野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

盛夏 都民の森

2014-08-23 | ハイキング

 毎日がうだるように熱い。涼を求めてできるだけ標高の高い地に登りたくなる。

標高は1000mを越えて木陰は涼しい。炭焼き小屋の付近

 

盛りは過ぎたヤマユリが、重たげに花を支えている。

 

 

緑になれた眼を、フシグロセンノウの朱色が覚醒させる

時期が遅かったせいか枯れかかった花が多かったのだが、この株はとてもきれいな花弁のフシグロセンノウだ。

 

キバナアキギリもここでは数が少ない

 

ソバナ

 

真っ赤に熟すのを待っているマムシグサの仲間

 

タマアジサイ

 

 

 儚げで可憐なクサアジサイ

 

 ツリフネソウ

 

キツリフネ

 

 コマツナギ

 

 フジカンゾウ

 

お盆を過ぎたこの時期はホトトギスも良く出会える花だ。これはタマガワホトトギス

 

 

 

ヤマホトトギスか

 

 頂上近くではギンバイソウもまだ咲き残っていた

 

避難小屋の近くに咲いていたシュロソウ

 

 オクモミジバハグマ

 

コウヤボウキ

 

 三頭山西峰

 

付近にはホツツジの群落がある

 

 

1500mの高みではリョウブも花が最盛期

 

両部の花の香りに惹かれて渡り蝶アサギマダラが来ていた。

 

 

 

アサギマダラだけではなくたくさんの虫たちが花に群がっていた。

 

カメムシの仲間

 

一株だけ咲いていたレンゲショウマ

 

 ずっとこらえていた空が雨を耐え切れず、急に降り出してきた。 下山を急ぐとしよう。


奥鬼怒に咲く花たち

2014-08-14 | ハイキング

 鬼怒川に沿って歩く

 

 奥鬼怒温泉は4つの温泉(私の泊まった日光沢、加仁湯、八丁の湯、手白沢)からなっている。手白沢温泉は少し離れた山の中にあり、一日6組の客しか受け付けないというので寄ってみた。加仁湯温泉の所に分岐があり、右に折れて山の中に入っていく。

  ツルアリドオシが林道わきに咲いている。この花は茎の先に2輪ずつ花をつける。花は二つなのだが子房は根元で一つにつながっているので、秋になった時赤い実を一つだけつけるという変わった花だ。

 

小さな毛の密集した花弁は4弁で十字型をしている。

 

 

 秋になるとつけるはずの実を一つだけ見つけた。

 

その他、見かけた花たち。

キツリフネ

 

タニタデはアカバナ科の花で、山地の薄暗い林下に生える。小さい花だ。

 

ヤマハハコ

 

ウツボグサ

 

タマガワホトトギスと、いずれも山登らないと出会えない花が林道わきに咲いている。

 

カラマツソウ

 

 紫褐色の強いヤマオダマキ

 

久しぶりに出会えたセンジュガンピは、さらに深山でしか見られない花だ。

 

 ブナ平

 

 余りに気持ちが良くて、体いっぱい緑色に染まるまで森林浴を楽しんだ。

 

 

まだ青い実のヤマブドウ

 

ホツツジ

 

オニシモツケとヒヨドリバナ

 

 

これはマタタビの実

 

 

40分ほどで辿り着いた手白沢温泉の建物、意外と新しい。この先には国の天然記念物にも指定されている湯沢噴泉塔への登山道があるのだが、途中数か所の崖崩れの為通行不能だという。

 

帰りは林道を歩いて加仁湯の分岐まで戻った。

 

川の傍ではキク科の花が目立った。サワギク

 

アキノキリンソウ

 

カッタテノ滝。水が気持ちよさそうなので靴を脱いで入ってみたのだが、雪解け水のせいか余りの冷たさにすぐに飛び出てしまった。

 

 八丁の湯の前に植栽されていたヤナギラン

 

 ヤマブキショウマの花の上にいるのは何の虫だろう、顔先がとがっているのでショウリョウバッタか

 

優雅に飛び交っていたカワトンボ

 

色づき始めたアキアカネ

 

蛾の幼虫シャクトリムシ

 

 

ソバナ

 

 キイチゴの仲間なのだろうが、黒い実羽園芸種のブラックベリーのようだ。

 

 橋を渡る

 

加仁湯からゆっくり歩いて1位時間半ほどで女夫渕温泉のバス停に着いた。鬼怒川温泉駅に行く日光市営バスが待ってくれていたが嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 


天上の湿原から日光沢温泉へ下る

2014-08-08 | 登山

 標高2000mを超える湿原は、池の平や妙高の麓の高谷池、苗場山の湿原など幾つか訪ねたことがあるが、私の一番のお気に入りはここ鬼怒沼湿原。規模が大きすぎず、周囲に高い山がなく見晴らしがきくのもいいのだが、立地の不便さから登る人がそんなに多くないのが一番の魅力。

 

 

ワタスゲ

 

風にちぎれて

 

タテヤマリンドウ

 

 

キンコウカ

 

 

青黄と来たので赤のサワラン

 これで信号3色のそろい踏みだ。

 

 

ツルコケモモのピンク色の花

 

イワショウブはまだ蕾

 

鏡面のような金沼

 

池塘の数は百を超える

 

 

 ここではアキアカネよりカオジロトンボの方が多い。。

 

夏は短い繁殖の季節

 

青目のアブ

 

モウセンゴケ

 

 白い花は咲き出したばかり

 

トンボソウのなかま

 

 

頂を雲に隠していた日光白根山が姿を現した。

 

 

 着いた時にはいた先客が下りて行った後、暫く登山客が途絶えた。一人占め状態となったので居心地がよく、昼食も含めて2時間以上も居ついてしまった。

池の上をカラスが飛んできた。

 

 このカラスもまた独り身のようで、何の目的か知らないが周囲をずっとうろうろしていた。

 

 

雲が形を変えて飛び去っていく

 

聞こえるのは微かな気流の音と時折のウグイス、ホトトギスの声

 

昼近くなって奥鬼怒温泉側から数組のグループが登ってきた。そろそろ下山時か

 

 

タマガワホトトギス

ゆっくりと2時間近くかけて山を下りた。その日の宿日光沢温泉に着いたのは午後2時少し前だった。

 

宿の周りに咲いていたヤマアジサイ

 

古びた木造の建物がいい雰囲気の日光沢温泉

 

お風呂は内湯と2種類の露天風呂。上が透明な、下が白濁となっている。

 

 硫黄臭の微かに匂う、ぬるめの温泉はゆっくりつかることができる。

 この日の宿泊客は私を入れて6組だけ。すぐ傍らを流れる清流とカジカガエルの鳴き声を聞きながら何度も露天風呂につかり、登山の汗を流し疲れを癒すことができた。

 この辺で。


大清水峠から天上の湿原を目指して

2014-08-03 | 登山

 先月大清水から尾瀬沼、尾瀬ヶ原、至仏山へと歩いたのだが、一月もたたず再び未明大清水峠に降り立った。今回は尾瀬には向かわず、東側の栃木県境を目指す。

夜行バスを降りたのは4時前、30分位明るくなるのを待って歩き出したのだが、間違えて奥鬼怒スーパー林道に入ってしまった。再び出発点に戻ったのは6時過ぎ。辺りはもうすっかり明るくなっていた。

大清水小屋の前から山道に入っていく。

 

沢に沿って登っていく

 

30分ほど歩いたところで根羽沢鉱山跡に差し掛かった。昭和40年代ごろに閉山された金鉱の跡で、鉱石マニアには結構知られているところのようだ。

 

ずり山のあと

 

そこからすぐに湯ノ沢出合。

 

 

 沢を左側に高巻くように登っていく。丸太を刻んだ橋を渡ったところで、沢と別れを告げる。

 

タマゴタケは食菌だが、毒を持つベニテング茸と似ている。

 

これは食べられそうもない

 

沢の音が途絶えた辺りから急登が始まった。

 

 

 出合から1時間20分、やっと展望が開ける稜線に出た。

 

標高1800mぐらいまで登っただろうか。ツルリンドウ

 

咲き残りのゴゼンタチバナ

 

厳しい冬を想像させるデッドツリーが、碧空を突き刺す。

 

 

崖の割れ目に生えたギンリョウソウが仏像のように見えた。

 

イワハゼ、別名アカモノともいう。

 

 さらに一時間半、いい加減急な登りにうんざりとした頃、やっと物見山の頂上らしきところに着いた。

 頂上に標識らしきものはなく、3本の木に山名がくくりつけられているだけ。見晴らしも全くきかない。

 

 護摩札が木の根元に備えてあった。

 

物見山からは20分ほど下って分岐へ。左は鬼怒沼山の頂上を通って尾瀬沼までのハードなコースだ。右に折れて鬼怒沼の湿原へ。

 

オオシラビソの森が突然途切れ、木道と湿原が現れた。

 

一か月前尾瀬ヶ原で見頃だったワタスゲが、今ここで再び最盛期の姿に会えた。鬼怒沼湿原の標高は2000m、尾瀬ヶ原に比べ標高が500mほど高いせいだろうか。

 

 

 こちらが先ほど登ってきた物見山。澄んだ青空が綺麗だ。

 

反対側の小さに起伏が鬼怒沼山

 

 

点在する池塘の上をトンボとともに涼風が吹きすぎていく。

 

木道がずっと天上まで続いている。

 

湿原には大小10数個の池沼があるが、ここが最大の金沼。右にそびえるピラミダルな山が日光白根山だ。

 

 

 今回はこの辺で。