金榮山徳正寺住職のトラ・バスの香り

阿弥陀さまとクルマとSTARDUST REVUEをこよなく愛する住職がつぶやく日常

迷い鳥

2016年07月05日 19時30分00秒 | 日々あれこれ
ス~ッと行けばいいのに・・・


今日も厳しき暑さでした。
ジッとしていても汗がジワ~って感じ、
嫌いじゃありません。

徳正寺の本堂は朝から夕方まで戸や窓全開です。
ちっとは涼しくしとかんと阿弥陀さまに申し訳がありません。
人間は暑いだ寒いだとエアコンだ扇風機だと涼を求める。

仏さまのことはほっとけさまで・・・

ある妙好人は留守にしていた家に入るなり
お仏壇にお掛けしてある阿弥陀さまの絵像を外し
急いで外に掛け団扇で扇いだそうです、

「親さま、暑かったことでございましょう!」って。

何も阿弥陀さまが涼を求めているわけではないのです。
でも、どこまでも自分大事が知れたとき
その私を案じて下さる親心に感謝せずにはおれなかったのでしょう。


あるお寺にお参りさせていただきました。
ひと時、きれいにされている本堂外陣に座っていました。
すると、一羽の鳥が堂内に入り込みました。
それからはしばらく外陣を飛び回り
照明器具や欄間に止まりながら
さてどうしたものかと考えている・・・そんな様子。

今でこそ徳正寺の本堂に鳥が入ることはなくなりました。
網戸という強力な力をいただきましたので。
それまではここのお寺のようにしょっちゅう入っていたことです。
入ってしまうとお仏具を傷めたり汚したりしますので
急いで出してやろうと苦心惨憺するのですが
分かってもらえず尚のこと飛び方が荒くなったりしました。

そこのご院家が仰られます、
「ス~ッと出ればいいのにね・・・」

当時、どれだけコイツも思ったことか、
「何でそこが開いているのに出れないんだ!」って。
そんなことを思ってはいつもコイツと同じだって思ったことです。

阿弥陀さまの眼にはどれだけもどかしいコイツの生き方が映っていることでしょう。
ス~ッとそのまま来ればいいのに
真直ぐな道であればあるほど
寄り道ばかりしているようなコイツの生き様。

申し訳ないことです。

どれだけ外陣を飛び回ったことでしょう。
何とか空いている戸から偶然に飛び出しました。

「お~、出た出た!」

安心したのもつかの間、
汚された外陣を急いで掃除されていました。


何とか円かに収まるようにと頭を抱えるように案じて下さるはたらきがある。
その姿の有り難いこと・・・

分かってもらえない切なさよ・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする