翌朝、半日かけて金沢市内をぶらついた。初めは長町の武家屋敷界隈を目指したのだが、途中気になる看板を幾つか目にした。
輪島の段駄羅といい、北陸には言葉遊びの伝統があるのだろうか
長町の辺りには幾つか用水が流れている。昔は用水としてだけではなしに城を守る濠としての役割も兼ねていたようで、幅が広く流れも結構早い。晩秋のこの季節まだコムラサキシキブの実が艶めいていた。
開館前の足軽屋敷にも寄ったのだが、家の間取りが今の私の家よりも広く立派なのには驚かされた。
市役所前のオブジェ
21世紀美術館の前まで来た。開館したばかりなのに既に大勢の人が押し掛けている。
入館料1000円を払って入る。館内の殆どの場所が撮影禁止だとは知らなかった。
上から見たスイミングプール。似たものが水族館でよく見られるが、これもアート作品の一つらしい。
下から見上げるとこんな感じ、この撮影は違反なのだが、たくさんの人が知ってか知らずか写メを撮っている。その度ごとに係員が注意をするのだが一向に止まない。
空の見えるタレルの部屋、昔日本全体が貧しかった時にはこんな隙間のある家がたくさんあったのだが、今ではアートか……。
とにかく人が多かった。これでは作品を鑑賞するゆとりなんかありゃしない。一つの部屋毎に一つの作品が飾ってあって、それを迷路のような狭い通路を歩きながら見て回るのだが、人の多さにだんだん嫌気がさしてきた。更にそれぞれの部屋の入口に作品の説明をした札があって、それを手にとって見ながら鑑賞するというスタイルも何か押しつけがましくて鬱陶しく感じられた。私の結論としては、21世紀美術館は、時間があって行く所がない時しか入る価値がないというものだ。それも休日はなるべく避けた方がよい。
おまけ、一番見たかった「雲を測る男」の像は屋根の上にあり、一階から見上げるようになっているが、係員の目が厳しく館内での撮影は断念。でも館外から望遠を使って撮ることに成功 。このことに気付いた時にはとても嬉しかった。
美術館を30分ほどで退館してからは、これも人でごった返していた兼六園は敬遠して金沢城公園を訪ねた。
石川門にかかる橋
20年以上前に見たときにはこんな立派な城はなかったようだが
狭い所に閉じ込められた後だけにこの広さがすがすがしい
公園内ではモデルを使った撮影会があちらこちらで開かれていた。
切手門の紅葉
昼食は近江町市場でと考えていたのだが、ここも人でいっぱい。どこもかしこも行列を作っている。仕方なく昼は駅傍でとることにして、浅野川沿いの主計町茶屋街を覗くことにした。ここは金沢にあっては珍しく訪れる人もなく閑散として、往時の面影を漂わせていた。
横安江町は仏具や神棚の店が多い
軒先に置かれたブリキ製の巨大オブジェ
金沢別院
ホテルに戻って預かってもらった荷物を受け取り、駅傍の居酒屋風の店でランチにした。帰りの列車に乗ったのは14時過ぎ、帰宅した時には19時半を廻っていた。