料理研究家・管理栄養士 村上 祥子
<きっかけは糖尿病の改善>
私がたまねぎ氷を考案したのは今から二年ほど前。糖尿病の方々に、ラクに、
長く続けられる食事療法はないか、と研究・工夫した成果です。
現在、栄養療法という考え方が広がりつつあります。正しくは分子整合栄養療法
といいます。栄養状態のいい人は病気になりにくく、病気になっても薬の効きが
よいので早く治り、大量の薬を使わなくて済む、という考え方です。
<たまねぎ料理のメンドウ臭さを解決!>
たまねぎの辛味成分イソアリイン、抗酸化作用の高いグルタチオン酸、ケルセ
チンの三つの成分の相乗効果で血糖が撃退でき、糖尿病の症状を緩和できると
いいことづくし。しかし、問題はたまねぎの調理にあります。
<たまねぎ氷を実験的に食べてもらう>
糖尿病歴が長く、毎日血糖値を計れる方数名に試験的に食べ続けていただき
ました。その結果、考案者の私が驚くほど、血糖値が下がり、数値も安定しま
した。こうして効果が裏づけられ、「たまねぎ氷」が誕生したのです。
きっかけは糖尿病でしたが、たまねぎは血圧を下げる、ガンを予防するなど
効果は多岐に渡ります。まさに食べる万能薬です。
<減塩効果も大、うす味料理に>
たまねぎ氷を使い続けるうちに、もうひとつの発見がありました。うまみが多く、
コクが加わるので、調味料を減らしても充分においしいということ。
以来、我が家でもみそを半量にしたみそ汁、しょうゆを減らした煮ものなどを
楽しんでいます。
<おいしいから続けられる>
たまねぎ氷の特長は、加熱することでにおいが消え、甘みやうまみが増すこと。
たまねぎを煮たときの、あの甘さです。ほかの食品の味、調味の邪魔をしない
ので、どんな料理にも使え、おいしくします。野菜ジュースやお茶に混ぜるのも
よいでしょう。使い方も簡単なのでラクに続けることができます。
たまねぎ氷の作り方
一度にたくさん、まとめ作りをしておくと、いろいろな料理に使えて便利です。
水 200ml
<作り方>
1.たまねぎの皮をむき、上部を切り落とし、芯をくり抜く。
2.ポリ袋に入れ、口を閉じずに耐熱皿に入れ、電子レンジで加熱。(600Wで20分)
3.ポリ袋にたまった汁ごとミキサーに移し、水を入れてピューレ状になるまで回す。
(2013年9月8日 ソロモン流)