野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

小下沢再訪

2010-03-29 | ハイキング
 


 今年に入って3度目、前回は3月14日だったからほぼ2週間ぶりの小下沢(おげさわ)となった。
 水量を増した沢辺にヤブツバキが一輪



 市街地でもよく見かけるジロボウエンゴサク。この和名は太郎坊のスミレに対してつけられたもの。



 こちらはヤマエンゴサク




 ヤマルリソウも春の暖かな日差しを浴びて、至る所に咲きはじめていた。



 スミレ類も豊富になってきたが判別同定は相変わらず難しくて、私には手に負えない










 90%位の自信を持って言えるのは葉の切れ込みの深いエイザンスミレだけ。これすら似たような葉をもつヒゴスミレがあるので100%とは言えない。










 ニリンソウもどんどん咲いてきている









 ユリワサビ







 たくさんの花が咲きだしてはいるものの、それでもこの時期沢辺の主役はまだまだハナネコネメで譲れない。



 だいぶ開花が進んで、蕊の赤や黄色が落ちてしまっている花も多い










 瀬の白い飛沫の背景にして咲くハナネコノメ









 ネコノメソウ




 ヨゴレネコノメとは可愛そうな名だ。咲ききると黄色みを帯びた花と先端の赤い花弁がなかなか綺麗なのだが……。



この日は気温が低く、日差しも少なかったのでアズマイチゲは花を開かなかった。



 沢の脇の水溜りにはヒキガエルが顔を覗かせている。




 沢から這い上がって戻った山道には、青青としたおいしそう(でも有毒)な葉を茂らせたハシリドコロが葉蔭に花をつけていた。



 頭上にはフサザクラ






 北高尾の小沢も春本番を迎えつつあるようだ。

城山カタクリの里②

2010-03-26 | 植物園
 <前回からの続き>
 
 城山カタクリの里では、カタクリ以外の花も随分咲いていた。


 ミツマタは赤花と黄花の2種類









 目に付いたのはショウジョウバカマ







 ゲンカイツツジ、黄色のヒカゲツツジ等等ツツジ類もたくさん咲きだしていた。











 珍しい椿、ボクハンツバキ。



 多弁のシデコブシは咲きかけたばかり







 これはヒメコブシとあった



 シモクレンはもうすぐ咲きそう




 アセビ



 園内の至る所で見られたキブシ。園外の野山でもふつうにみられたが、花穂の長さがまるで違っていた。これは園芸種のキブシなのだろうか。








 これは梅の花、紅白に咲き分けていたので「思いのまま」という品種だろうか



 ヤマブキ







 カタクリの隙間にひっそりと咲いていたヒトリシズカ




 原種フクジュソウとあった。普通に見かける八重咲き品種と違って一重咲きとのことだが……。




 キクザキイチゲは終わり加減



 コシノコバイモ



 奥多摩の山野にも自生するイワウチワ






 キバナセツブンソウ



 スノーフレーク、別名スズランズイセンは最近庭先でよく見かける。




  カタクリの里をでてからは山道をハイキング。未だ木々の芽吹きはこれからといった処だが、よく見るとわずかながら花を探すことができる。



 ヤマルリソウ



 スミレ



 ミミガタテンナンショウ






 春ののどかな日差しを受けて、キブシやアブラチャン、クロモジ等の木々の花も咲きだしていた。野鳥のさえずりを聞きながら、ゆっくりと40分ほどかけて城山湖の駐車場に着いた。まだ昼前だった。

城山カタクリの里①

2010-03-24 | 植物園
 今年も城山カタクリの里へ出かけてきた。数えると3年連続の5回目である。我ながら飽きずによく通ったものだ。ここのいい所は第一に家から比較的近いこと、第二にカタクリだけでなく山野草が豊富に見られること、第三にこの時期山では花があまり咲いていないこと、第4には花が密生して植えられているのでいろいろな色の背景ボケが楽しめること、そして最後に城山湖からのハイキングのついでに立ち寄れること。これだけ良い条件が整っては出かけない訳にはいかない。


 城山湖傍の無料駐車場に車を止めたのが八時半ごろ。ここからゆっくり道端のキブシやスミレ等を愛で、鴬の声などを聞きながら30分かけて着いた。開園時間の9時になったばかりなのに駐車場はもう3分の1ぐらい埋まりかけている。2時間ばかり花を撮りまくっていたのだが、帰りはもう駐車場がいっぱいになって100m以上の待ちの車が行列を作っていた。

 カタクリ以外にもたくさんの花を撮ったのだが、それは次回にして今回は題名つきのカタクリの写真のみにしよう。


 1 初演




 2 軽やかなステップ



 3 戸惑いの表情



 4 淡色の夢



 5 影の童話



 6 棄てられぬ矜持



 カタクリはユリ科の多年草。九州から北海道まで日本全国に自生する。奥多摩でも自生地は多く、3月の終わりから4月にかけて木々が芽吹き始めた頃に姿を現す。


 7 稚気



 8 はしゃぎ友達



 9 思いつめる



 10 こんな筈では



 11 寄り添って



 12 私思うんです



 13 ひそひそ話



 14 初デート



 15 うち明ける



 カタクリはスプリング・エフェメラルとしても有名。近年都市部でも保護育成が広まり、たやすく見られるようになったが、花を咲かすまでは6,7年の時を要するという。



 16 孤独



  17 着飾る



 18 凛として



 19 ほほ笑みかける



 20 小悪魔




 万葉集に「もののふの 八十娘子(やそおとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」という大伴家持の歌がある。


21 無垢な心



 22 陰口



 23 割り切れぬ思い



 24 悪戯心



 別名に堅香子(かたかご)、片子(かたこ)、ブンダイユリ。旧暦の正月ごろに咲くので、初百合という名もある。漢名では猪牙花、これは和名の猪の舌に通じるようにおもわれる。またアイヌの人はエシケリムリムと呼ぶそう



 25 約束された赦し



 26 新しい生活



 27 兄妹




 28 突然の戸惑い




 29 迷わぬ思い




 30 スミレ色の恋




 31 擡げた疑心



 32 試される一瞬



 33 傾かぬ心



 34 花虫たち



 35 ふり注ぐ陽ざし



 36 そして己の中に眠る



 <この辺で>

野川観察園3月の花

2010-03-21 | 植物園
 僅か10日ぶりなのに、観察園は春の装いに一変していた。ウグイスカグラとセツブンソウしか見られなかったのが、スミレ、カタクリ、キくザキイチゲ、ニリンソウそれこそ枚挙にいとまがないほど咲きはじめていた。


 野川沿いの柳も芽吹き始めた。






 土手の上はヒメオドリコソウで覆われている。


 
 土筆も一本見つけた







 小鳥たちも嬉しそうに枝先を飛び回っている。






 観察園の中ではボランティアの人たちが忙しそうに作業をしている。



 シュンラン






 カタクリはやっと2輪が開花



 キクザキイチゲ



 ユキワリソウ




 この小さな白い花はヒメウズ、本当に小さいので撮るのが難しい









ニリンソウも咲いている







 ハコベ



 ムラサキケマンは咲きだすと憎たらしいほど増えるのだが、咲きかけは何となくおとなしげで可愛い。



 毛におおわれたロゼット様の葉をもつキランソウ



 スミレもまた幾種類か見られる。









 この小さなタンポポのような花はセンボンヤリという




 ヒメオドリコソウとオオイヌノフグリの背比べ



 ヘビイチゴやレンゲの花も草藪から顔を覗かせている。





 おっとトウダイグサを見逃す所だった



 ムラサキサギゴケと白花サギゴケ






 薄暗い林床の一面を白く覆っているのはセントウソウ



 この枝先にびっしりと花をつけた木はヒサカキか






 観察園を出て管理事務所の付近の土手を丹念に探してみる。何時もこの辺にフデリンドウが顔を見せるはずなのだが……。あった、やっとみつけた。ドングリの間からひょっこり芽を出している。






 ヒュウガミズキのこの花色は何というのだろうか






 葦原の中で猫がのんびり日向ぼっこしていた。余りにも気持ちよさそうなので注視していたら、あっちへ行ってという顔をされてしまった。




 ソメイヨシノの蕾も先端が膨らみ、綻びかけ赤い色が見えだしている。間もなく開花のようだ。いよいよ春本番だ。
 

高麗川巾着田

2010-03-19 | ハイキング
 名栗湖の帰り、野鳥を見たくて彼岸花で知られる巾着田に寄った。




 春の柔らかな日差しを浴び、川面は煌めいている。以前はこの川にヤマベやウグイを釣りによく来たものだ。


 チュウダイサギが餌の小魚を探している。




 藪の木の上で囀っているのはイカルのようだ。






 カワセミがカメラを向けた途端逃げ去って行った。






 ポニー牧場




 ホトケノザの大群落









 秋のヒガンバナの時期は殺人的な混みようだが、この時期観光客は全く見ない。のびやかな瀬音と時折の野鳥の囀りだけの世界。気持ちのいいのどかな風景の中で遅めの弁当を広げた。自然を前にして食べる弁当は何時だってうまいのだが、川の流れを前にして食べると更に美味しく感じるのはどういうわけだろう。

 未だ自然が残されている巾着田だが、それでも観光公園として整備された結果、本来の豊かな自然は失われてしまったように思える。以前見られたレンゲの大群落はもう見られず、かっては川の上を飛び回っていたヤマセミの番も消えて久しい。





 大発生したナズナの群落にたたずむカワラヒワ、一羽きりでいるのは珍しい。



 これはカシラダカのようだ。



 細い用水の中ではカルガモが番いで寄り添っている。



 これは随分色白の顔をしたツグミ



 民家の庭に植えられたシュンランも咲きだしたようだ。



 ウグイスカグラ




 暫く散策しているうちに春の陽がゆっくりと傾き出したようだ。闇は川岸に宿り、次第に流れを暗色に染めていく。黄昏の風が吹きだし川面に細波を作っていく。薄闇の訪れとともに幼かった日々の川遊びの記憶が甦ってくる。



 河原の枯れ草の中からいち早く咲きだしたハナニラ。これも群生する花なのに一株限で健気に咲いている。






 時はひとつの方向に流れ去り、決して後戻りすることはない。そして人生もまた一度きりで繰り返すことは叶わない。が、思いわただけは楽しかった少年時の世界へと馳せることができる。そしてどんな時でも好きなだけ何度でも訪れ、自分だけのささやかなエルドラドを作り上げる事ができる。

 何のために生きるのかと今まで何度も自問自答してきたが、そしてその答えは年齢とともにその都度変わってきたのだが、現在のところの答えは「自分の回りに美しい豊饒な世界を築き上げるため」というのが私の答えになるようだ。