釣り人に驚いて飛び立った。

 

ススキももう綿毛となって散り離れ始めた

 

 交通公園の観察小屋にはいつも数人のバードウォッチャーがオオタカを観察している。

 

  彼らの胡散臭げな表情に辟易し、また薄暗くもなってきたので引き返すことにした。

 対岸にダイサギの大群がいる。

 

 

 日が傾きはじめ、ススキも黄金色に輝き始めた

 

 さまざまな仕草や表情を見せてくれ、いつまで見ていても飽きない雀の群れ

 

 

 カヤックの練習風景はここでは初めて見た。

 

 焼却場

 

 

 水面にも光が乱舞し始めた、ほんのひと時だけのショーだ。

 

 その輝きもつかの間、世界は色と光とそして熱を失っていく。

 

 東の空に満月が登り始め、そしてその上を沈む日の残り日を受けた飛行機が飛び去っていく

 

 

 日が沈んだばかりの西の空には、富士が大きな影絵となって浮かび上がってきた。頻りに鳴き交わしながらその向こうに鳥が帰っていく。

 

 

 月もすっかり上りきったようだ。川面を吹く風が体の熱を奪っていく。

 

 姿を消した鳥たちのように、私も塒へ戻る時が来たようだ。