野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

三窪高原

2009-09-02 | ハイキング
 三窪高原へは奥多摩湖の脇を抜け、大菩薩ラインを登りきった柳沢峠から歩いて行く。ここは6月のレンゲツツジ越しに見える富士が有名なのだが、それ以外の季節はどうかと思って歩いて見ることにした。

 峠のすぐ脇の無料駐車場に車を止めたのは午前十時。すでに止まっている車が4,5台。早速歩き始めるが、整備された山道沿いには花らしい花はほとんど見られない。



 ハンゼノ頭までやってきた。頂では犬を連れたおじさんが一人休んでいた。



 この辺りから少しずつ花が見えだした。ママコナ



 ノコギリソウやヤマハハコも見える。










 ヨツバヒヨドリも咲いているのだが、あいにくの曇り空でアサギマダラの姿は見えない。




 すぐ近くで鹿の鳴き声がした。そのせいか1500mの高原にもかかわらず、ハエがやけに多い。こんな看板もあった。



 坂を登る途中でやっと本日のお目当て、ハナイカリに出会えた。リンドウ科ハナイカリ属の2年草の花だ。






 すぐ近くで小さな花を見つけた。よく見るとコゴメグサと花姿が似ている。後で図鑑で調べたら、タチコゴメグサとあった。



 アザミやススキも花をつけ始めている。高原にはいち早く秋が近付いてきているようだ。






 大きな黄色い花を咲かせているマルバタケブキがずいぶん多い。







 色づき始めたヤマラッキョウはもう間もなく開花だ。



 ウメバチソウやコウリンカも咲いている。 



 




 少し日が差したので飛び始めたキアゲハが再び風が強くなったせいか、地面で休んでいる。






 ハンゼノ頭から少し下ると開けた場所に出た。一帯はお花畑になっているのだが、シカの食害を防ぐためかズミの木を中心に何か所も柵で囲まれていた。柵の中には食害を免れたのか、咲いている花の種類が一段と多い。

 ツリガネニンジンやウスユキソウが見える。






 オトギリソウやアキノキリンソウも咲いていた。






 ヒメシャジン



 シソ科のミヤマクルマバナか


 タニタデ



 無線塔の辺りまで歩いた所で小雨がぱらつきだした。板橋峠までの予定だったが引き返すことにした。途中針葉樹の切れた辺りでは、ヤマブドウやツノハシバミの秋の実が色づきを待っていた。






 林道沿いを歩いていると、結構思いがけない花に出会うことが多い。今回もそうだった。
 ソバナとイケマはよく見かける






 これはイケマの実



 その脇で思いがけなくうれしい花に出会った。リンドウ科センブリ属の二年草アケボノソウだ。花全体は50~80cmと大柄なのだが、花色が緑と地味なのでなかなか気づきにくい。でもよく見ると、5裂した花弁には黄緑色の蜜腺と濃い緑色の斑点が多数見られて美しい。これを夜明けの星空に見立てたのが、和名曙草の由来らしい。






 林道わきのマムシグサが二つ並んで見送ってくれた。



 ハナイカリ、アケボノソウお気に入りの花二つに出会えたのは何といっても嬉しかった。帰りは丹波山村の道の駅に隣接された、のめこい湯に寄ってから帰った。良い花に出会え、流した汗を良い湯で流す、今日はこれ以上ない大満足の一日だった。