落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ダメ人間の休日

2006年05月07日 | movie
『緑茶』
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観てきたよー。
前作の『我愛你』もそーですが、とにかくよく喋る中国人の特性を極端にデフォルメした濃密な会話劇。またしても主要な登場人物は2人だけ、他の人物は背景に毛が生えたような扱いで、ほとんどのシーンとストーリー展開がメインの男と女の二人劇で成り立ってて、ものすごく舞台っぽいです。張元(チャン・ユアン)の名を一気に広めた傑作『東宮西宮』も舞台化されてるし(てゆーか元が戯曲なの?)、この監督は二人劇、会話劇というスタイルにこだわってるのかな?
ただこういう映画が好きか?と聞かれるとどーかなー?とゆー気もする。会話劇って観てる人間にも集中力を要求するからけっこう疲れる。しかもこの『緑茶』で軸になっているのは「女性の神秘性」なので、当の女性の視点から観てしまうとそこの軸がかなりどうでもいい(爆)。つまり『我愛你』での「夫婦の将来」とか、『東宮西宮』での「主人公と警官の関係の変質」といったスリルが、『緑茶』には微妙に足りない。
また映画全体の中で非常に重要な位置を占める「女性の神秘性」の全てが趙薇(ヴィッキー・チャオ)の魅力と演技にかかっているのだが、それもどーなのー?とゆー。呉芳(趙薇)と朗朗(趙薇・二役)が同一人物なのか別人なのか、とゆーギミックも古くさすぎ。いや脚本も演出もよくできてるし、趙薇は確かにすごくかわいいんだけどねえ。声と喋り方が菅野美穂ソックリとゆーことに気づき(爆)。顔もちょっと似てるよーな。でもなー。ミステリアスではないよなあ。アイドルももう30歳、そろそろ演技派として脱皮せんといかんのでは(余計なお世話)。

撮影がクリストファー・ドイルだけあって、映像がオシャレ度満点っす。ロケ地もおそらく北京の最新スポットを使ってるのでしょー。すてきな場所ばっかりです。
だからファッショナブルなアートムービーとしての完成度はまあまあだけど、肩の力を抜いて気楽に楽しむ娯楽映画としてはイマイチ重いし、じゃあ社会的・文学的テーマを考えさせてくれるかっつーとそれほどでもない。
観て損とゆーこともないけど、「そこそこ」って感じでしょーか。とくに出来が悪いとかそういうことではないんだけど、「いい映画」ってほどのこともなく。若い人になら割りとオススメかも。あと趙薇ファンはおいしいね。でずっぱりだもん。どアップのサービスショットも満載で。
おっさん好きぐりとしては、姜文(チアン・ウェン)がなんだか若々しくてカワイかったです(笑)。