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★減らそう糖尿病 ②高血糖は怖い 腎症、失明

2007年02月27日 | 健康情報
◆生命脅かす腎不全

 糖尿病性腎症は、高血糖が原因で腎臓の中の細い血管の塊(糸球体)に

 異常が生じる。糸球体は血液をろ過して尿を作る場所。

 槇野博史・岡山大教授(腎・免疫・内分泌代謝内科)によると、

 高血糖状態が続くと糸球体入り口側の血管が開き、出口側の血管が収縮しやすく

 なる。その結果、糸球体に大量の血液が流入して負担がかかり、ろ過機能の異常

 を招くという。

◆過剰ブドウ糖で血管障害--分解処理、間に合わず

 高血糖が続くとなぜ血管に異常が生じるのか。

 体内の細胞は、栄養として取り入れたブドウ糖を化学的に分解し、エネルギーに

 変換する。ところが、血中のブドウ糖が増えすぎると処理が間に合わなくなる。

 門脇孝・東京大教授(糖尿病・代謝内科)は

 「大量のブドウ糖を処理しようとした結果、過剰な化学物質が作られ(細胞に

 ダメージを与える)酸化ストレスも増える。その結果、血管に異常が起きる」と
 
 説明する。

 異常が生じる仕組みには、複数の仮説がある。

(1)糖の一種「ソルビトール」が細胞内で過剰に生成され、それを薄めるために
   たまった水分が細胞を変質させる

(2)血管の壁の細胞機能を調節する酵素(プロテインキナーゼC)が過剰に生成
   される

(3)細胞のたんぱく質に糖が結びついて変質する

(4)酸化ストレスが増加する--などだ。

 酸化ストレスは、(1)~(3)を悪化させるという悪循環にもつながる。

合併症の治療は、血糖を低く抑えることが基本だが、

門脇教授は「特定の細胞で 酸化ストレスを抑える薬剤が開発されれば、複数の

仮説に対応する治療薬になりうる」と話す。

◆治療先延ばしは禁物

 合併症は、毛細血管が傷つく「細小血管症」と、動脈硬化を起こす「大血管症」

 に分けられる。

 いわゆる「3大合併症」(神経障害・網膜症・腎症)は、細小血管症だ。

 毛細血管の構造は、壁の内側が「血管内皮細胞」、外側が「周細胞」と呼ばれ 

 る。高血糖が続き、さまざまな要因で異常が起きる際、最初に影響を受けるのは

 周細胞だ。

 周細胞に異常が生じると、血管が緩み、コブのようなものができて出血しやすく

 なる。さらに悪化すると、内皮細胞の機能に異常が生じ、血流を阻害したり血栓

 を作る。血流が悪く低酸素状態になると、酸素を取り込むため新しい血管(新生

 血管)ができる。だが、新生血管はもろく、出血しやすいため、さまざまな障害

 の原因になる。

 網膜症や神経障害は高血糖状態が続くと、発症の可能性は確実に高まるが、腎症

 には、遺伝などの要因も複雑に絡むとされる。いずれにしても治療を先延ばしに

 し、高血糖状態を放置すれば、血管が傷つき合併症が発症するのも時間の問題と

 いうことになる。

(2007年2月5日 毎日新聞より抜粋)

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