野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

葛西臨海公園の夕景

2009-10-31 | 散歩
 久しぶりに海に沈む夕日を見たくなって、京葉線葛西臨海公園駅まで足を伸ばした。時刻は既に3時をまわっていて、陽もだいぶ傾きかけていた。



 前方に見えるのはクリスタルビューと呼ばれる展望施設






 最初に野鳥観察ゾーンをぶらつきながら、夕日までの時間待ちをした。

 頃合いを見計らいなぎさ橋を渡った。







 西なぎさには何時も群れをなしている水鳥の姿が見えなかった。湾を隔てた向こうには羽田沖が望め、飛行機が頻りに離発着を繰り返している。




 風もなく穏やかな波が、静かにゆっくりと色を変えていく



 金色に縁取られた雲



 時間を忘れて砂遊びに興じる子供






 反対の東岸にはディズニーランド。ホテルの建物に灯りがともりだした。



 若洲、有明のビッグサイト、城南島方面のビルや倉庫群が一様に茜色に染まっていく。











 羽田沖では何やら大きなビルが建設中だ。











 閉園を知らせるアナウンスが頻りに流されている。どうやらなぎさ橋から先は5時までで閉められるようだ。橋の左に見えるのはバーベキュー広場の大テント、一見富士のように見えるのが可笑しい。






 小さなドックには夕日がよく似合う






 その前を音も立てずに船が通り過ぎて行く、狭い入り江を滑るように過ぎ去っていく







 何度こうしてベンチに腰掛けて、沈みゆく夕日を眺めたことだろう。悲喜を問わずいろんなことのあった一日の終わりに、人々は感謝や成し遂げられなかったことへの諦念や、或いは歓喜安堵感それとも人生の不条理に対するささやかな呪詛などを抱きながら、眼前の落日に眺め入るのだろうか。










 すっかり陽は落ちた。熱と光を失った夜気に身を縮ませながら駅への道を急いだ。頭上では乗る人のいない観覧車が巨大なシルエットを投げかけていた。



09秋バラ深大寺植物園

2009-10-26 | 植物園
 雨上がりの日曜の午後、深大寺植物園に出かけた。秋バラの咲くこの時季、休日ともなればバラ園は人でごった返しているのだが、天気がおもわしくなかったせいか普段の半分にもならない人出だった。そのおかげで初めてゆっくりと秋バラの色や形、芳香を鑑賞することができた。










 不思議な色






 薔薇姉妹






 私のバラ色はこの色






 蕾なのにこんなに凛としている。









 身をくねらせても気品は崩れない













 大輪の薔薇







 えも言われぬ優しげな色









 蜂が写っていたとは気づかなかった。











 秋の季節を待って人は心変わりする



 バラの花弁が時をかけて色を変えるように









 年に二度バラが花を咲かすのはどうしてなのだろう。










 おまけの遊び






 バラ園を2時間かけて見た後はいつものように、原色で火照った眼を癒すために武蔵野の面影を残す林の中を暫く彷徨った。秋の風が冷たい一日だった。

笠取山山麓を歩く

2009-10-22 | ハイキング
 笠取山は多摩川源流部に属する。秋の深まる中、山麓一帯を歩いた。歩きだしは作場平口から、11時少し前すでに5,6台の車が止まっていた。







 カラマツの紅葉が美しい




 この季節、花が全くないのであっという間に笠取小屋を通り過ぎ、一時間と少しで山麓の高原まで来た。






 奥に見えているのは国師ヶ岳







 一点の紅葉





 笠取山が見えてきた。何度も登っているので、今回は頂上は目指さない。



 


 真南には富士山



 時折、ナナカマドの実の真紅にハッとさせられる。



 笠取山を巻いて水干(みずひ)へ、ここが多摩川の源流となっている。



 ここからも富士が望める。



 下まで降りて行ってペットボトルに水を汲んだ。今晩の水割り用だ。




 まだ時間があるので、お気に入りの場所雁峠まで足を伸ばした。



 殆ど使われず、荒れ放題の雁峠山荘







 大きなザックを背負った二人の若い登山者が甲武信ヶ岳方面に登って行った。ここで昼食をとり一時間ほどゆっくりする予定だったが、吹きすぎる風がとても強い。立っていられないほどだ。しかも春夏の時期の風と違って、冷気を含んでいるので寒い。北側の少し下った所で風避けをしながら昼にした。




 昼を終え、再び山麓の高原に戻った。秋風の吹きすぎる中、デッドツリーが寂しげだ。

















 笠取小屋からは東側のコースを下った。水場を過ぎ、10分ほど歩いたところでニホンジカに遭遇。



 さらに下った標高1600m付近がちょうど紅葉の盛りだった。









 自然林というのは何て樹種が豊富なのだろう。さまざまな木々が思い思いの形と色で秋彩を演出している。少し離れたところで、鹿が鳴き交わしている声が聞こえた。












 紅葉は一休坂の辺りまで続いた。



 作場平口に戻ったのは僅か4時間後だった。

妙高山から燕温泉へ

2009-10-18 | 登山
 <黒沢池ヒュッテ泊からの続き>
 4時前から荷支度をはじめる音で眼が覚めた。寝付けないので外に出てみると、空は満天の星。再び戻って5時半の朝食まで仮寝。


 <行程概略>6時少し前、朝食(ナンとスープ、コーヒー)をすませ小屋を出る→6:45燕新道との分岐、水場あり→8:10妙高山北峰、頂上には2パーティーいた。→20分ほど展望を楽しみ下山→9:30天狗堂→10:00北地獄谷麻平分岐、途中テレビクルー5,6人とすれ違う。北地獄谷ルートは滑落のため通行不能→10:30麻平→11:00燕温泉。12:05までのバスの間、黄金の湯で汗を流す。(河原の湯は滑落のため使用不能)





 6時少し前小屋を出る、外は明るくなっていた。



 20分ほどの登りで大倉乗越へ



 そこから下って燕新道との分岐、ここで休憩。ここから一時間ほどの急登がはじまる。



 日陰で道が凍っていて滑る。



 やっと稜線に出た






 シラタマの木の実。木の実はサロメチールの香りがする。



 北側にある頂上。



 天気は快晴、今日も北アルプスの峰々が見える。






 20人を超える団体が下山していって、静かになった南側の頂に移る。



 前日の火打山と違って時間が早かったせいか、今日は黒姫山の奥の方に富士山まで見えた。










 南峰にある妙高大神



すぐ傍までイワヒバリがやってきた。登山者に餌付けされた経験があるのだろうか、一向に逃げようとしない。



 焼山は今日はすっかり雪も解けてしまったようだ。



 逆光に光る野尻湖



 団体も下山してしばらくたったので、そろそろ私も下山を開始することにした。
地獄谷から噴煙が上がっている。





 途中団体が鎖場で立ち往生していたため、足止めを食う。天狗堂を通過して麻平の分岐の所まで来た。北地獄谷ルートは先般の台風のため崖が崩れおちて一部通行不能とあった。麻平ルートに切り替える。



 標高が下がるにつれ、周囲の木々が色づいてきた。









 この抜けるような葉の色は何の木の葉っぱなのか









 朱の色がだんだん少なくなり、黄葉が多くなってきた。






 下に降りて行くにしたがって、黄色がやがて緑色に変わっていく。高い山からの下山時にはよくあるのだが、季節を垂直に逆行しているという不思議な感覚に襲われる。



 向かいの山は今が紅葉の盛り



 



 橋の右手奥に河原の湯があるのだが、やはりがけ崩れのため通行止めになっていた。




 高台から見た燕温泉。旅館 ホテルは数軒、土産物屋も2軒だけのこじんまりとした温泉だ。



 黄金の湯(ただ)で汗を流しさっぱりできた。

 それにしても良い温泉だった。山の締めは何といっても温泉に限る。帰りは関山駅までバス、長野で新幹線に乗り換えて家に着いたのは午後4時前だった。


火打山を登る

2009-10-16 | 登山
 笹ヶ峰高原に一泊して翌朝、朝靄の中を火打山に向かった。

 <行動概略> 朝6:50グリーンハウス出発、暫く笹ヶ峰一周歩道を歩く→7:40登山道と合流→黒沢8:20、ここで水補給→十二曲がり9:00→富士見平9:50→10:30高谷(こうや)池ヒュッテ前通過→10:50天狗ノ庭→雷鳥平11:30→12:00頂上→13:35高谷池分岐→14:30黒沢池ヒュッテ到着





 小鳥の声がしきりにする中を歩いて行く。近くを車が通っていく音が聞こえる。



 登山道に合流してからは、ほぼ50m置きぐらいに登山者が見られる。それぞれのペースなので追いぬいたり、また健脚の人には追い抜かれるという具合。黒沢でひとまず休憩。ここから四つん這いで登るような急登が始まった。30分ほどしたときに左手の梢が切れ、北アルプスの稜線が見えた。思わず声が出た。

 しっかりと白馬の大雪渓も見える。





 紅葉の一帯を突き抜けたようだ。







 これから登る火打山とその左手は焼山



 ヒュッテ近くの展望台から



 高谷池ヒュッテ前は登山客でごった返していた。



 高谷池






 草紅葉が終わりかけの天狗の庭









 登山道には昨夜降った雪が消えずに残っている。天には三日月が沈もうとしていた。



 雷鳥平まで登ってきた。この辺りから白銀の世界となった。






 早朝登山の人が作った雪だるま、思わず心がなごむ。



 ずいぶん登ってきた、天狗の庭が見下ろせる。



 やっと頂上。






 西側にはすぐ近くに焼山が異様な姿を見せている。



 人がどんどん登ってくるので、10分ほど展望を味わった後下山。下山時、雷鳥平で文字通り雷鳥を発見。

 十人ぐらいの登山客が見ている中、雷鳥は悠々と食事をしていた。





 高谷池の分岐を茶臼山へと左折した。



 北側の鬼ヶ城といわれる一帯が見事に紅葉し、錦絵の世界となっている。その上をガスがするすると吹きぬけていく。暫く見いってしまった。



 妖怪のような異様な姿のデッドツリー



 東側の大倉山の斜面は、この間の台風ですっかり禿山にされたようだ。




 分岐から1時間も歩かぬうちに今夜の宿となる、黒沢池ヒュッテが見えてきた。









 黒沢池は一部が干上がっていて青々としていた。




 ガスが立ち込めてきた。







 本日2度目の雷鳥発見




 足に黄色いテープが見える。野鳥保護のためのバンディングだ。



 やっと着いた。



 500円と高い缶ビールを飲んでから、夕飯前辺りを散策した。小半時もしないうちに、夕闇が色濃くなってしまった。



 明日は妙高だ。