野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

彼岸花の咲く小石川植物園

2009-09-16 | 植物園
 半年ぶりに小石川植物園を訪ねた。他にも行く予定があったので、都営の一日切符を使って都営三田線白金台で降りたのだが、エスカレータを何んと5回も乗り継いでやっと地上に出る事が出来た。地下鉄というより移動式防空壕といったほうがましだ。

 いつものように入口向かいのパン屋さんで券を買って入園。



 入口左手の梅園に至る途中が彼岸花の群生地となっていた。









 休日のせいか来園者が多い






 幾種類かのチョウたちも蜜を求めて飛びまわっている。カラスアゲハのようだ。










 最近は白花ヒガンバナもあちこちで見られるようになってきた。以前、白花のヒガンバナが珍しかった頃、三鷹の禅林寺(太宰の墓のある寺)にあると知り、わざわざ出かけていったことがあった。









 ヒガンバナ科スイセン属の多年草。昔中国から渡来したものといわれる。今ではすっかり初秋の田園風景としてなじんでいる。






 キクイモの黄色の花をバックに
 


 派手な花と違い蕾は初々しい




 園内にはスズカケやフウ、モミといったさまざまな樹種の木が植えられている。行った時にはカリンの大きな実が少しずつ熟れだしていた。



 売店のある所までやってきた。実は今回来ようと思い立ったのは、ここ3年来会い続けている野良のペルシア猫が気がかりだったから。今年の2月に来た時にはあまりにも衰弱していて、草むらに横たわり立つ事さえ出来なかった。
 周囲を暫く探したのだが、姿は見つからず。意を決し売店の主人に尋ねると二月のうちに死んだのだという。ぺルちゃんと呼んで可愛がっていたとのこと

 今年の春ごろ



 2年前の少しは元気だったころ。



 生あるものは死を免れることは出来ないとは知りながら、どうしようもなく喪失感、寂寥感に襲われる。何とか気を取り直して他の場所をまわったのだが、依然足取りは重かった。


 枝から直接花を咲かせていたムクゲ



 紅白のソメワケハギ



 フジウツギで吸蜜しているヒョウモンチョウ




 産卵中のジャコウアゲハ

 かくして生はくり返されていく


 入口で咲いていたフクロモクゲンジ



 タラノキの花



花は年々咲き、実を結び,散ってはその末潔く枯れていく。でもその事に些か感傷的になりはすれ、普通誰も喪失感を覚えはしない。でも身近な動物の死に対する思いはそれと違って、肉親の死と同様な悲しみを呼び起こす。それは私たち人間と同じくただ一回限りの生を生きているからに違いない。取り返しがつかない、在りし日に戻ることはかなわない、そういった思いが寂寥感をより一層深いものにしていくのだろう。

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