『ナイロビの蜂』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000HEZ4BY&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
この映画も評判よかったり悪かったり、人によって反応がいろいろ違いますよね。なんでかな?と思ってたんだけどみて納得。
メインヴィジュアルやタイトル(原題『THE CONSTANT GARDENER』)から受けるイメージは「ラブストーリー」なんだけど、物語の内容は産業犯罪サスペンス。けどラブストーリーとしてもサスペンスとしてもこの映画はややストレートすぎるし、イマイチ説明不足なのだ。
でもぐりはこれはこれでいいと思う。おそらくこの作品でいちばんつくり手がいいたかったのは、アフリカの貧困を外国企業や政治家が平然と食い物にしている現実を当の西欧社会側では誰も知ろうともしていない、無関心に対する警告だったのだ。
そのあまりにも重い題材を、映画という娯楽メディアで表現し観客の鑑賞に堪えうる作品に仕上げるのに、ラブストーリーとサスペンスという“話術”が必要だった。そういうテクニックにおいてはこの映画はかなり成功しているといえる。社会派ドラマを社会派ドラマとしてとりあげたのでは、社会派ドラマを敬遠する観客(カップルや家族連れで社会派ドラマを観る人はそうはいない)をまるごと逃がしてしまうことになる。ラブストーリーやサスペンスとして描けば、そういう定番ジャンルの映画を観たい観客ならいくらでもいる。
ただしこの映画にも欠点がある。
台本がベタ。ベタすぎます・・・会話があまりにも古くさくて眠い。台詞の印象が薄いために、平易な言葉で喋っているにも関わらず観ていて何度も集中力が途切れそうになる。人間関係が複雑なのでこれは結構イタイ。
それなのに映像に凝りすぎ。ドキュメンタリータッチにしたかったのか、全編ステディカム撮影で画面のコントラストをキツめにしたり彩度を上げたり下げたり、露出をオーバーにしたりアンダーにしたり、やたらに忙しくカットチェンジしまくったり、90年代のミュージックビデオみたいな映像になっているのだが、これがベッタベタの台本のテイストと明らかにミスマッチ。途中まではそれでもよかったんだけど長い映画だからだんだん飽きてくるし、最初から最後までずうっとだとさすがにくどいです。やりすぎだね。
音楽はとってもいいです。ちょっとサントラほしくなりました。それと出演者はどの人もすごくハマってて、いいキャスティングだと思います。まあレイチェル・ワイズの演技はオスカーものか?と訊かれると、それほどでもな・・・とゆー気もしなくもないですが。
アフリカの子どもたちがみんなムチャクチャかわいい。ぱっちりした目がキラキラしてて、笑顔が愛くるしくて、画面に映ってるだけで心洗われます。
実をいうとぐりはこの映画を観たかったのには理由があって、やはりケニアを舞台にしたドイツ映画『名もなきアフリカの地で』でファンになったシデーデ・オンユーロ(IMDb)が出てたから(笑)。
この人はケニア出身で一時期アメリカでも俳優活動をしてたんだけど、今は故郷のヴィクトリア湖の傍に住んでいて、日本で彼の出演作にお目にかかることはまず滅多にない。去年ヴェネツィアに出品された時クレジットに彼の名前をみつけて一瞬トキメキましたが、日本の公式サイトには紹介されてないのでたぶんチョイ役だろーなーと思ってはいたんだけど、出番は少ないなりに結構おいしい役どころでした。相変わらずかっくいかったです。もっと映画に出てほしーなー。
題材はすごくよかったので、原作を今度読んでみようと思います。
しかしその前に調子こいて図書館で借りまくった本の山を崩さねばー。
原作レビュー:『ナイロビの蜂』 ジョン・ル・カレ著
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この映画も評判よかったり悪かったり、人によって反応がいろいろ違いますよね。なんでかな?と思ってたんだけどみて納得。
メインヴィジュアルやタイトル(原題『THE CONSTANT GARDENER』)から受けるイメージは「ラブストーリー」なんだけど、物語の内容は産業犯罪サスペンス。けどラブストーリーとしてもサスペンスとしてもこの映画はややストレートすぎるし、イマイチ説明不足なのだ。
でもぐりはこれはこれでいいと思う。おそらくこの作品でいちばんつくり手がいいたかったのは、アフリカの貧困を外国企業や政治家が平然と食い物にしている現実を当の西欧社会側では誰も知ろうともしていない、無関心に対する警告だったのだ。
そのあまりにも重い題材を、映画という娯楽メディアで表現し観客の鑑賞に堪えうる作品に仕上げるのに、ラブストーリーとサスペンスという“話術”が必要だった。そういうテクニックにおいてはこの映画はかなり成功しているといえる。社会派ドラマを社会派ドラマとしてとりあげたのでは、社会派ドラマを敬遠する観客(カップルや家族連れで社会派ドラマを観る人はそうはいない)をまるごと逃がしてしまうことになる。ラブストーリーやサスペンスとして描けば、そういう定番ジャンルの映画を観たい観客ならいくらでもいる。
ただしこの映画にも欠点がある。
台本がベタ。ベタすぎます・・・会話があまりにも古くさくて眠い。台詞の印象が薄いために、平易な言葉で喋っているにも関わらず観ていて何度も集中力が途切れそうになる。人間関係が複雑なのでこれは結構イタイ。
それなのに映像に凝りすぎ。ドキュメンタリータッチにしたかったのか、全編ステディカム撮影で画面のコントラストをキツめにしたり彩度を上げたり下げたり、露出をオーバーにしたりアンダーにしたり、やたらに忙しくカットチェンジしまくったり、90年代のミュージックビデオみたいな映像になっているのだが、これがベッタベタの台本のテイストと明らかにミスマッチ。途中まではそれでもよかったんだけど長い映画だからだんだん飽きてくるし、最初から最後までずうっとだとさすがにくどいです。やりすぎだね。
音楽はとってもいいです。ちょっとサントラほしくなりました。それと出演者はどの人もすごくハマってて、いいキャスティングだと思います。まあレイチェル・ワイズの演技はオスカーものか?と訊かれると、それほどでもな・・・とゆー気もしなくもないですが。
アフリカの子どもたちがみんなムチャクチャかわいい。ぱっちりした目がキラキラしてて、笑顔が愛くるしくて、画面に映ってるだけで心洗われます。
実をいうとぐりはこの映画を観たかったのには理由があって、やはりケニアを舞台にしたドイツ映画『名もなきアフリカの地で』でファンになったシデーデ・オンユーロ(IMDb)が出てたから(笑)。
この人はケニア出身で一時期アメリカでも俳優活動をしてたんだけど、今は故郷のヴィクトリア湖の傍に住んでいて、日本で彼の出演作にお目にかかることはまず滅多にない。去年ヴェネツィアに出品された時クレジットに彼の名前をみつけて一瞬トキメキましたが、日本の公式サイトには紹介されてないのでたぶんチョイ役だろーなーと思ってはいたんだけど、出番は少ないなりに結構おいしい役どころでした。相変わらずかっくいかったです。もっと映画に出てほしーなー。
題材はすごくよかったので、原作を今度読んでみようと思います。
しかしその前に調子こいて図書館で借りまくった本の山を崩さねばー。
原作レビュー:『ナイロビの蜂』 ジョン・ル・カレ著