野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

武蔵丘陵森林公園2

2010-02-27 | 植物園
 <前回からの続き>
 色華やかな梅園を見た後、中央口に向かって歩く。途中の雑木林にはまだ春の気配は感じられない。



 枝先の番の小鳥はホオジロか、あるいはカシラダカだろうか




 山田大池に近づくとカワウのコロニーが見えてきた。親鳥がひっきりなしに巣材を運んでいる。



 彫刻園の一角






 去年見つけた原種シクラメンの植えられたゾーン






 すぐ傍にはクリスマスローズも咲いている。









 頭上にいるのはビンズイか



 渓流広場を抜け、植物園前まで来た。



 芝生の上でじっと周囲をうかがっているのはシロハラ



 この周辺にはユキワリソウが植えられている。尤もユキワリソウという名は非常に紛らわしい名だ。キンポウゲ科のミスミソウやスハマソウを示す場合とサクラソウ科の花を示す場合とがある。さらにはニリンソウやアズマイチゲなどの早春に咲く山野の花を総称していう場合もある。

 これは新潟を中心とした日本海側の山野で咲くオオミスミソウで、特徴はただ一種の花なのにとても色や形の変異が多いことだ。植物園の人の説明によると親の遺伝子をそのまま受け継がない花なので変異が多いとのこと。花弁に見えるのがガク片なのも原因の一つなのだろうか。


















 薔薇やダリア等のような園芸の歴史の長い花は、様々な品種改良を重ねてきて現在では数千種に及んでいるものもある。花菖蒲やツツジ、サツキ、等もそうだ。だがユキワリソウは自生地でも人間の手に因ることのないさまざまな変異を見せている。去年訪れた飛島の自生のユキワリソウもそうだった。



















 尚、2月27日から3月7日まではユキワリソウ展が開かれるらしい。


 もう少し周辺を歩いてみた、大根の花が咲いている。



 スイカズラのなかま、ロニセラ何とかとあった。



 スズランズイセン













 帰りは野草園に寄ってみたのだが、咲いているのは植栽されたフクジュソウだけでまだまだ野の花は顔を見せてはくれなかった。

武蔵丘陵森林公園~梅園5分咲き

2010-02-25 | 植物園
 節気も立春から雨水に変わり、第二候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」となったのだが、最近の寒さのぶり返しからか、梅の開花が一向に進んでくれない。一月の陽気からしたら、去年並みの早い開花になるのかと思ったのだが、全く違った。去年より一日遅れて訪ねた森林公園もやっと5分咲き程度になった状態、見ごろはまだまだこれからといった処だ。
 尤も開花が焦らされた分、花色が深まっているように思えるのは見る側の欲目か。


 この日は昼前ごろからよく晴れ、着てきたセーターをザックにしまうほど暖かかった。 南口に車を止めたのは10時過ぎ。



 歩いて5分ほどで梅園に着いた。



 ここの梅園の売りは足元に植栽されたフクジュソウ









 早咲きの梅が一段落し、中咲きの梅が見ごろ、遅咲きの梅はごく一部が開花し始めたといった処




 梅の別名に「木花」というのがある。読みは「このはな」。こんな有名な歌がある。「難波津に 咲くや木の花 冬こもり 今は春べと 咲くや木の花」 -王仁






 






 梅園全体の風景としてはもう4,5日欲しい処だが、咲いている花の種類は今が一番多いのではないだろうか。桜と違って梅の花は品種が多く、花そのものをより楽しむことが出来る。


 
 背景の黄色は咲き始めたサンシュユ















 小高く盛り上げられた土手の上に立つ一本梅







 しだれ梅の風情も捨てがたい









 足元には春の野の花たちも咲いている。






 秩父紅のフクジュソウも幾株か植えられていた。















 梅の別名をもう少し。「風待草」は春風を待って咲くことから、香りの良さから「匂い草」や「香栄草(かはえぐさ)」、他の花に先駆けて咲くことから「花の兄」とか因みに「花の弟」は菊のこと、更に中国の故事から「好文木(こうぶんぼく)」、これが日本では梅と天神様の結びつきとなった等等、数限りない。










 枝が小さく揺れた。お客さんの来訪だ。どうやら冬鳥のジョウビタキのようだ。枝の間をつがいで追いかけっこをしている。
















 
 長くなりすぎたのでこの後見たクリスマスロ-ズやユキワリソウ、原種シクラメンは次回にまわすことにしよう。

川口グリーンセンター

2010-02-23 | 植物園
 野の花の咲いていないこの時季、花を見たいと思うとどうしても植物園巡りが多くなる。今回は久しぶりに川口グリーセンターに行って来た。




 十月桜がまだ咲きのこっていた。






 前方の大きな建物は温室



 温室の中は汗をかくほどの暑さ、オーバーを脱ぎたくなる。余りの暑さで花の名前を控えるのを忘れてしまった。










 アロエカメロニーとあったような…。



 コブラのような植物、名前にもコブラの文字があったような……。




 温室を出るとひんやりした空気が気持ち良い。陽だまりにはフクジュソウが咲いていた。



 頭上には咲きだしたばかりのサンシュユ 
 






 梅祭りの最中だった。規模は小さいが特徴のある品種が多い。ただ近寄って見られない花が多いのが残念。












 梅園の傍は小さな遊園地になっているので子供連れの若い夫婦が多い。シナマンサクが良い色をして咲いていた。



 赤色のマンサクもこの所あちこちでで見かけるようになってきた。



 エリカ



 スノーフレイク



 ネコヤナギ、これは随分と赤っぽいような気がする。



 藪椿の園芸種



 ナツボウズとあったが、ナニワズとよく似ているので後で調べたら同じものだった。









 緋色のアセビも最近ではよく見かける。



 鉢植えのボケの花



 ゆっくり一周して二時間弱、まだまだ咲いている花の数は少ないので予定より早く回ってしまった。時間には余裕があるので、帰りは秋が瀬公園に寄って野鳥観察をすることにした。去年3月の中旬頃行った時にはレンジャクの群れを見ることができたのだが……。

まだ時期が早かったようで残念ながら見られたのは、シメとモズ、ジョウビタキ、ノスリ位のものだった。







 モズが口にくわえているのはミミズだろうか



 じっとポーズをとっててくれたノスリ

 

 キャンプ場のテーブルの上ではヒヨドリとムクドリが仲良くパン屑を食べていた。 



 この辺で。

早春の花2

2010-02-20 | 散歩
 一旦緩みかけた気温も先だっての雪を機に、再び元の厳しい寒さに戻ってしまった。早めに咲いた梅も、路地にいち早く花を咲かせたホトケノザ、オオイヌフグリ等の野の花も雪の中で凍えている。こうして一進一退を繰り返しながら春に移り変わっていくのだと、今までもそうだったじゃないかと、分ってはいてもなかなか来ない春の到来がもどかしく待ち遠しい。

 久しぶりにカラッと晴れた午後、出勤前近くの公園に寄り道してみた。



 河原のネコヤナギはもう花穂をふくらませている。






 これはナニワズ、黄色い沈丁花といったところか。




 木道の縁にちょこんと座っているのはジョウビタキのようだ。こちらをうかがっている。



 降り積もった枯れ葉の中で、咲きだしたばかりのフクジュソウが祝福の陽を浴びている。

 其処だけ先に春が来たようでほっこりとしている。



 頭上でコツコツと枝をたたく音がする。コゲラだ。

 真下に行って樹肌に耳を寄せると結構大きな振動が伝わってくる。耳をくすぐる春の鼓動だ。


 藪の下にセリバオウレンが咲いているのを見つけた。早春の山地に咲くキンポウゲ科の花だ。薄暗い林床を舞台に3人の小妖精が踊っている。







 実を落とし葉脈だけになったホオズキが風にゆらゆら揺れている。



 池ではコサギが餌を夢中で探している。前足を小刻みに震わせながら小魚を追い出そうとしている仕草がおかしい。



 よく見るとこの時期でも花はまだまだ見ることができる。これはウグイスカグラ、小さな赤い星状の花を枝先に咲かすスイカズラ科の花だ。








 セツブンソウはもうこの時期では終わりかけだ。植生されたものなので野に自生するものと比べて勢いが見られない。



 傍らの高い木の枝際に止まったモズが高鳴きを繰り返している。






 これは久しぶりに珍しいものを見つけた。ツチグリ、ツチガキともいいキノコの仲間。普通は夏から秋にかけて発生するので春に見られるのは珍しい。晴れて空気が乾燥すると星状の外皮が閉じて球状になり、風に吹かれてころころと転がるさまから、別名に「晴天の旅行者」や訳名として「星形の湿度計」といったロマンチックな名を持っている。




 思わず見上げたら、マンサクが空に満開だった。そろそろ野に遊ぶのを切り上げて仕事にいく時間が来たようだ。



梅の花 ’10

2010-02-13 | セレクト
 


 1月下旬ごろから撮りためた梅の花をupしてみよう。場所は府中郷土の森公園、小金井公園、深大寺植物園と小石川植物園の4か所。












 綻びはじめた梅の花から、えもいわれぬ爽やかな香気が漂ってくる。

 香りを楽しみながら花を観賞できるのが、桜の花見と違う所。








 後ろから光で透かして













 白梅の清々しい清純さ、恥じらうような紅梅の色気どちらも捨てがたい











 早春、野はまだ色みが乏しい














 屏風絵のように撮ってみた










 突然 可愛らしいお客さんがやってきた。

 忙しげに花から花へと蜜と花粉を求めて飛び回っている。

















 唐梅を思いっきりアップで













 これは小石川植物園でしか見たことがない、黄梅の品種

 羽をむしり取られた七面鳥を連想してしまう


 2月中旬、まだまだ梅はこれからといった所だ。