国循(こくじゅん)」こと、国立循環器病研究センターが考案した減塩レシピが
いま注目を集めています。
国内には4000万人以上高血圧患者がいるとされていますが、その予防と
治療に効果的なのが塩分を控えること。
日本高血圧学会は、1日の塩分摂取量を「6グラム未満」を目標としています。
しかし「減塩=味気ない」と思われがち。
そこで国循では「1食の塩分2グラム未満・600キロカロリー以下」でありながら、
おいしい入院食を考案しました。だしを効果的に活用して素材の味を引き出す、
京料理の手法を取り入れています。
●基本のだしの作り方
1.1.8リットルの湯を沸騰させ、火を止めてから、約30グラムの削り節を入れる。
2.削り節が沈んだら、軽くひと混ぜし、そのまま20~30秒おく。
3.細かい目のざるか、キッチンペーパーを敷いたざるでこし、削り節を軽くしぼる。
●八方だしの作り方
1.1.3リットルのだしに、砂糖30グラム、薄口しょうゆ4分の1カップ、塩6グラムを加える。
2.火にかけ、ひと煮立ちしたらすぐ火を止める。ぐらぐら煮立てないこと。
●下ゆで用八方だしの作り方
素材を下ゆでするときは、上記の八方だしと基本のだしを、2:1の割合で合わせたものを使います。
たとえば、八方だし100ミリリットル+基本のだし50ミリリットルといった具合です。
「豚肉のみそ炒め」
<材料・2人分>
・豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用)・・・60グラム
・玉ねぎ・・・70グラム
・ピーマン・・・10グラム
・パプリカ(赤)・・・10グラム
・下ゆで用八方だし・・・適量
※八方だし:基本のだし 2:1の割合
・おろししょうが・・・2グラム
[A]
・おろしにんにく・・・0.4グラム
・おろししょうが・・・1グラム
[B]
・砂糖・・・0.9グラム
・酒・・・1ミリリットル
・みそ・・・小さじ3分の1
・しょうゆ・・・0.8ミリリットル
・豆板醤(トウバンジャン)・・・0.26グラム
・サラダ油・・・0.5ミリリットル+1.5ミリリットル
<作り方>
1.玉ねぎは4センチ長さ、7ミリ幅の細切りに、ピーマンは3.5センチ長さ、
3ミリ幅の千切りにする。パプリカは厚みを半分にしてピーマンと同様に切り、
食感を残すように色よくゆでて水にとり、水けをきる。Bは合わせておく。
2.豚肉は5センチ長さに切り、おろししょうがを加え、たっぷりの「下ゆで用八方だし」でゆで、
ざるにあげて汁けをきる(ゆで過ぎないこと)。
3.フライパンにサラダ油0.5ミリリットルを熱し、ピーマン、(1)のパプリカを
色よく炒めて取り出す。
4.(3)のフライパンをさっとふき、サラダ油1.5ミリリットルを足して熱し、Aを炒める。
香りが出たら玉ねぎを加えて炒め、透き通ってきたら、ゆでた豚肉を加えてさらに炒める。
Bを加えて味をつけ、豆板醤を加えて火を止め、炒めたピーマン・パプリカを加えて混ぜる。
書名:「国循(こくじゅん)の美味(おい)しい!かるしおレシピ」
著者:国立循環器病研究センター
出版社:セブン&アイ出版
(2013年2月26日 あさイチ)