野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

箱根湿生花園 秋

2012-09-27 | 植物園

  ユキノシタ科ウメバチソウ属のシラヒゲソウ

 

 秋分を過ぎてやっと暑さが収まってきたようだ。この日は天気は思わしくなかったが、金時山登山のついでに湿生花園に寄った。

朝早くからの登山を終えて11時ごろ、雨の中門前にたどり着いた。生憎の雨だが、来園者が少ないので私にはかえってよい。

 

 入口近くにはマルバシモツケの花、金平糖のような白い花で本家のシモツケとはあまり似ていない

 

シュウメイギクも咲き始めたようだ

 

アケボノソウ

 

これはアキギリの花

 

 オクモミジハグマは山地の林の中に生える

 

 ホソバシュロソウは暗い紫色の花が特徴、名の由来は根元に棕櫚のような繊維が付いていることから

 

 まだホザキシモツケが咲き残っていた。

 

頭上を見上げると、ツリバナが赤い実をつけている。花も実もともに風情がある。

 

 オオバショウマの花にはいい時期に出会えた。

 

その花にキチョウがやってきた。

 

大振りで派手な色彩の花を咲かすアサマフウロ

 

テンニンソウ。暗い山道を歩いていると、開けたところで急に大きな軍政に出会うことがある。同じシソ科のシモバシラとは花も葉もよく似ている。

 

 これはアザミの仲間

 

 これはスズムシソウ(スズムシバナ)でキツネノマゴの仲間だ。

 

ミゾソバ

 

秋を代表する野山の花リンドウ、これは段々に花が付いているのでエゾリンドウか。よく似ているオヤマリンドウは茎の先端だけに数個の花をつける。

 

 マツムシソウ、金時山の登山時には白花種のマツムシソウも見かけた。

 

 ベンケイソウ科のヒダカミセバヤ

 

ヤマトリカブト

 

ツリフネソウとミゾソバの群生

 

独特な花の形をしたアキチョウジの花

 

 湿地に多いサワシロギク。咲きはじめは白色なのだが、次第に赤紫色に変化していくのが特徴だ。

 

サワオグルマと書いてあったが、どう見てもミズギクのように思われる

 

 同じく湿地に多いサクラタデは大群生を見せていた。

 

 

 シラヒゲソウにはまだ野では出会ったことがない。ウメバチソウの親戚と言われてみれば納得。

 

某女子スポーツのチーム名にも使われているが、印象は全く異なるナデシコの花、カワラナデシコともいう。

 

 右奥がススキで有名な仙石原、今年は残暑の影響か秋分過ぎてもまだ見頃にはなっていなかった。

 

 ヒヨドリバナ

 

ヒキオコシもたくさん咲いていた

 

ワレモコウとオミナエシ

 

 実をつけていたクサレダマ

 

 サワギキョウ

 

 

ジャコウソウの仲間

 

これはヤマシャクヤクの実

 

紅葉を始めたマユミ

 

お終いはタカネバラの実

 

 この日もたくさんの花たちに出会えて何とも幸せだった。

 


野川に咲く初秋の花

2012-09-21 | 散歩

 残暑もどうやらやっと峠を越したようだ。季節は変わり、節季は白露の第3候「玄鳥去」となった。玄鳥というのは燕のことだが、そういえばここ最近はいつの間にか姿を見ることがなくなった。新しくできた家族ともども南の国へと帰っていったのだろうか。そしてかわりに暑さで出遅れていた秋の野の花がだんだんと姿を見せ始めたようだ。

 久しぶりに訪ねた野川公園。ツルボが川の土手に群生していた。

 

図鑑では山野の日当たりのよいところに咲くとあるが、最近は町中の公園の芝生でよく見かける。その辺で普通に咲いて居る花だが、よく見ると非常に繊細で美しい。

 

 もう少し川に近づくとツリフネソウが多くなる。

 

 キツネノマゴもいたるところに咲いている。この時期咲いている花の個体数ではこの花が一番多い。

 

 観察園に入るとミゾソバらしき花を見つけた。これはママコノシリヌグイというやつか。それともアキノウナギツカミという似ているものもある。いつまでたっても区別がつかない、そんな区別はどうだっていいじゃないかという思いがあるから尚更覚えられないのだろう。

 

 今日野川の観察園に寄ったのはそろそろ彼岸花はどうかと思ったからなのだが、やはり今年の残暑で開花が遅れているようだ。咲いているのは4,5株のみ。そう思って期待してきた人がほかにもいるようで、みんな残念そうな顔をして帰っていく。

 

 ここの観察園は彼岸花の群生も素晴らしいが、カリガネソウのちょっとした群生もなかなか行ける。

 

 カリガネソウはクマツヅラ科の花。ダンギクやイワダレソウなども同じ科の花だが、それぞれ花の形がまるっきり違うのが面白い。

名は雁(かりがね)からだというのだが、この花を見てもどうしても雁には見えてこない。

 

 

 カラスノゴマはシナノキ科の植物。シナノキ科の植物の有名なものとしては菩提樹やジュート、モロヘイヤなどがある。カラスの名のつく他の花と違って、大きめの葉の下に下向きに小さな花を一輪だけつける、健気で気品を感じさせる花だ。

 

 ゲンノショウコの花は紅白見られるが、赤色の花ははっとするほど原色の赤に近い。名は昔から下痢止めの薬効が速やかに表れるので「現の証拠」とつけられたという。

 

 アメリカイヌホオズキは帰化植物で、大きな体に小さな花を数輪つける。花は昔からのイヌホオズキとよく似ている。

 

 キンミズヒキはバラ科キンミズヒキ属の花。ミズヒキはタデ科タデ属で、ギンミズヒキはミズヒキの白花品種。

 

 夏の間繁茂していたクズの花に変わって、この時期川べりを覆っているのはアレチウリの花。旺盛な繁殖力から嫌われ者の花だが、今回は精一杯かわいく撮ってみた。

 

 触れなば落ちんアキカラマツ

 

 彼岸花は空振りだったが、もう一つのお目当てナンバンギセルには絶好のタイミングで会うことができた。ハマウツボ科に属するナンバンギセルは寄生植物で、ススキやイネ、ミョウガ、サトウキビなどの根元に生える。一年生の植物で花の終わりには黒い種をつける。下の写真にも種の一部が見える。

 

 

万葉集に「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに 何をか思はむ」として登場する。尾花はススキ、思い草がナンバンギセル。

 

 

 帰り際、今まで見たことのない珍しい蜂を見かけた。山や野に遊んで数十年になるが、このハチを見かけたのは初めてだった。終わりかけのイヌゴマにやってきた蜂の名はルリモンハナバチ。

 

 じっとしては居てくれないので撮れたのは数カットのみ。背中の黒と水色の模様が何とも美しいハチだ。青い鳥は幸運を運んでくれるのだから、青い蜂も何か良いことをもたらしてくれるのだろうか。

 

 この辺で。

 

 

 

 

 

 

 


乾徳山を登る

2012-09-18 | 探鳥

   

 6年ぶりに乾徳山を登ってきた。意識的に登りの速度を緩めて、何とかてっぺんまで辿り着けたが、夏バテの取れない身には、1200mの標高差はきつかったァー。

 コースは前回と同じ8の字を描くコース。

 

 道祖神にビーチサンダルとはどういう意味

 

乾徳山の名を持つ寺

 

一個で6体道祖神とはなんと合理的な

 

 乾徳公園から歩いて10分ほど、乾徳神社。

 

30分ほどの歩きで登山口へ

 

 

 陽のささない深い森をジグザグに高度を上げていく。錦晶水を過ぎたところでリスを発見。素早い動きでとれたのは3カット。そのうち何とか見られたのはこれだけ。向こうもびっくりしたのか、それにしても野生の生き物は素早い。

 

 登り始めて2時間弱、国師ヶ原に着いた、明るい薄の原を風が過ぎていく。

 

先ほどまで鳴き交わしていた親子連れの3頭のシカが姿を見せた。

 

 前方に乾徳山頂上が見える、あと一息だ。

 

頭上にはもう紅葉を見ることができる

 

 ハクサンフウロ

 

ヤマトリカブト

 

 月見岩が見えてきた。

 

 

 コウリンカ

 

 

 

 今の時期には高原はこの花がたくさん咲き誇っている、ウメバチソウ

 

 マルバタケブキ

 

 国師ヶ原を過ぎると岩場が続く。。そして頂上前には最後の砦大岩の鎖場が現れる。

 

 登りきると視界が一気に開ける。雲を従えた富士山が岩の向こうに少しだけ頂を見せている。

 

 

 

岩場にバッタ、何者と言いたげな眼差しには言いようのない愛嬌がある

 

 頂上付近の岩場にはピンク色のホツツジが咲いていた

 

 ひとりっきりの頂上。

 

 暫くの間360度の展望を独り占めした。3時間を超える登りの苦労も忘れ、暫し秋のさわやかな風に吹かれた、至福の時だった。

 

  


夏の終わり都民の森を歩く

2012-09-11 | 探鳥

 

 家を出たのは朝6時過ぎたばかり。檜原都民の森駐車場には8時頃に着くことが出来た。広い駐車場にはまだ数台の車しか止められていない。ひんやりとした朝もやの気配の残る中、鞘口峠に向かった。

 茶店もまだ開いてはいない

 

 今回はいつも下りにとる鞘口峠コースから登り始めた。炭焼き小屋の脇を通る。

 

 人ひとり会うことなく峠まで来た。

 

 静かな森の中を時々鳥のさえずりが聞こえる。登山道の傍らに咲くタマアジサイは9月のこの時期でもまだ十分みられる。思えば7,8,9月と随分と花期が長い花だ。

 

  20分ほどで見晴らし小屋に着いた。

 

 今年生ったばかりの山栗が道に落ちている

 

更に30分登って頂上

 

 何回も登っているのだが、頂上を独り占めできたのは初めて。少し早いがここで持ってきたおにぎりを食べることにした。

 

 天気予報ではあまり芳しくなかったのだが、何とか晴れてくれて富士の姿を拝むことが出来た。

 

 笹尾根を槇寄峠まで下る予定だったが、次第に雲行きが怪しくなってきた。大沢山を越えたところで尾根道を下ることにした。

 

 

  桂の大木

1時間もしないうちに三頭大滝までやってきた。

 

 奥多摩周遊道路

 

 登山としては物足りなかったが、短い時間ながらも晩夏から初秋にかけての山野草に多く出会えた。

出会った個体数が多い順にあげていくと、ソバナ

 

 ずいぶん白っぽい個体もあった。

 

 カメバヒキオコシはいたるところで群生に出会えた。

 

キバナアキギリ

 

 ヒヨドリバナ

 

 標高の低い沢筋で多く見られた、ツリフネソウ

 

アキノキリンソウ

 

 オクモミジハグマ

 

 ミヤマママコナは奥多摩では初めて見ることができた。

 

 

 頂上近くで群生していた、トンボソウ

 

 これも頂上付近の一部でしか見られないホツツジ

 

 メタカラコウ

 

 赤みの強いアキギリ

 

レイジンソウはもっとたくさん見られると期待していたが、少しだけ時期が早かったようだ。

 

 黒い実をつけたツクバネソウ

 

 実の落ちたツクバネソウ

 

  タマガワホトトギスはもう終わりかけで、下りの沢筋の大岩にへばりつくように咲いていた。

 

三頭大滝付近の散策路で見かけたクサボタンはまだ咲きはじめ

  

 ヤマシャクヤクの一寸グロテスクな赤い実

 

 セキヤノアキチョウジ

 

 今回は一株しか出会えなかった花たち

 フシグロセンノウ

 

レンゲショウマ

 

ツルニンジン

 

 夏の花はあらかた咲き終わり、秋の花にはもう少し。そんな時期の割には短い時間で多くの花に出会うことができた。収穫大の満足の一日だった。


雁ヶ腹摺山

2012-09-05 | 探鳥

 暑かった八月もやっと終わり、嬉しいことに朝晩には少し涼しさが感じられるようになってきた。この暑さですっかり体力を消耗し、休みの日なのにとてもハードな登山をする気にはなれそうもない。そこで、どこかに楽ーな山はないかと地図を探しているうちに、大月から入ったところにある雁ヶ腹摺山を思い出した。登山口から森林の中を登り一時間、下り45分の手軽な山なのに、頂上付近のお花畑、頂上からの富士山の眺め、そして何よりあまり人が登らない静かな山、と魅力たっぷりなのだ。ここに決めた。

 昭文社の「山と高原地図」では大菩薩嶺となるこの付近には雁ヶ腹摺山と名の付く山が三つある。牛奥ノ雁ヶ腹摺山、笹子雁ヶ腹摺山、そして今回登った何もつかない雁ヶ腹摺山。

大月までは中央高速、大月ICを降りて車で30分ほどで登山口の大峠に到着。

左手は黒岳、右手が雁ヶ腹摺山へと続く道。

 

 ホタルブクロが迎えてくれる。

 

 登山口からすぐ近くには覗き水という水場がある。ツリフネソウとキツリフネが混生している。

 

 

 

ヤブマメ

 

これは葉の形からカメバヒキオコシのようだ

 

 

 

群生している

 

森の中にひっそりとフシグロセンノウも咲いていた

 

 これはミズタマソウだろうか、少し自信がない

 

メタカラコウ

 

ヤマジノホトトギスも登山道の傍に咲いていた

 

マルバタケブキはたくさん見ることができた。

 

このアザミのような花はアザミではなく、どうやらコウモリソウのようだ

 

 ヤマトリカブトは色づき始めたところ

 

 

 少し標高を上げたところでヤマハハコやウスユキソウが現れてきた

 

 

ソバナも見えてきた

 

 

ミヤマヨメナ

 

タチコゴメグサ

 

哲人の横顔を思わせる大岩

 

 この大岩を過ぎると頂上の原っぱだ

 

 奥まで登って荷物を置く。これが旧500円札に使われた富士山の展望

 

雪が残っていればこれがそっくり

 

 高原を覆い尽くしていたススキの花が興を添えてくれた

 

 

 

 荷物を置いてからお花畑を探検。咲き始めたばかりのウメバチソウがポツリポツリ。

 

これはノコギリソウ

 

 これは珍しいトモエソウだ。

 

クルマバナも多い

 

 この花もあまりお目にかかれなくなった、シオガマギク

 

 コウリンカもまだ咲き残っていた

 

 一番多くみられたのはマルバタケブキ

 

 

 そしておしまいはハナイカリ

 

 ここからさらに奥に分け入っていくとなかなか楽しいシオジの森となるのだが、夏バテ気味の今の体力ではここまでで精一杯。帰りは来た道をゆっくりとピストンしながら下った。