野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

藤野芸術の道を歩く

2010-12-30 | ハイキング
 

 前から気になっていたのが、中央線や中央高速道から見える山の中にあるこのオブジェだった。ネットで調べてみると、旧藤野町が20年ほど前に観光用として作ったもののようだ。3時間ばかりのハイキングコースもあるようで、鈍った体を鍛えるためにもとその「芸術の道」を歩いて見ることにした。

 藤野駅を出てすぐ右手にあるのが観光案内所の「ふじのね」。ここが芸術の道のスタート地点となっている。合計30の作品がコースに沿って配置されている。駅付近にも4か所あるので初めはネットからDLしたマップで探したのだが、全く駄目だった。ここで案内地図を手に入れるのがベスト。

 №1「フジノゲート」



 駅の裏手を走る高速道路の遮音壁に描かれた№2「藤波」







 相模湖に注ぐ桂川に下っていく



 左上から№3「空(くう)」、№4「バッファロー」下は日連(ひづれ)大橋の両サイドにある№5「記憶容量ー水より、台地より」という作品



 暫く車道歩きだ。秋川橋を渡って左折し、山道に入っていった先に№6の「両側の丘の斜面」を見つけた。



 №7「COSMOS」ちょっと垂れ乳気味なのが惜しい、失礼!



 №8「限定と無限定」



 №9「射影子午線」。この作品は昭和63年作とあった。



 小さな橋を渡って山の奥へと登っていく。暫く歩くと葛原という集落に入った。
 №10は「山の目」、冒頭の手紙のオブジェの作者、高橋政行氏の作品とのこと。



 №11「森の守護神」



 №12「回帰する球体」






 №13「吠える」



 №14「語り合う石たち」




 葛原神社バス停の脇にあった№15「羅典薔薇」



 №16「景の切片」



 №17「FLORA -FAUNA」植物相と動物相という意味のようだが……。

 すぐそばで集落の人が野菜売りをしながら、井戸端会議を楽しんでいた。


 №18「庵(いおり)」



 学校が見えてきた。シュタイナー学園の校舎のようだが、シュタイナー教育については耳にしたことはあるもののあまりよくは知らない。平日の午後2時頃だったのだが、外から見る限りは閑散としていて、生徒らしき人を一人見かけたきりだった。



 この学校の壁も№19「未来への躍動」の作品となっている。H3年の作とあるのでだいぶ薄れてしまっている。



 学校の裏側にも作品№20「森の記念碑」があった。




 山道を登りきった所が名倉峠、そこから緩やかなカーブを下っていくと№21の作品「芽軸」があった。発芽の瞬間の植物のエネルギーを表現しているらしい。



 坂道の途中にある№22は「雨」、これは分かりやすい確かに雨のように見える。



 山を下りて川傍までやってきた。研修センターふじのの前にあるのが №23の「瀞」



 栗林の斜面の上に立つ№24の「あなたと…明日の空の色について」



 №25は「空を持つ柱」




 №26は「カリブー」。ジム・ドランという人の作品は№4、№30と三つある。



 名倉グランドまで登って行った先に№27「トライアングル・ウインド・ソング」があった。



 №28「過去からのひびき(エコー)」は探すのに苦労した。山の中に分け入って見つけたのだが、どうやら都市と円盤という二つのオブジェがあったようだ。これはその一つの円盤の方。もう一つはグランドの法面にあったようだが見つけられなかった。



 №29は「緑のラブレター」。駅付近から眺めると



 近くに行ってみると

 製作から20年ほどの月日がたち、大分くたびれてきているようだ。もうすぐ自然に溶け込んでいってしまうのだろう。


 ラストの№30は弁天橋の袂に設置された「カナダ雁」、二羽の雁がいるのだが、どうもすぐそばの民家が映ってしまいアングルが難しい。



 出発地点に帰りついたのは午後3時半ごろ、昼食時間も含めて約4時間の程よいハイキングだった。もともとアート魂が乏しいのでいまいち芸術は分からないものの、オリエンテーリングにも似た、宝物さがしのような感覚の散策で結構楽しめた。

東京夜景番外編~相模湖プレジャーフォレスト

2010-12-27 | イルミネーション
 25日のクリスマスも過ぎて、これで今年の電飾巡りもお終い(のつもり)。今回はハイキングの帰りに寄った、相模湖のプレジャーフォレストだ。以前は相模湖ピクニックランドと呼んでいた所だが、知らないうちに名前が変わっていた。。関東最大級の二百万個のLEDが売りということだがさてどうだろう。


 JR相模湖駅からのバスは10分も乗らないうちに着く。



 駐車場に立つツリー、近くにはイルミネーション観光の大型バスも既に4,5台並んでいる。



 エントランス、イルミリオンとある。




 入口を抜けると再びツリー、これは記念写真撮影のためのものらしい。



 青白のLEDで埋め尽くされたゲレンデ「光の海」










 白鳥やフラミンゴもいる。










 ゲレンデを登りきった先がトウインクルガーデン。










 中央には高さ9mのクリスタルツリー、正面には宮殿をもじったイルミネーション、上には光の虹が架けられ、音楽に合わせて様々な色に変化していく。









 あまりに変化パターンが多いので組写真にしてみた。














 光の滝



 全長150mの光のトンネル






 
 光の花畑は暖色系のLEDが主体。












 一時間余りいた時点で雨が激しく降ってきた。この雨ではリフトに乗って上の方までは行けそうにもない。



 山の向こうにはライトアップされた巨大観覧車が浮き上がって見える。










 光の迷路に入ってみた。












 この日は途中から雨が降り出してきて、それもだんだん本降りになってきたので途中で帰って来てしまった。
 評価としては全体的に動きが乏しくデザイン的に洗練されておらず大味。またストーリー性やテーマ性に欠けること、更にはアクセスが悪いというのが挙げられる欠点か。ただトゥインクルガーデンと光の迷路、夜空に浮かび上がる観覧車などこれからを期待させるところもたくさんあったので、マイ撃沈度はとしたい。

東京夜景7~銀座から東京ミッドタウンまで

2010-12-25 | イルミネーション
 


 有楽町駅で降りたのは4時半、日比谷公園まで歩いていき、闇の深くなるのを大噴水前で暫く待った。



 この季節この時間帯でも、人いきれのせいか夜気は感じられない。5時少し前やっと闇が色と存在感をもった。葉を落としたイチョウの木陰から百年余の時を経た日比谷松本楼が姿を見せる。






 帝国ホテルの脇を通って銀座方面に向かった




 銀座おめざマルシェ



 ソニービル前では雪遊びする子供たち。これは人工雪ではない、旭川市から送られてきた本物の雪と氷だそうだ。



 ソニービルに描かれたアートウォール







 人ごみを縫うようにしてやって来た銀座4丁目の和光本店。この交差点に立つと、ああ銀座に来たんだなという実感がわいてくる。



 松坂屋



 恒例になった銀座ミキモトのクリスマスツリー



 銀座はショーウインドーの飾り付けのセンスが飛びぬけて良いので、眺めていても飽きない。












 それにしても今日は巷で言う、イブイブの日とか。人の流れの中、立ち止まるのが難しいほどの人出だ。



 有楽町のガード下をくぐりぬけ丸の内方面へ向かう。東京国際フォーラム前には何やら市のようなものが立っていた。






 馬場先濠からは和田倉濠にかけて「光流」と名付けられたアートが見えてきた。






 和田倉噴水公園では著名人や千代田区の小学生たちが描いた明り絵を展示する「アンビエント・キャンドルパーク」が催されている。今回はこれが目当て。












 人ごみから逃れ地下鉄の通路に入るとほっとする。千代田線に乗って赤坂へ向かった。
 TBSビル前の巨大ツリー




 これも恒例、野外スケートリンク










 そのまま赤坂通りを歩いて乃木坂方面へ。赤坂小前を左折して階段を登るとミッドタウン。ここも相変わらずすごい人出。きっと今夜は東京中の人が電飾夜景を見ようと都心へ繰り出しているに違いない。



 暫く待ってやっとスターライトガーデンの前列に辿り着いた。






 ここの特徴はLEDが立体的に配置されていて、動きがダイナミックな所






 ガレリアの中をうろつく




 バンブーイルミネーション。川柳の文句が泣かせる。



 ミラーで何層にも見えるようにした光のキューブ



 今回はさすがに東京でも電飾歴の長い地域だけに、随分と目を楽しませてもらった。それにしても、銀座、丸の内、赤坂、ミッドタウンと何処へ行っても身動きもままならないほどの猛烈な人出だった。思った以上に心身ともに消耗したので、マイ撃沈度はと控えめにすることにした。

小春日に咲く薔薇

2010-12-22 | 植物園
 


 今回は電飾はお休み。冬でも咲いている花はないだろうかと、深大寺植物公園を訪ねてみた。季節はすっかり冬だというのに、バラ園には沢山のバラが咲いているのに驚いた。
 バラには冬薔薇(ふゆそうび)や寒薔薇(かんそうび)という趣のある言葉もあるのだが、これは俳句では年を越した一月の季語だというので当てはまらない。

 秋バラでも冬薔薇でもないこういうバラは一体何と呼んだらいいのだろう。足を踏み入れたバラ苑には仄かな香りが漂っていた。







 手をかざし暖をとるように一輪ずつ香りを確かめていく。香りは穏やかなものの春に咲くバラと全く変わりはない。







 一部に枯れ始め或いは霜に傷んだものもあるのだが、殆どのバラたちはまだまだ十分見られる色と香りで咲き誇っていた。






 葉やがくを紅葉させて尚、凛として冬の寒気の中で咲いている。




 ネットで見かけた冬薔薇の句にこんなのがあった。(以下出典は省略)
「冬薔薇を 黄のみ十本 買い戻る」
 








「冬薔薇や 狂い死ぬほど 恋しくて」






 更に「右胸の 汚れし白衣 冬薔薇」。これはふゆそうびと読ませるのだろう。








「冬薔薇 自動ピアノの 鳴り止まず」













「寂しさは、鼻の冷たさ 冬薔薇」 花の冷たさとしないのが上手い。 










「冬薔薇に 寄り添っている 猫の影」









「思はずも ヒヨコ生れぬ 冬薔薇」













 穏やかな本当に小春日和という言葉に相応しい一日でした。

東京夜景6~東京ドーム周辺

2010-12-18 | イルミネーション
 水道橋の駅に降り立ったのは、午後7時を過ぎた辺り。風はないものの、夜気が寒さを増してきている。平日なのに相変わらずの人だかりだ。ドームで何かのコンサートが開かれているのか、それとも終わったばかりなのか、行きかう若者たちの姿も何時に増して多い。






 もう既にチリチリになったカエデがライトアップされているドーム横をすり抜け、ラクーアに向かった。。階段を登り、小さな橋を渡るとラクーアだ。ミルキーウェイ(銀河)と名付けられた光の通路が、短い時間に忙しなく変色を繰り返している。









 ラクーア広場にやってきた。以前より電飾が増えているようだ。



 ステラ、LED16万球直径6m



 テトラ、LED5万球高さ3m。いずれも僅かの間に次々と色を変えていく。




 中でも一際目立つのが光のマンダラギャラクシードームだ。直径12m、高さ10mでLED15万球、音楽に合わせて光輝くオブジェだ。ラクーアの電飾は四国の阿南市との提携で実現し、2007年から始められるようになって今年で4回目となる。






 一晩で5回「ギャラクシーファンタジア」という電飾と音楽のショーが行われている。だれでも無料で、電気仕掛けの動く、光の曼荼羅を見ることができる。



 デジタルクロス加工で撮ってみた。






 メリーゴーランドはさすがにこの時間では子供たちの姿はなく、人を乗せないままゆっくりと旋回を続けている。



 その脇で突然、噴水と光のショーが始まった。









 色の変化もさることながら、噴水の基部が動く仕組みになっているようで、着色された水が、なまめかしく揺れ動いて、まるで命を吹き込まれ、ダンスを踊っているように見える。 






 今回初めて見た「グリーンスフィア」。LED水耕栽培のオブジェだが、実際にレタスやハーブを栽培していて、訪れた人にプレゼントもしている。大きさは直径12m、高さ6mで中に入って見ることも出来た。





 緑色の優しい光を見ているとやはり心が安らぐ。



 ラクーアゲートを引き返してアトラクションの多いゾーンに向かった。

 右下の青いオブジェクリスタルビラーは太陽光のみで点灯しているエコ電飾だそうだ。








 このド派手な光の帆船は「エルビス号」。「Over the rainbow」にのせて、虹色に光輝くショーが17時半から一時間ごと3分間、6回行われているそうだ。私が行った時は終わったばかりで、更に一時間待つのは断念した。






 この慎ましさなど一欠けらもない、派手派手な演出もこうまで徹底すると逆に清々しく崇高ささえ覚える。俗を突き抜けてしまえば、アートに昇華するっていうことなのだろうか。






 デジタルクロス加工を加えてみた。




 全てを見ることはできなかったが、これだけ盛りだくさんの電飾を見せられては撃沈度は当然最高ランクの5を進呈せざるを得ないだろう。