野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

晩秋の大菩薩を歩く

2010-10-30 | 登山
 


 晩秋のこの時期、大菩薩嶺に登るのは初めてだった。上日川峠に着いたのはもう少しで10時になろうとする時刻。雨は降ってはいないものの青空は全く見えない。昼からは晴れるという予報に期待してやって来たのだが……。


 峠は既にガスに覆われ始めていた。ロッジ長兵衛前の駐車場には車が5台。








 落ち葉が敷き詰められた山道を行く。



 ガスは濃くなったり、かと思うと晴れ上がったりしている。






 30分もしないうちに福ちゃん荘に着いた。







 立ち込める朝霧の中、木々の紅葉が油絵の具を塗ったようでぬめぬめしている。まるで触れると色が移るように濡れて光っている。






 カラマツ林に入る、すっきりとした直線が美しい。













 小一時間ほど登った辺りで樹林帯を抜けた。足元にリンドウが咲いている。






 稜線に立つ雷岩が見えてきた。



 左に折れ大菩薩嶺へと向かう






 雷岩からは10分もかからなかった。風の当たらない頂上では、2組ほど早めの昼食をとっていた。




 立ちはだかる倒木の根っこ






 ガスの中のデッドツリー



 ガスの晴れるのを祈りつつ、いつもより歩を緩めゆっくりと歩く。



 コウリンカ



 すっかり黄葉したカラマツの幼木
 









 一瞬ガスが消え薄日が差すこともあるのだが、すぐに稜線下から立ち上ってきて視界は再び利かなくなる。



 賽ノ河原の避難小屋が見えてきた。晴れていればその先の高みに富士が浮かぶのだが…。







 12時半前、大岩の陰で昼食とした。目の前の岩に鳥が遊びに来た、どうやらコルリの雌のようだが、夏鳥なのにまだいるのだろうか。



 稜線上は一部を除いてほとんどの木が葉を落としている。



 昼食を終えてからもガスの晴れるのを待ったのだが、一向に消えてくれそうにもない。諦めて歩きだすと、眼下に介山荘が見えてきた。






 


 <この先石丸峠に向かったのだが、長くなったのでこの辺で>     

ひたち海浜公園

2010-10-27 | 公園
      コキアを背景にしたソバの花


 コキアの紅葉が見たくて、国営ひたち海浜公園を訪ねてきた。自宅を出たのが6時少し過ぎで2時間ばかりで着いた。9時半までの開園までの間、先に那珂湊のお魚市場で買い物をした。



 開園20分前に西口駐車場に車を止めて待っていたら、時間前に拘らず次々入園していくので我々もその後に続いて入園。西口翼のゲートを抜けると、広い西池が見える。ちょうど園内を一周するシーサイドトレインがやってきたが、もちろん乗らずに歩く。






 マップを見るまでもなく殆どの人の目的地がコキアのあるみはらしエリア。大勢の人の後について行くだけで良い。




 10分ほど歩くとコキアとコスモスがあるみはらしエリアにやってきた。




 開園して15分足らずなのにこの人出。コキア、コスモス、蕎麦畑越しに見えるのは里の家だ。



 人の動きに押されるように頂上を目指す



 大勢の人が列をなしていて、まるで稜線に植えられた木のようだ。その真ん中よりややひだりに見えるのが見晴らしの鐘。ずっと鳴りやまぬこの鐘が何とも煩くて閉口した。




 黄の色はセイタカアワダチソウの花だ、まさか植えたのではないのだろうが、見事に赤、ピンク、黄と三色の帯を作っていた。







 見晴らしの丘の西側はコスモス畑となっている。













 頂上に着いて見ると足の踏み場もない位の人で身動きもままならない。東側には海も見えたが、工場の煙突が多いので少し興ざめ。早々に下る。




 丘の頂から降りながらレンズをマクロに切り替えてみた。






 はまかぜ橋を渡り、大草原エリアへ。この辺まで来ると人も少なくなり、気持ちがのびのびする。パンパスグラスの穂先が潮風に揺れていた。



 海浜口前を南に折れ、砂丘エリアへ。陶芸棟、砂丘ガーデン、グラスハウス、香りの谷などがあるエリアでこの公園の特色となっている。

 砂丘ガーデンで咲いていたハマギク



 これはツワブキの花、いずれも海の近くに多い花だ




 ハーブ類を中心に植えてある香りの谷、見下ろした途端に下から様々な香りが湧きあがってきた。



 サイレントギャラリーの辺りは人気も疎ら











 南口エリアのメタセコイアの並木道を抜けると遊具が立ち並ぶプレジャーガーデンエリア。子供の歓声が遊具の出す音に混じって聞こえてきた。






 おもしろチューブは子供たちに交じって入ってみた。




 ここでくまさんのカステラを食べて小休止。


 バラ園にも寄った。



 中央ゲート前を通り過ぎた先は中央フラワーガーデン。やや見ごろを過ぎてはいたがコスモスと松の木とのマッチングが面白い。












 そよかぜ橋を渡ってたまごの森へ



 西口ゲート前にたどり着いたのは午後1時になろうとする頃、ほぼ4時間近くいたことになる。歩数は優に1万歩をこえていた。


 帰りは大洗のモールで海鮮丼を食べてから帰った。

 おまけは丁度港に入港してきた北海道からのフェリーサンフラワー号





秋の森林公園

2010-10-23 | 公園
 十月下旬、武蔵丘陵森林公園を訪ねた。去年は紅葉の時期11月17日に来たのだが、今年は半月ほど時期をずらして、晩秋の野の草花に間に合えばと来てみた。

 中央口に車を止め、橋を渡って野草園へ



 入口すぐのところにはホトトギスの花。白と赤紫の品種があった。



 レイジンソウとアキノキリンソウ



 フジバカマとカシワバハグマ



 ノハラアザミとヒヨドリバナ。バッタやハナアブも秋の日差しに誘われて、活発に花の間を飛び回っている。



 野草園から運動広場わきのコスモス畑に移動









 黄色の花はイエーローキャンパス、オレンジ色のはそのままオレンジキャンパス









 再び橋を渡って渓流広場方面へ。黄葉樹コーナーでは、銀杏がそろそろ色づき始めていた。



 これはイイギリの実



 コリウスガーデンは半分以上が店じまい






 その脇に植えられていたダリアが華やかだった






 カエデ見本園。ほんの一部、紅葉の兆しを発見。



 都市緑化植物園の所までやってきた。ここは普段見掛けない、珍しい園芸植物をたくさん見ることができる。

 上二つはコスモス、下はハマギクとストケシア



 シーシェルと書かれたコスモスの花弁の上に、シジミチョウが止まっていた。



 葉っぱが柳のように細長い、ヤナギバヒマワリ



 アマルクリナム



 都市緑化植物園で少し休憩してから、彫刻広場方面を通って中央口に戻ることにした。
 十月桜




 彫刻広場の入り口に置かれた奥山泰堂の道標




 水生植物の池



 近づくと一斉にカエルが水に飛び込む。暫く待っていると再び水草の間から、様子を窺うように顔をのぞかせ、葉っぱの上で日光浴を始める。



 オオカナダモの花は初めて見た。



 池のすぐそばに原種シクラメンの花を露地植えしたコーナーがある。









 白花種



 木々の間から山田大沼が見えてきて、カワウの声が聞こえだした。巣の一部を撤去したらしく、鳴き声のうるささはかつてほどではない。坂道の途中にアート広場があった









 再び中央口に戻ってきたのは午後2時過ぎ、3時間の在園だった。帰、久しぶりに原爆の図丸木美術館へ寄った。2001年から館長を務めていた、針生一郎さんが逝去されていた。丸木位里さん逝去から15年、俊さんの逝去からは10年、月日の移り行きを感じながら、久しぶりに原爆の図やアウシュビッツ等の大作を小一時間鑑賞した。胸が詰まるものがあった。

昭和記念公園のコスモス

2010-10-20 | 公園
 17日の無料開園日に合わせて昭和記念公園を訪ねた。普段でも日曜日は人が多い公園なのだが、無料開園とコスモスが見ごろということで、都心の雑踏と錯覚しかねないほどの混雑ぶりだった。

 
 コスモスの丘。誰が数えたか知らないが、この丘だけで343万本のコスモスが植えられているそうだ。







 すっきりとした青空がほしかったのだが空は生憎の高曇り。



 丘に植えられているコスモスはドワーフセンセーションピノキオという品種が中心で、全体としてピンク系が強い。









 丘の間を幾本も通路をしきっているのだが、いずれも人人人でなかなか前へ進めない。













 みんなの広場方面へ移動。原っぱ東の花畑は、ハッピーリングやあかつきなどが植えられている。やや見ごろすぎか。









 原っぱ西側に移動。こちらはイエーローキャンパスやオレンジキャンパスなどの品種が中心。









 メキシコの高原を原産地とするコスモスが日本に伝わったのは、江戸末期から明治初めにかけてという。















 最後はバーベキューガーデン花畑にあったコスモスの混栽。







 2時間足らずの時間で人ごみの中を走り回った1日でした。



縞枯山から雨池に下る

2010-10-17 | ハイキング
 <前回からの続き>
 麦草峠の駐車場に戻って、そのまま縞枯山方面に向かった。麦草ヒュッテ前を左に折れ、右に茶水池を見ていく。



 すぐに鬱蒼とした森の中に入る。






 まだ咲き残っているミヤマコゴメグサやアザミに会えた。朝晩の霜に耐えてなお頑張っている姿が愛おしい。






 苔むした岩の上に黄葉したミヤマカタバミの葉が見える。



 笹藪の道を登っていると15分もしないうちに大石峠の分岐までやってきた。



 真紅の実はやはりゴゼンタチバナの実なのだろうか。それともマイヅルソウの実か。



 中小場(2232m)まで登ってきた。この辺りで時折ガスが見られるようになってきた。






 そこから150mほど登って茶臼山



 茶臼山からいったん下って登り返すと縞枯山だ。山の名にあるように立ち枯れた木が周囲を覆い始める。






 色を失った世界に、ぽつんと残されたナナカマドの実が、宝石のように輝きながら残り日を燃やしている。




 紅葉の盛りを迎えていた白駒池から、僅か標高差400mの登りで風景は一変する。生き物の気配の薄れた、立ち枯れた木の間を歩いていると不意に道が行き止まりになったように見えた。小さくスペースがつくられてあり、そこにポツンと頂上の標識があった。どうやらここが縞枯山(2403m)の頂きらしい。



 見晴らしの利かない頂上なので素通りすることにした。右下に急な下り道が20分ほど続き、二組ハイカーと挨拶を交わした後八丁平に着いた。一人の登山者が風除けしながら、コンロを炊いている。こういう姿を見ていると、自分もコンロを持って来れば良かった何時も思う。それなのにいつも忘れて持参しない。
 嬉しいことにガスが晴れ、前方北横岳、蓼科山方面に青空が覗いてきた。



 八丁平から更に30分下ったところでやっと林道に出た。この辺りで標高2100m、300mほど下ってきたことになる。白樺やブナの紅葉をみていると、無彩色の世界から再び色のある世界に帰還した気分になりほっとする。






 この林道は一般車が立ち寄れないので、歩いていても体に負担が全くないので、心がのびやかになり何とも楽しい。



 ナナカマドの実が輝き、世界を祝福している。



 林道脇の標識に雨池と書いてあった。そこを左折して下ること10分、前方に雨池が見えてきた。水が少なく、池の半分以上が干上がっている。







 白駒池とほぼ同じぐらいの大きさで、一周するのに半時間もいらない。






 どこにボート置き場があったのか、ボートに乗っている人がいた。



 エゾリンドウの枯れ残り



 白駒池に比べてドウダンツツジが少ないせいか、派手さのない紅葉でこちらの方が落ち着いて風景を楽しめるようで寧ろ好ましい。






 休憩用のイスが置いてある所でザックを置いて、少し遅めの昼食とした。車で10分で立ち寄れる白駒池と違ってアプローチの悪いこの雨池(徒歩で最短1時間かかる)は、その分だけ人が少なくゆっくりと穏やかにいられるのが魅力だ。水面を吹き渡ってくる風に身をさらしながら、流れゆく雲を目で追いやり、たおやかな紅葉を愛で、暫く静かな時を過ごした。

 雨池からは笹原の木道を通り、林道を横切った。原生林の中を一時間ほどの登りで麦草峠傍の茶水池にたどり着いた。