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落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

全く日本人はシャイで困るぜ

2004年11月28日 | play
舞台『喪服の似合うエレクトラ』を観て来ました。

南北戦争直後のニューイングランド。地元の名家のひとり娘でファザコンのヒロイン(大竹しのぶ)、戦傷で頭の具合がおかし?ュなったマザコンの弟(堺雅人)、不倫に溺れ夫殺しを計画する母(三田和代)、母親を見殺しにした父家への復讐に燃える男(吉田鋼太郎)?B
ギリシャ悲劇『オレステイア』を下敷きにノーベル文学賞を受賞したユージン・オニールによる戯曲。

面白かったですー。4時間が全然長く感じなかった(休憩もあったので正味の上演時間は3時間余り)。
もーね、ドロドロですわ。それもハンパなくドロドロ。だって誰ひとり本当は自分がどうしたいのか、明確な目的意識を持っていない。全員が行き当たりばったりに悪意で行動するもんだから、血の繋がった家族同士でそこまでやるかフツー?ってくらい見事にドロドロになります。
大竹しのぶはやはりスゴイです。大女優だ。演技むちゃくちゃウマイです。素晴しい。堺雅人も負けてない。ふたりとも怖いような迫真の演技です。
演技があまりに真に迫ってたせいか、超シリアスなシーンで観客ウケまくり。なぜそこで笑う?と云うポイントで結構皆さん大爆笑してました。雰囲気台無しでぐりひとりで憤慨。
新国立劇場中劇場ったら1000席以上もある大箱だし観客の年齢層も高めだったから、ヘンな客はいないだろうとぐりは勝手に思ってたけど、やっぱ日本人は期待以上にリアルな演技には拒否反応があるのかもしれない。そんで見てて恥ずかしいものには反射的に笑ってしまうのも日本人の特性なのでしょー。アンタらTVの見過ぎなんだっつの(日本のTVの芝居はそんなに真に迫ってなくても許されるもんね)。

それとぐりが不満だったのは衣装や舞台装置に芸がなかったこと。ぶっちゃけダサかったです。
舞台装置はセットが回転したり次々違うセットが出て来たりしてカネと手間はかかってるらしいのは分かるんだけど、デザインにセンスはないし古臭いし、お金をかけただけなんだか空々しく感じました。あれだけ立派な舞台なのに勿体ない。
まぁ大竹しのぶと堺雅人の名演が観れただけで満足しときましょう。今後このふたりの舞台があったらまた観たいなぁ。