野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

黒岳・雁ヶ腹摺岳を歩く

2010-08-30 | 野の花
 山梨県大月から真木小金沢林道を通って大峠に着いたのは、昼少し前。この前来たのは去年の7月初めだったので、約一年ぶりとなる。


 林道途中の野の花たち
 ヒヨドリバナ



ボタンヅル



フシグロセンノウ



 これはオトコエシか



ツリフネソウ




 大峠には車が3台止まっている。到着が遅かったので素早く準備し、前回行かなかった黒岳に向かう。






 笹藪の中にヤマジノホトトギスを見つけた。



 一時間ばかり登った時、私の周囲を囲むように飛び回り、低音で囀る野鳥に出会った。後で調べると、どうやら夏鳥のサメビタキのようだ。



一時間と少しで頂上へ着いた。



 見晴らしのきかない殺風景な場所だ。一匹のキベリタテハが飛び回っていた。



 花が少ないのですぐに引き返し、雁ヶ腹摺山に登り返すことにした。



 ウスユキソウ






 ガスが濃くなって雨がポツリポツリと落ちてきだした。大した距離でもないので、もう少し先まで登ることにした。






 マルバタケブキの花






 一時間ほどで頂上直下のお花畑に着いた。この辺りは花の数が大変多い



 ススキも見える

 雨は勢いは弱まったもののなかなか収まる気配がない



 ノコギリソウ



 オニアザミ



 チダケサシ



 雨の中、キアゲハが羽を休めている。



 頂上。ここからは晴れていれば、500円札の図案にもされた富士の絶景が見えるのだが……。



 奥は鬱蒼とした原生林、シオジの森とされた自然公園がある。



 暫くお花畑を散策した。

ハナイカリ






 ウメバチソウも咲きだしている。






コウリンカ






 トモエソウ



 秋の野草のキオンやカメバヒキオコシも咲き始めたようだ。






 ソバナ



 終わりかけのヤマオダマキ



 小半時頂上のお花畑を観察して、下山した。道の途中見つけたシラヤマギク。



 登山口に戻ったら雨が上がっていた。帰りの甲州街道が渋滞していたので、無理をして中央高速に乗ったら、そちらもそれ以上の混雑で大月から八王子まで何と3時間近くかかってしまった。お陰で内に着いたのは8時過ぎ。高速土日千円(私はETCをつけてないので普通料金)という愚政は一体いつまで続くのだろうか。

乙女高原夏の終わり

2010-08-25 | 野の花
 


 暦の上では立秋も過ぎ、処暑となった。前回小楢山に登ったその足でのすぐ近くの乙女高原に寄った。



 ボランティアの人たち(乙女高原ファンクラブなど)の努力もあって、この高原は鹿や猪による食害を免れて野の花が豊富に残されている。背丈をこえる大きさのシシウドの脇を通って高原に入る。



 たくさんの虫たちが大きなシシウドの花に群がっている。



 ヒヨドリバナ



 クリスタルラインと名のついた林道が通じているだけに、結構訪れる人は多い




 早速、カワラナデシコの鮮烈な赤が迎えてくれた




 タチフウロ




 ヤマハギと赤系の花が続く




 コオニユリも多い



 冒頭の写真と同じ、ヒメトラノオ。クガイソウに似ているが葉のつき方が違う



 ギンバイソウは7月から咲き始め、8月にかけてこの高原を覆い尽くすほどに咲くのだが、8月下旬のこの季節では数えるほどの個体しか残っていない。



 ノアザミにセセリチョウが止まっている。



 コウリンカにはクサギカメムシ



 ワレモコウにはアキアカネが羽を休めている。



 ヤマハギに花の中に頭を突っ込んで夢中に蜜を吸っているのはマルハナバチだ。




 これは面白い。ワレモコウに何かが刺さっているので近づいて見たら、シャクトリムシだった。



 タチコゴメグサ



 キンミズヒキ






 斜面を登っていくと、マルバタケブキやハンゴンソウ、ヒヨドリバナの群生地だ。たくさんのアサギマダラが穏やかな秋風の中を舞っている。









 クジャクチョウもいる。



 ノアザミにはキアゲハ



 コオニユリに止まっているのは、ヤマキチョウか



 ツリガネニンジン



 コウリンカの上で軽く威嚇しているのは、キマダラセセリだろうか



 キノコもたくさん見かけるのだが私にはまったくわからない



 高原の上で暫く休んで風を味わった。晴れていると、ここから雄大な富士が望めるのだが、この雲ではしょうがない。



 ハハコグサ



 ハンゴンソウ



 ウスユキソウ



 ずいぶん少なくなったがヤナギランも見つけた



 お終いは秋風の立ち始めた草原を代表する花のマツムシソウ




 気象庁の予測では、この残暑まだまだ2週間は続くそうな……ご自愛を。

チョウ舞う小楢山

2010-08-21 | ハイキング
 

 小楢山は山梨県牧丘町にある、1700m余りの低山だ。近くには乾徳山や西沢渓谷があり、また金峰山や国師ヶ岳の登山口の大弛峠もある。もともと交通の便が悪いので人の行かない山だったが、ここ数年登り口の焼山林道が通行止めにされていることもあり、更に人足が途絶えてしまった。


 焼山峠には子授け地蔵がたくさん置かれている。ここには数台車が止められ、トイレなどもある。簡単な装備ですぐに登ることにした。



 シモツケ



 白花も多い



 薄暗い林の中にフシグロセンノウが咲いている。



 終わりかけのウツボグサ



 人があまり入らないので道は草が茂り、荒れ始めている。



 ツリフネソウ




 ウスユキソウ




 マルバタケブキの群生



 これは腰かけて休んでいた時見つけた、ミズタマソウ



 一時間半位で一杯水まで来た。夏のこの時期、水場は涸れていた。



 ここからは10分ほどの登りで頂上だ。



 頂上付近はマルバタケブキやハンゴンソウ等の大型の花が咲き乱れるお花畑になっていて、たくさんのチョウたちが花蜜を求めて飛び回っている。

 今年初めてのアサギマダラ、遠く南西諸島から渡ってきたこのチョウに会うと、いつだって心がときめき、自然に嬉しさが込み上げてくる。





 渡り蝶らしい、羽ばたきの少ない優雅な飛び方で遠くからでもすぐ分かる。



 なかなかじっと止まってくれないミヤマカラスアゲハ



 街で見かけるナミアゲハに似ているが、これは山地で見かけるキアゲハ



 タテハチョウの仲間アカタテハ



 これは後で図鑑で調べてみたら、シャクガの仲間シロツバメエダシャクのようだった



 クジャクチョウもたくさん飛んでいた。






 これはヒョウモンチョウの仲間(私の知識ではこれ以上の分類はできない)



 左はイシガケチョウ



 トンボもたくさん飛んでいた。



 足元のお花畑の花たちも幾つか紹介しておこう

 ワレモコウ



 ハナイカリはやっと緑色が抜けて、白くなり始めたばかり



 これは小さい花、タチコゴメグサ



 オトギリソウ



 ツリガネニンジンやコウリンカは至る所に咲いていた。







 ノコギリソウ



 アサマフウロに比べて赤みが薄い、タチフウロ



 ハハコグサ



 お終いはコオニユリ、数は少なく見かけたのは二株だけだった。



 この後は近くの乙女高原に立ち寄った。


 <蛇足>ユーチューブで聞いた、手嶌葵の テルーの唄が良かったのでリンクを張っておこう。

 夏の暑さに負けずにご自愛を。
 

サギソウ舞う

2010-08-17 | 植物園
 サギソウ祭りが8月の5日から8月31日まで開かれているというので、うだるような暑さを押して昭和記念公園を訪ねた。盛夏のこの時季は園内にあるプールを除いては、休日でも閑散としていて幾分救われる。所用があったので普段は使わない立川口から入園した。



 やや終わりかけのユリの花の群生




 すぐ近くに咲いていたナツズイセン



 同じくユリ科の、こちらはタカサゴユリだろうか。最近道路わきで大量に繁殖しているシンテッポウユリは花弁の外側に赤い筋がない。



 水鳥池まできたのカルガモたちも猛暑で動きが鈍い。池の縁を彩るミソハギの群生もそろそろ終わりの時期のようだ。



 見上げるとイチョウの枝先には銀杏がびっしりとなっている。



 同じ木の実でもこちらの朴の木の実はとても大きく、荒々しい。



 池のそばで本日のお目当てサギソウを見ることができた。






 ラン科でミズトンボ属の多年草。湿地に生え花茎は20~50cm。



花言葉は「清純」、「無垢」この辺は容易に想像がつくのだが、「しんの強さ」、「夢でもあなたを想う」というのもある。




 鉢と背景となる色板を貸していたので、係りの人にお願いして借りた。









 サギソウ祭りの時期には渓流広場やトンボの池、蓮池などでもサギソウが植栽されている。たくさんの人で賑わうプール付近からバーベキューガーデン方面へ移動。何時もハーブガーデンとなっている所が今年はヒマワリが植えられていた。



 八重咲きのキキョウ



 渓流広場のレストランで昼を兼ねた軽食をとった。
トンボ池のサギソウ









 この後はこもれびの丘へ
 ウバユリ



 こんなに暑いのに季節はもう来たるべき秋の花を準備し始めている。

アキノタムラソウ



 オミナエシ




 キツネノカミソリ



 続いて隣接する日本庭園へ




 ギボウシ



 ニイニイゼミ




 カイツブリの幼鳥



ベニシジミのツーショット



 トンボも多い。ショウジョウトンボ




 アキアカネの雌雄






 
 そしてチョウトンボ




 いつも人でいっぱいのみんなの広場は、人が少ないのでよけい広く感じる。



 最後はハーブ園付近の蓮の植えてある所。ここでもサギソウが見られる。






 ミソハギ越しのサギソウ



 暑い中、日陰を選んでは水分補給して小休止といった感じで2時間ばかり歩いたのだが、それでも日射病寸前といった所だった。この猛暑、一体いつまで我慢すればいいのだろうか。

レンゲショウマ揺れる

2010-08-13 | ハイキング
 


 今にも降り出しそうな雲行きの中、バス、電車を乗り継いで御岳山に出かけてきた。御岳の駅に着いた時にはもう雨が降り出して来たのだが、にもかかわらずたくさんの人がロープウェイ行きのバスに乗り込んできたのには驚いた。もの好きは僕だけではないらしい。


 キンポウゲ科レンゲショウマ属の多年草









 花茎は50cmを超え、葉は名の由来となったサラシナショウマに似る。







 花は3~4cmほどでハスの花に似ているので、レンゲの名がついた。深山のランプとか森の妖精等の別名もある。










 分布は福島県から奈良県までの太平洋側で、北限に関しては岩手や宮城の記録もあるという。





 たくさんの人が悪天候にもめげず訪れていた。








 後ろ姿も品がある。 







 これはタマアジサイの花







 フラッシュをたいて見たら、花の表情がずいぶんと変わった



 一緒に咲いていたのは、フジバカマやソバナの花



 ひときわ目に着いたのはトチバニンジンの真っ赤な実



 見頃というはずだったが結構蕾が多く、まだまだこれからといった所



 雨に打たれてゆっくりと揺れている。









 花期がお盆と重なることや花の色形そして咲く姿から、亡くなった人の霊魂が花になって咲いているように感じられる。




 蓮華魔性







 この後、大楢峠を経て鷹巣駅へと下ったのだが、二時間の下山中出会ったのは僅か一組、静かな山行を楽しむことができた。