奥多摩の某山へ登ってきた。気軽にイワウチワやヒカゲツツジに出会える山ということで近頃オーバーユースになりつつあるようなので、山の名はとりあえず秘すことにしたい。尤も探そうと思えば決して難しくはない。
天気予報は午後から雨ということで登山道には人影は少ない。一時間ほどで見晴らしのきく所まで登ってきた。
途中の山道はまだ冬の気配が残されていて、山野草の類はあまり見られなかった。
キイチゴ
スミレサイシン
ミヤマキケマン
薄暗い林の中ではミヤマシキミが花をつけていた。
一時間半ほど登った所でイワウチワの群生に出会えた。
山道の脇の岩がごろごろしている周辺に多い。
イワウメ科イワウチワ属の多年草。北海道から近畿地方までの低山から高山の林の中に自生している。名前は岩混じりの斜面や草むらに多く見られ、葉っぱが団扇のようなことからつけられた。
切れ込みのある花弁がフリルのようで可愛い。花の色は白だけでなく、ピンク色のものもある。
まだ新緑も見られない中でミツバツツジだけが華やかな彩りを添えている。
更に登って行ったところそれまでは蕾だったヒカゲツツジがやっと花を見せてくれた。
ヒカゲツツジは関東地方以西の四国から九州にかけて早春の時期に見られる花だ。従ってイワウチワと両方見られるのは関東から近畿にかけてだけということになる。沢筋等の薄暗い所に多いことからその和名がつけられた。自生する淡黄色のツツジは珍しくこの種のみだ。
頂上が近づいてくると葉の色が茶色を帯びてきた。
1000mを越えたこの辺りではイワウチワはすっかり姿を消し、代わりにイワカガミの群生が見られる。が、残念ながらイワカガミの花期にはまだ早く、イワウチワと同時に見るのは難しい。
頂上近くのアセビ
帰りは別ルートで帰ったのだが、斜面の向きが異なるせいなのかそれとも地形のせいかイワウチワもヒカゲツツジもほとんど見られなかった。
おまけは帰路出くわした小菅村の多摩川源流にかかる鯉幟と奥多摩湖畔のヤマザクラ
この辺で