野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

花猫の目賛

2011-03-31 | 野の花
 

 ここ数年は早春、高尾や奥武蔵にハナネコノメを撮りに行くのが習わしとなっている。一本の花茎に2~4個の純白の花びら(がく片)をつけ、花弁の先からは赤い蕊がひょっこりと顔を出していて可愛らしい。おしべの葯は開花が進むにつれて黄色となり、やがては花粉を落とし白色になっていく。



 沢の雪解け水はまだ冷たい



 深い谷間に日が差し込む昼前時がハナネコノメを撮る絶好の時間帯










 光が乱舞し、幻想的なシーンを演出する














 光の遊びか、こんな色に背景が変わる時もある。











 湾曲した葉先が白い虹を作る










 春先の柔らかい日差しが花だけでなく、傍らを流れる小沢の水面に煌めいている。まるでスポットライトを浴びて踊る小さな妖精のように……。








 大岩の群生




 そして群れから離れ、新天地を求める







  
 近づいて見ると可憐な姿に似合わず、細い花茎にはびっしりと毛が密生している。早春の厳しい環境を生き抜く逞しさも持っていることが知れる。















 この辺で  

城山カタクリの里

2011-03-27 | 探鳥
 <3月23日の記事です>
 計画停電の実施されている中、城山カタクリの里を訪ねた。本数を減らして運航している横浜線の相原駅から半時間強歩いた。曇りがちで時折小雨も混じるような日だったので、入園者は少なく数えるほどだった。

 入園料は花が咲きそろっていないということで200円(普段はは500円)にされていた。


 いつもはこの時季たくさんの人で溢れかえる入り口付近



 咲きだしたばかりのクロモジとベニコブシ







 ヒュウガミズキ



 一番見ごろを迎えていたのはミツマタ。咲きだしたばかりの花の形が面白かったので、何枚も何枚も撮ってしまった。












 紅花












 アセビも丁度旬だった。






 穂を長く伸ばし始めたキブシ。この木の花は城山湖周辺でもよく見かける。






 ダンコウバイ



 カンヒザクラはもう散り始め



 これはコヒガンザクラ



 ツツジの中では早く咲き始めるゲンカイツツジ



 一度見たら忘れられないボクハンツバキ



 シキミの花



 草本の花は寒さと雨で全体的にパッとしなかった。
ショウジョウバカマはまだ一分咲き



 園の名にもなっている肝心のカタクリは、全体の数%が咲いたばかりで、しかも雨で花弁は閉じているものばかり。









 白花種



 キバナセツブンソウをかき抱くようなカタクリ




 ユキワリソウもキクザキイチゲも花弁を閉じたまま







 カイコバイモが降りしきる小雨の中、雨傘のような葉を広げているのが印象的だった。




 花が出そろうのは4月に入ってからか、その頃再び訪れることが出来たら良いのだが……。

裏高尾小下沢の春

2011-03-24 | 野の花
  小下沢(こげさわ)に咲くハナネコノメ


 ハナネコノメとアズマイチゲに出会えるのを期待して、高尾駅に降り立ったのは3連休2日目の日曜日。高尾までの中央線とそこから先の小仏までのバスが、震災以来通常通り運行されているのか不安だったのだが、意外とすんなり行って来ることができた。


 裏高尾で一番早く花を咲かすハナネコノメは日影沢に至る途中にある。岩にへばりつくように咲いているのがハナネコノメ、ユキノシタ科の多年草だ。




 ここのはまだ蕾がほころび始めたばかりで、花全体が長方形をしている。




 そ少し先の岩に群生しているハナネコノメは随分咲き進んでいた。




 白い花と紅紫色の葯がハナネコノメの特徴。花粉が落ちると黄色く、そして白色へと変わっていく。









 同じ時期に花を咲かせているのだが、あまり人に注目されないコチャルメルソウ



 小仏との分岐から森の図書館寄りに入った所はアズマイチゲの多い場所なのだが、今年から対岸の立ち入りが規制されていた。



 それでも近くを探せばポツリポツリと咲きだしてはいる。



 咲きだしばかりで薄桃色を帯びている花弁が初々しい。



 日が差す所では見事に花弁を開いてくれる。






 傍らにひっそりと咲くヨゴレネコノメ、よく見ると美しいのでこの名前は可愛そう。



 場所を変えて小下沢の方へ向かった。暖かい日差しを浴びてツクシ、フキノトウ、オオイヌノフグリが咲いていた。









 ちょうど見ごろの小下沢梅林。すぐ傍らを中央高速が走っている。震災のあおりで人出は疎ら、梅林の係り員が手持無沙汰そう。



 その先を景信山の登山口分岐のある広場まで歩いた。



 やっと見つけたスミレとヤマルリソウ






 フユイチゴの真っ赤な実(後でネットで調べてみたら、結構おいしいとのこと。)



 食べると幻覚症状をおこし、そこら中を走り回るところから名づけられたハシリドコロ。見た目はおいしそうで食べられそうに見える。



 見上げるとフサザクラが花芽を綻ばせている。フサザクラは花弁のない珍しい木の花、サクラの名は付けられているものの桜の仲間ではない。



 そのすぐ隣で咲いているのはアブラチャン



 花だけではない、生き物も春の温かみを感じて活動を始めている。私の小さい図鑑では名の分からなかったチョウ



 オタマジャクシも道端の水たまりで見られた。



 岩から出てきたトカゲ



 見事な囀りを聞かせてくれたミソサザイ



 広場の所までやってきた。ここは日当たりが充分なせいか、再び咲きだしたハナネコノメに出会えた。











 アズマイチゲ






 日があたって暫くすると十数枚の白い花弁をいっぱいに開き切る。







 傍らにはピンク色のニリンソウ、咲きだしたばかりは可憐なのだが……。



 ハナアブも開花を嗅ぎつけて早速やってきた。



 お終いは花数としては一番多く、至る所で見ることができたユリワサビ。アブラナ科特有の4弁の花びらをもつ。よく見ると充分可愛らしい花なのだが、沢山ありすぎると文字通り有難味が感じられないのが可哀そうだ。




 早春の裏高尾通いは当分止められそうにもない。


 >この辺で。

赤塚植物園

2011-03-21 | 探鳥
 今年初めての赤塚植物園。自転車で一時間半もかけて来たのは随分と久しぶりだ。

 今回は気の向くまま、雰囲気溢れるようにいわゆるフォトジェニック風に撮ってみた。

 ネコヤナギ



 コウヤボウキ



 やっと白い花穂を出し始めたユキヤナギ



 緑色の小さな花を付けたツゲの木



 ミスミソウ



 早咲きの桜シナミザクラ



 カタクリも数輪花を咲かせていた。




 ヒヤシンスは風信子という和名をもつ



 トサミズキ



 モモも花を咲かせていた。



 これはサンシュユに似るが、ダンコウバイ



 春先日本海側の山地を埋め尽くすキクザキイチゲ



 初めて見たサルココッカ(学名)の花



 ヒュウガミズキ



 沈丁花の仲間ナニワズ。オニシバリと似ているが葉先の丸さで見分けるのだとか



 暖かい日差しの中ゲンカイツツジも咲きだしていた。



 神事に用いられるサカキに対して、仏事に使われるシキミの花。樒は難読漢字の一つ。こんなにきれいな花を咲かすのに、花や葉、実、挙句は根から茎にいたる全てが有毒とはなんということか



 クサイチゴ


 オウバイは黄梅とかく。が、梅とは科が異なり、モクセイ科に属する。一つ一つの花は綺麗なのだが、花が終わりかかると白色化するので、全体としてみると興ざめしてしまう。



 初めて見た時はアセビにこんな色のものもあるのかと随分驚いたものだが、今では個人の庭先を含め多くの場所で見かけるようになった。本来は沖縄諸島に自生していたもののようだが、20数年来野生のものは確認されてないという。



 この辺で。

薬用植物園

2011-03-20 | 探鳥
 たった一輪でけなげに咲いていた黄花セツブンソウ



 計画停電で臨時の休みが多くなり、暇を見つけては自転車で近くの植物園周りを始めている。 東京都の薬用植物園は自転車で30分ほどの距離にあるので、普段からよく出かけるところだ。


 寒桜が咲き始めていた。







 一輪だけ咲いたアーモンドの花



 ネコヤナギとあったが、園芸種なのか随分花穂が大きい



 早春にいち早く咲くセリバオウレンはもうそろそろ花の終わりを迎えている。



 変わって林床ではカタクリが花茎を伸ばし始めていた。ここではまだ咲いた株はなかったが開花までは後2,3日といったところか



 すぐ脇ではヒロハアマナ






 これは珍しい。キバナアマナ



 ジロボウエンゴサク



 
 シュンラン



 これは秋田蕗のフキノトウ




 にょっきりと枯れ葉を突き破って顔をのぞかせたミミガタテンナンショウの若芽



ザゼンソウ



 草花だけでなく、木々もすっかり春の装いに変わっている。すっかり大きくなり、赤みを帯びたウグイスカグラ



 遅咲きの梅とサンシュユが満開だった











 トサミズキ




オウバイ



 珍しいナギイカダの花



 アセビ




 ベニコブシは蕾が開いたばかりなのにもうヒヨドリに食べられてしまっている。






 蕾





 花だけではない、枝に付けた実も春を迎えている。初めて見たギンモクセイの実



 クチナシの黄色い実



 お終いは八重咲きのスノードロップ



 <この辺で>