野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

尾瀬~アヤメ平から三条ノ滝へ

2010-07-21 | ハイキング
  (富士見田代越しの燧ヶ岳)



 尾瀬には何度も行ったことがあるが、まだアヤメ平は訪ねたことがなかった。それと赤田代から三条ノ滝へのルートも行ったのは何と30年以上前の学生時代のことだ。そこから先の燧裏林道は未だ通ったことがない。未見の地への憧れと30数年前の懐かしさとで矢も楯もたまらなくなり、思わず夜行バスの予約(往復弁当着き7100円のツアー)を決めてしまった。


 行程概略;新宿地下大駐車場10時半出発→鳩待峠5時10分到着→アヤメ平6時45分→7時10分富士見田代→8時35分竜宮十字路→9時10分ヨッピ橋→10時15分赤田代、ここで昼食→三条ノ滝11時20分→11時55分三条ノ滝分岐→12時40分天神田代→御池13時50分到着

 総歩数約3万3000歩、出会った人数え切れず、天候に恵まれた運のいいハイキングだった。



 5時過ぎたばかりなのに鳩待峠は結構明るい。にぎやかに準備を終えたハイカーたちは殆どがは山の鼻へと下って行き、私の行くアヤメ平方面は100人に2,3人といったところか。






 ゴゼンタチバナが登りの疲れを癒してくれる。



 ギンリョウソウが至る所に大量発生していた。



 左上からヤグルマソウ、ユキザサ、左下はツクバネソウ(これは懐かしい)、エンレイソウ



 薄暗い林の中の木道歩き、陽はまだ差さない



 左上からコケモモ、チングルマの花柱、左下はキンコウカ、ツルコケモモは初見で嬉しい




 急な登りを登りきった途端、にわかに視界が開けた。横田代に着いたようだ。それまでなかった風が汗の出始めた頬に心地よい。



 点在するアヤメが朝日を浴びて煌めいている。



 うねりながら伸びている木道の両脇では、ワタスゲが金色の光に包まれながら風になびいている。音はしない、話し声もない。こんな人気のない尾瀬は今まで味わったことがない。



 それにしても広い



 緩やかな起伏を繰り返しながら燧ヶ岳に向かっていく






 左下からウラジロヨウラク、オトギリソウ、ツマトリソウ、タテヤマリンドウ



 アサヒラン。花色ははっとするほど鮮烈なのだが、殆ど花弁が開くことはない。派手な衣装に身を包んだ控えめな美人といった所。サワランという別名がある。






 トンボソウに似ている



 今日は、と思わず挨拶しそうになる枯れ木。



 中央やや右寄りに富士山が見えた。





 望遠でみると









 反対側には平ヶ岳等の越後の山々






 この辺が横田代の終わりのようだ、




 中原山(1968m)をこえると緩やかな下りになる。







 笹藪の道を少し登り返して、アヤメ平に来た。



 尾瀬が原ほどの数ではないが池塘も点在する。靄につつまれているのは燧ヶ岳だ。







 池塘を避けるように木道は緩やかに曲線を描いて、登りおりを繰り返しながらゆっくりと下っていく。













 ポツンポツンと人に会うのだが、皆一様に物静かで声に出さず会釈してすれ違う。まるで声を出すことでさざ波を立て、この絶景を崩してしまうのを恐れているかのようにお互いに寡黙だ。











 高層湿原のアヤメ平は広大だが、天はなおいっそう広く、そしてその下を歩き通り過ぎる人間は何とちっぽけな存在なのだろう。



 再び富士が見えた






 







 アヤメ平を抜けて、ガレ場を下っていくと富士見小屋が右手の下方に見えてきた。予定では分岐から富士見小屋と富士見峠までのピストンをするつもりだったのだが、左足首をひねったのが思わしくなかったので、寄らずに先を急ぐことにした。<次回へ>