『出エジプト記』
彭浩翔(パン・ホーチョン)、サイコー。天才。毎回思うけど、今回は、間違いない(古)。この人、ヤバいですよ。
この物語を思いついた直接のきっかけは、子どものころから「どうして女の子は誘いあわせて連れ立ってトイレにいくのか?」とゆーのがとっても疑問だったことだそーだが、それだけなら誰でも思いつく。ぐりだって不思議だ(ぐりは“連れトイレしない派”だった)。
けどそこから「もしかしたら男に聞かれたらまずい陰謀でもあるんじゃないか」なんて妄想が膨らんで、挙句にこんな傑作娯楽映画をつくっちゃうってのはまったくフツーじゃない。そんなことあるわけないでしょ!
だからこの映画は見た目はすっごくシリアスなサスペンスなんだけど、設定がコメディなんだよね。たまたま主人公ジム(任達華サイモン・ヤム)が尋問したトイレの覗き犯(張家輝ニック・チョン)が「女が男を殺す計画の打合せをしていないか捜査していた」と供述したところから物語は始まる。そんなことあるわけない。彼は覗きでつかまった言い訳に奇想天外な作り話をしているだけだ。フツーはそう思う。
ところが、映画の冒頭のシュノーケルと足ひれをつけた水着の警官たちが容疑者をリンチするシーンは、実際に香港の警察でかつて行われていた拷問方法を再現した映像だという(監督の父親が以前警察の仕事をしていて聞いた話だそうだ)。つまり、裁判で容疑者が警察の取調べ方法が違法だと主張しようとしても、水着の警官たちにボコられたなんて証言は裁判官が信じてくれない。そんなことあるわけないでしょ、と。
この「そんなことあるわけない」な実話と、「女はトイレでなにをしているのか」というナゾが結びついちゃうってのが天才の天才たる所以だよね。フツー結びつきませんから。
ストーリーがシンプルなぶん、シナリオも演出も無駄を極力そぎ落とした、非常にストイックな映画にもなっている。
任達華なんか全然喋らない。セットには装飾品がほとんどない。エキストラも必要最低限しか使われていない。この何もなさが画面の緊張感をさらに高めているのだが、実はこういうシンプルな画面をきちんと演出するのにはものすごい技術とセンスが問われる。いろんなモノや情報を加えて画面を満たして間を持たせるのは誰にでもできる。
劉心悠〈アニー・リウ〉はきれいだけど色気もそっけもなくて女優というよりモデルのようだけど、この異様な「さっぱり感」がまた作品の世界観とちゃんとあっている。演技も意外に(爆)上手いし。
任達華はあいかわらずセクシーだよね。喋らないしさほどエロなシーンがあるわけじゃないのにしっかりフェロモンむんむんでございます。ステキ。やっぱ男は50代だよね(確信)。
彭浩翔(パン・ホーチョン)、サイコー。天才。毎回思うけど、今回は、間違いない(古)。この人、ヤバいですよ。
この物語を思いついた直接のきっかけは、子どものころから「どうして女の子は誘いあわせて連れ立ってトイレにいくのか?」とゆーのがとっても疑問だったことだそーだが、それだけなら誰でも思いつく。ぐりだって不思議だ(ぐりは“連れトイレしない派”だった)。
けどそこから「もしかしたら男に聞かれたらまずい陰謀でもあるんじゃないか」なんて妄想が膨らんで、挙句にこんな傑作娯楽映画をつくっちゃうってのはまったくフツーじゃない。そんなことあるわけないでしょ!
だからこの映画は見た目はすっごくシリアスなサスペンスなんだけど、設定がコメディなんだよね。たまたま主人公ジム(任達華サイモン・ヤム)が尋問したトイレの覗き犯(張家輝ニック・チョン)が「女が男を殺す計画の打合せをしていないか捜査していた」と供述したところから物語は始まる。そんなことあるわけない。彼は覗きでつかまった言い訳に奇想天外な作り話をしているだけだ。フツーはそう思う。
ところが、映画の冒頭のシュノーケルと足ひれをつけた水着の警官たちが容疑者をリンチするシーンは、実際に香港の警察でかつて行われていた拷問方法を再現した映像だという(監督の父親が以前警察の仕事をしていて聞いた話だそうだ)。つまり、裁判で容疑者が警察の取調べ方法が違法だと主張しようとしても、水着の警官たちにボコられたなんて証言は裁判官が信じてくれない。そんなことあるわけないでしょ、と。
この「そんなことあるわけない」な実話と、「女はトイレでなにをしているのか」というナゾが結びついちゃうってのが天才の天才たる所以だよね。フツー結びつきませんから。
ストーリーがシンプルなぶん、シナリオも演出も無駄を極力そぎ落とした、非常にストイックな映画にもなっている。
任達華なんか全然喋らない。セットには装飾品がほとんどない。エキストラも必要最低限しか使われていない。この何もなさが画面の緊張感をさらに高めているのだが、実はこういうシンプルな画面をきちんと演出するのにはものすごい技術とセンスが問われる。いろんなモノや情報を加えて画面を満たして間を持たせるのは誰にでもできる。
劉心悠〈アニー・リウ〉はきれいだけど色気もそっけもなくて女優というよりモデルのようだけど、この異様な「さっぱり感」がまた作品の世界観とちゃんとあっている。演技も意外に(爆)上手いし。
任達華はあいかわらずセクシーだよね。喋らないしさほどエロなシーンがあるわけじゃないのにしっかりフェロモンむんむんでございます。ステキ。やっぱ男は50代だよね(確信)。