野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

今年もギフチョウを

2010-04-11 | ハイキング
 春の女神を見ようと、この時期この近辺にに通い始めたのは6年前。年々訪れる人が増えてきているのは情報過多社会のせいだろうか。今年は晴れて風の穏やかなギフチョウ日和の日が少なかったからか、特にたくさんの人を見かけた。尾瀬や上高地とまではもちろん行かないけれど若干オーバーユースになりつつあるようだ。が、関東近辺でギフチョウが見られる場所はこの辺りのみ(本当だろうか)と言われるのでそれも仕方がないのかもしれない。
 昨年の4月16日にも記事があるが、今回も敢えて地名は伏せて置くことにした。


 この日は天気がよく、里にも桜が咲き始めていた。



 通りがかり見かけた苔むした石碑



 今回はいつもとルートを変えて森林作業用の道を分け入ってみた。



 ネコノメソウやミミガタテンナンショウが見られる。







 今年は天候不順のせいか梅雨時に多いツチグリをこの3,4月にあちこちで見かける。




 時折日が差す所ではシュンランやヒトリシズカ等も見かけるが数は少ない。







 代わりに街中でも見かけるキランソウ等が増えてきている。







 谷筋から尾根へといたる細い道にとりついた。やっとこの辺りでギフチョウの食草タマノカンアオイが目に付くようになってきた。




 と間もなく倒れた小枝の陰に見つけた。今年初めてのギフチョウだ。




 スミレで採蜜しているようだ。そっと近づいても逃げようとしない。






さらに息を少し切らしながら斜面を登ってきた。キブシがちょうど旬だ。




 とんでもなく急な斜面を小低木につかまりながら何とか登りきった。斜面の穏やかな所で水分補給をしていると再び数頭のギフチョウが飛んできた。












 こんな時、もう一回り距離の長い望遠レンズが欲しくなる。近づいて撮れない鳥や蝶では200㎜(換算で 300mm)ではまだまだ不足。



 アカタテハやヒョウモンチョウらしき蝶も見かけた。






 遠くの山々はまだ新緑の装いとはなっていない。



 人の多い頂上を巻いて行った先で再び休憩。疲れた体を休めるためというより、ギフチョウを待つための時間だ。途中で買ってきたパンを昼食代わりにしていると、再びギフチョウが優雅な姿を見せてくれた。コンパクトカメラのデジカメで動画にしようと頑張ったのだが、上手くいかなかった。



 まだ花の咲いていない小低木につかまって、一生懸命花を探しているのだろうか。仕草がサーカスを見ているようで面白い。

















 諦め場所を変えて、やっと花の咲いているモミジイチゴの木を見つけたようだ。






 こんな間近で木イチゴの吸蜜シーンを撮れたのは6年かかって初めて、ジワリと喜びが体の奥底からこみあげてきた。ささやかながら至福の一瞬だった。



 帰りの登山口には十数台の車が路上駐車していた。近くでは辺りかまわぬ嬌声が響き、来山者が捨てて行ったであろうごみが散乱していた。この様子では遠くない将来、この地域でギフチョウの姿を見ることが出来なくなるかもしれない。