村上から岩船港までは、タクシーで2000円、乗り合いタクシーだと700円かかる。でも乗り合いバスだと290円、降りたバス停からは10分ほどの歩きで港に着く。決して豊かではない私は当然バスで行った。この時期、粟島行きの船便は一日3本。高速船は9時半に出て55分かかって粟島に着くが、フェリーだと10時半出発で1時間45分かかる。料金は高速船が3790円、フェリーは約半額の1880円と安い。これも当然私はフェリーで行った。
船の名は普通船フェリーあわしま号、なんとも外連味のないすっきりとした名前だ。
この日はあいにくの雨、風もあり飛島に渡った時ほどではないがそれでも結構揺れた。私のすぐ隣の客は船酔いで、船備え付けの衛生袋を使っていた。1時間半ぐらいで前方に平べったい粟島が見えて来た。
雨も上がり、少し青空も見えてきたところで粟島港へ到着。
港のあるのは内浦集落。そこのメインストリート。店は少なく、その代わり民宿がやけに多い。
迎えに来てくれた民宿のトラックが狭い路地をかすめるように通っていく
昼食のカレー(うまかった)を食べた後は、疲れもないので島の南半周を歩くことにした。内浦から背中平を抜けて釜谷集落まで歩き、帰りは海岸線にそって戻る12km位の道のり。距離は大したことはないが結構上り下りが多そうだ。
道端の野草を観察しながら村道を歩く。思ったよりも車の往来が多い。
滞在中一番よく見かけたウバユリの若葉、つやつやとしている。
ユキザサはもうすぐ咲きそうだった。
これは嬉しい、ルイヨウボタンの緑色の花を見つけた。
ナガバノスミレサイシン
キクザキイチゲはもう終わりか
ヤマネコノメ
途中、小柴山(島内最高点265m)の頂にある粟島灯台を見学。
山道に咲くキケマンの群生
タラノメも多かった。「採らないでください」の看板も多かった。山菜取りの島の人たちは随分見かけたのだが、これは観光客向けの看板か。
キブシ
島にいるカラス、ハシボソガラスが多いようだ。
小鳥も多く見かけた。ベニマシコ
こちらは夏鳥のオオルリ
アオジも多かった。これで赤、青、黄の信号トリオが出そろった。(本当は黄色の鳥はマヒワ、またはキビタキの方がふさわしいのだが、まあ良しとしよう。)
時折雨もぱらついたりしたのだが、嬉しいことに次第に晴れ上がってきた。
枝先に隠れているのはアトリ。自宅近くでは稀なこの鳥も、島では普通に到る所で見ることができた。
島内のい随所で見られた歌碑
沖合を船がゆっくりと通り過ぎていくのを眺めているのは、実に気分が伸びやかになる。
釜谷集落を抜けてからはゆっくりとした長い下りが、海岸線にそって続く。
岩の上にはウミウ
これは孤高のウミネコ
こちらはセグロカモメのようだ。見分けのポイントは嘴の先と足の色。
これもウミネコ
下り終えて内浦集落に戻ってきた。この辺は内浦キャンプ場になっている。
ハマダイコン
崖一面を覆い尽くすように咲いていたナルコユリも見事だった。
ナノハナ
明治時代には粟島に野生馬が6,70頭生息していたという。その馬は義経の馬の末裔という伝説もあり、4年前粟島牧場が作られたという。
内浦の集落の半分を畑が占めている。
この畑周辺がバードウォッチングの絶好の場所となっている。ハクセキレイ
校庭のグランドにいたツグミ
まぁこの辺のバードウォッチングは明朝の楽しみにとっておこう。
島ではこの時期いろんな種類の桜(どういうわけかソメイヨシノは少なかった)が見ごろを迎えていた。
港の近くの名勝地弁天岩
やす突観音
板碑
寄り道をしたので歩数は3万歩を超えた。足がすっかり疲れたところで宿に戻り、着替えてから夕食までの間島の温泉「乙姫の湯」につかった。
この辺で。