【ニューヨーク時事】連休明け4日午前のニューヨーク株式相場は、中国株式相場の急落や米経済指標の悪化を背景に、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前営業日終値比で一時413ドル超下落した。
ダウは午前10時10分現在、前営業日終値比385.77ドル安の1万7039.26ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は同134.15ポイント安の4873.26。
英調査会社マークイットと中国メディア「財新」が同日発表した2015年の12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.2と前月から0.4ポイント悪化した。
景気判断の節目となる50を下回ったのはこれで10カ月連続。中国国家統計局が1日公表した製造業PMIも5カ月連続で50を割り込んでおり、今年の中国経済への懸念が強まった。
投資家心理が冷え込む中、中国株式市場は急落後にこの日導入したサーキットブレーカーが発動され、最終的に取引が停止された。
リスク回避の売りの流れはアジア、米欧の市場にも広がり、年明け初取引のダウは寄り付きから一気に値を消した。さらに、12月の米サプライ管理協会(ISM)製造業景況指数が48.2と前月、市場予想をともに下回ったため、ダウは一段安となった。
個別銘柄では、ダウ平均30種構成銘柄は全面安。シスコシステムズ、ボーイング、アメリカン・エキスプレス(アメックス)などが3%以上下落している。(了)
【上海時事】今年最初の取引となった4日の上海株式市場の株価は急落し、相場の急変動を抑える目的でこの日から導入された「サーキットブレーカー」制が発動されて通常より約1時間半早く取引が打ち切られた。
市場全体の値動きを示す上海総合指数は前年末比242.92ポイント(6.86%)安の3296.26と、約2カ月半ぶりの安値で終了した。
この日発表された2015年12月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が市場予想を下回り、中国景気への懸念などから売り注文が膨らんだ。
サーキットブレーカー制では、上海、深セン両市場の有力300銘柄で構成する「CSI300指数」が前営業日終値から5%変動した場合、取引を15分間停止する。変動幅が7%に達した場合はその日の取引を打ち切る。
上海証券取引所は制限値幅を超えたため、午後1時(日本時間同2時)すぎにいったん、取引を15分間停止。再開後も下落が続き、同1時半すぎにこの日の取引を打ち切った。
昨夏の株価急落を受けて上場企業の大株主を対象に導入された、株式売却禁止措置が近く期限切れとなるのを前に、投資家が売りを出したことが4日の株安の一因との指摘もある。