野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

奥日光を歩く

2009-09-28 | ハイキング
 日光白根山からの帰りは赤沼の駐車場に車を止め、夕闇の迫る中二時間ばかり、戦場が原周辺を歩いた。木々の紅葉は始まったばかりのようだが、草紅葉はもう盛期を迎えようとしていた。









 木道のすぐ傍にあった倒木



 湯川は湿原の中をゆったりと流れる










 はぐれた小鹿が餌をねだるようにこちらを見ている。。







 5時にならないうちに辺りが暗くなってきたので、今日の宿へと急いだ。途中竜頭の滝を滝上から見た。まだまだ緑が濃い。紅葉は月を変えてからのようだ。



 老夫婦がやっている民宿に泊った翌朝、部屋の窓から湖面越しに男体山が覗けた。

 中禅寺湖の水面には雨が穏やかに降り注いでいる。風もなく、鳥も泣かず雨の音だけが静かに聞こえていた。


 朝食を済ませた頃には、嬉しいことに雨も上がってくれた。宿を出て再び赤沼に戻り、千手が浜行きのエコバスに乗った。バスを西(さい)の湖口で降り歩きだすと、針葉樹の林床がシロヨメナの花で敷き詰められ、雪の降ったようだった。どうやら鹿はこれだけは食べないので大繁殖しているらしい。



 15分ほどで着いた西の湖は、半ば干上がっていて見る程もなかった。



 すぐに引き返し、千手が浜まで歩いた。






 砂浜には数頭の鹿の足跡が残され、まだ固まっていないフンが落ちていた。



 再びエコバスに乗って小田代ヶ原まで。蔦紅葉がはっとするほど美しい




 湿原を一周する木道を歩くことにした。



 草紅葉によって湿原が見事に染め上げられている。









 中央に見えるのが通称”貴婦人”と呼ばれている白樺









 草紅葉の赤の正体の一つはこのホザキシモツケ










 随所にヤマブドウの熟した実を見かけた




 時折日差しが見え始めたからか、オヤマリンドウの花が珍しく開いていた。











 木道の脇ではマムシグサの真っ赤な実が熟していた。



 小田代ヶ原を抜け針葉樹林帯にいったんはいる。いくつかなだらかな起伏を登り下りしてから戦場が原に入っていく。










 バスに乗ってから4時間余り、やっと竜頭の滝への分岐まで戻ってきた。ここから赤沼の駐車場まではあともう少しだ。




 連休の最終日、覚悟していた渋滞は全くなく、帰りは自宅まで3時間ほどであっという間だった。

奥白根山の紅葉

2009-09-26 | 登山
 <前回からの続き>下山路は弥陀が池ににとった。連れの体力の関係もあり、五色沼を一周するコースは断念した。、頂上から覗いた弥陀が池付近の紅葉がすばらしかったのでそちらに下ることにした。










 少しだけ見えているのは五色沼






 弥陀が池











 白根山直下の紅葉、この斜面の紅葉が一番見頃を迎えていた。






 五色沼方面から二人の老ハイカーがゆっくりと登ってきた。























 気がつくと、足元の花たちも秋の衣装を着はじめていた。



白根山を登る

2009-09-24 | 登山
   <頂上の岩間からのぞく五色沼>


 連休後半は一泊二日で奥日光方面に出かけた。2000mを超えた地点での紅葉を期待しての登山だ。今回は連れもいるので、ロープウェイを利用しての楽な山行とした。

 行程概略>8時過ぎロープウェイに乗り込む→8時20分山頂駅→9時頃大日如来前通過→9時15分七色平分岐→10時2200mを超え森林限界となる→10時50分頂上→12時弥陀ヶ池→13時七色平→14時10分山頂駅に戻る


 休日ともあり、たくさんの人が山頂駅付近にいた。天気は上々とは言い難いが雨の降りそうな雲は見当たらない。

 

 ガスが晴れ、白根山の頂上が見えた。



今年の最後を飾るエゾリンドウやヨツバヒヨドリ、ヤマハハコといった高山植物たちが出迎えてくれた。










 ハンゴンソウ



 ゴゼンタチバナやマイヅルソウの赤い実も見える。






 100mほど行くと二荒山神社の鳥居が見えてきた。



 鹿の食害を防ぐためのゲートを開けて入る。針葉樹林帯の幅広い林道を暫く行く。



 林床には枯れ果てたカニコウモリがぎっしりと敷き詰められている。



 大日如来像は思ったより小さかった。



 七色平分岐の傍にある避難小屋



 急坂が続く。高度が上がるにつれ、色づいた広葉樹が増えてきた。



 やっと森林限界を超えたようだ。突然見晴らしが良くなった。







 頂上への最後の急登を前にして、多くの人が紅葉を眺めて休憩をしている。






 眼下に登ってきた山頂駅が見える。






















ガレ場を登りつめて行くと、小さな祠が見えてきた。頂上はもうすぐだ。



 いったん下りまた登り返す。






 付近にはコケモモやガンコウランなどの実が多い。






 小さな火口跡



 ガスが濃くなり始めた






 やっと頂上

御前山を登る

2009-09-20 | 登山
 奥多摩三山の一つ御前山を登ってきた。この山には春のカタクリの季節に登ったことがあるきりで、それももう六年以上前のことになる。


 月夜見第一駐車場から見た奥多摩湖



 少し車で行った第二駐車場に車を止め歩きだす。暫くは広い防火帯の山道を下っていく。






カシワバハグマ



 ずいぶん細長いギンリョウソウだ



 訓練中の自衛隊員に出会った。愛想が皆よく、結構賑やかでリラックスしている、平和な軍隊だ。






 オクモミジバハグマ






 標高が上がるにつれガスが出てきた。






 トリカブトの花がもう色づいてきている。






 オオバショウマ



 シカの食害を調査するための、フェンスに囲われた一角を数か所目にした。



 キバナアキギリとアキギリ、両方同時に見たのは初めてだ。






 惣岳山。後ろに見えるドラム缶は防火用らしい



 ガスはますます濃くなってきている。



 
 サラシナショウマとクサボタン、カメバヒキオコシと辺りはすっかり秋の花だ










 シシウドが見事な花を広げていた



 山栗



 いくつか登り降りをくり返して、二時間やっと頂上が近づいてきた。イタドリの花が群落を作っている。









オオバコやノブキなどの雑草が多いのは、登山者の靴底に着いてきた種によるものか。

 これはノブキの花


 一帯はお花畑となっている。アキノキリンソウ、ヤマホタルブクロもまだ花が残っていた。







 林の中に嬉しい花を見つけた。トリカブトの仲間レイジンソウだ。




 秋の実も多い。ユキザサの実



 トチバニンジンの実




 頭上に見えるのはガマズミの実



 マムシグサの実、はっとするほど皆赤い




 途中たくさん見つけたのがヤマブドウの実。こちらはまだ青く、残念ながら食べられるのはもう少し熟れてからのようだ。




 御前山の頂上から少し反対側に降りて、避難小屋の所まで行った。再び頂上まで引き返し、一向に晴れないガスの中来た道を一時間半かけて戻った。往復4時間たらずの山行だったが、思ったよりたくさんの花に出会えて嬉しかった。

彼岸花の咲く小石川植物園

2009-09-16 | 植物園
 半年ぶりに小石川植物園を訪ねた。他にも行く予定があったので、都営の一日切符を使って都営三田線白金台で降りたのだが、エスカレータを何んと5回も乗り継いでやっと地上に出る事が出来た。地下鉄というより移動式防空壕といったほうがましだ。

 いつものように入口向かいのパン屋さんで券を買って入園。



 入口左手の梅園に至る途中が彼岸花の群生地となっていた。









 休日のせいか来園者が多い






 幾種類かのチョウたちも蜜を求めて飛びまわっている。カラスアゲハのようだ。










 最近は白花ヒガンバナもあちこちで見られるようになってきた。以前、白花のヒガンバナが珍しかった頃、三鷹の禅林寺(太宰の墓のある寺)にあると知り、わざわざ出かけていったことがあった。









 ヒガンバナ科スイセン属の多年草。昔中国から渡来したものといわれる。今ではすっかり初秋の田園風景としてなじんでいる。






 キクイモの黄色の花をバックに
 


 派手な花と違い蕾は初々しい




 園内にはスズカケやフウ、モミといったさまざまな樹種の木が植えられている。行った時にはカリンの大きな実が少しずつ熟れだしていた。



 売店のある所までやってきた。実は今回来ようと思い立ったのは、ここ3年来会い続けている野良のペルシア猫が気がかりだったから。今年の2月に来た時にはあまりにも衰弱していて、草むらに横たわり立つ事さえ出来なかった。
 周囲を暫く探したのだが、姿は見つからず。意を決し売店の主人に尋ねると二月のうちに死んだのだという。ぺルちゃんと呼んで可愛がっていたとのこと

 今年の春ごろ



 2年前の少しは元気だったころ。



 生あるものは死を免れることは出来ないとは知りながら、どうしようもなく喪失感、寂寥感に襲われる。何とか気を取り直して他の場所をまわったのだが、依然足取りは重かった。


 枝から直接花を咲かせていたムクゲ



 紅白のソメワケハギ



 フジウツギで吸蜜しているヒョウモンチョウ




 産卵中のジャコウアゲハ

 かくして生はくり返されていく


 入口で咲いていたフクロモクゲンジ



 タラノキの花



花は年々咲き、実を結び,散ってはその末潔く枯れていく。でもその事に些か感傷的になりはすれ、普通誰も喪失感を覚えはしない。でも身近な動物の死に対する思いはそれと違って、肉親の死と同様な悲しみを呼び起こす。それは私たち人間と同じくただ一回限りの生を生きているからに違いない。取り返しがつかない、在りし日に戻ることはかなわない、そういった思いが寂寥感をより一層深いものにしていくのだろう。