(2)歌人それぞれの朗読の構成、演出を楽しめる
各歌人はそれぞれ3~10分程度の時間を持って朗読を行っている。
解説等には特に書かれていないが、その持ち時間内での構成や演出(どの歌を読むか、どのように読むか)は、各歌人に任されているようだ。
当然といえば当然かもしれないが、各歌人はその中で、自分の代表歌(と世間が見ているもの)を必ずしも歌わない。
与謝野晶子は
「やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君」
を歌っていないし、北原白秋も
「君かへす朝の舗石さくさくと 雪よ林檎の香のごとく降れ」
を入れていない。
穂村弘の朗読には
「ブーフーウー」「象のうんこ」「終バスの『降りますランプ』」
は含まれていないし、俵万智は歌集『サラダ記念日』から歌を選んだが、その中には
「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」
は入らなかった。
各歌人が構成した「数分間の宇宙」には、これらの歌はそぐわないと判断されたのだろう。
そのようにして選んだ歌を、歌人は各々工夫を凝らして読む。
塚本邦雄は笛、前登志夫はピアノ、佐々木幸綱はギターの調べに乗せて、自作を朗読した。
寺山修司は音楽、読み方、エコー等を駆使し、朗読を映画のように仕立てた。
岡井隆は、語句の説明、ポイントの繰り返しなどで、朗読会の雰囲気を醸し出した。
池田はるみは大阪弁を操り、独自の世界を作り上げた。
三枝昴之は詞書の朗読に女性を配した。
小島ゆかりはあえて長歌と反歌を歌った。
もちろん、小池光のように、何の仕掛けも衒いもなく淡々と朗読を行った人もたくさんいる。それこそが自分の歌をもっともうまく表現できるのだと言うように。
各歌人はそれぞれ3~10分程度の時間を持って朗読を行っている。
解説等には特に書かれていないが、その持ち時間内での構成や演出(どの歌を読むか、どのように読むか)は、各歌人に任されているようだ。
当然といえば当然かもしれないが、各歌人はその中で、自分の代表歌(と世間が見ているもの)を必ずしも歌わない。
与謝野晶子は
「やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君」
を歌っていないし、北原白秋も
「君かへす朝の舗石さくさくと 雪よ林檎の香のごとく降れ」
を入れていない。
穂村弘の朗読には
「ブーフーウー」「象のうんこ」「終バスの『降りますランプ』」
は含まれていないし、俵万智は歌集『サラダ記念日』から歌を選んだが、その中には
「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」
は入らなかった。
各歌人が構成した「数分間の宇宙」には、これらの歌はそぐわないと判断されたのだろう。
そのようにして選んだ歌を、歌人は各々工夫を凝らして読む。
塚本邦雄は笛、前登志夫はピアノ、佐々木幸綱はギターの調べに乗せて、自作を朗読した。
寺山修司は音楽、読み方、エコー等を駆使し、朗読を映画のように仕立てた。
岡井隆は、語句の説明、ポイントの繰り返しなどで、朗読会の雰囲気を醸し出した。
池田はるみは大阪弁を操り、独自の世界を作り上げた。
三枝昴之は詞書の朗読に女性を配した。
小島ゆかりはあえて長歌と反歌を歌った。
もちろん、小池光のように、何の仕掛けも衒いもなく淡々と朗読を行った人もたくさんいる。それこそが自分の歌をもっともうまく表現できるのだと言うように。
連作の構成って難しいと思うのですが、たとえば別々の連作に入っていた歌がならべかえられて朗読のための一連ができあがる、というようなことも短歌ならではでわくわくします。
個人的に、白秋は「桐の花」じゃなくてよかった~(笑)中学のときから好きな歌集だったので、おじいさん声であの節回しで聞いたら、乙女の夢が壊れるところでした。
寺山修司はさすが演出がうまいというか、色彩がうかびますね。大正琴がわびしくてすてき。(ああ、これも「海を知らぬ少女の前に……」あたりのさわやかなセレクトじゃなくてよかった。)でも、あえて若いときの歌を選んだという木俣修の註の文章はかっこええ、と思いました。
あくまで聴き手としての好みですが、あまりに二枚目だったり声に感情がこもってたりするのは苦手で、聞いて辛かったのもあります。とはいえ福島泰樹さんは別格で(笑)もうテキストの時点で、あの声であんなふうに読まれるために書かれている、という感じではまりました。(って先日関西のひみつ集会で言ったら、意外な組み合わせだったみたいで「すぎなさんと絶叫短歌??」ってかなり笑われましたが。)でもCD「革命」も買ってしまったの……韻律は魔物や、と思います(汗)
選び方で性格判断が出来るかも。
本文でも書きましたが、自分の声と構成の仕方には密接な関係があると思います。
やはり、歌人は耳が鋭敏なんでしょうね。
でも、この際だから「君かへす」や「やは肌の」も、あの声で聴いてみたかったかもしれない。
すぎなさんと「短歌絶叫コンサート」は、確かに意外な組み合わせです。
(今度、自作でやってみてくれませんか?聴いてみたい。)
僕はこの集成で初めて聴いたので、正直言ってひっくり返ってしまいました(こんなのありか!?)。
慣れるとクセになりそうな…というところが怖い。
ところでそーか、関西ではそんなひみつな集会をやってるのか。
もちろん、まだまだ続きますよね?楽しみにしています。
普段は普通のおばちゃんの声です……友人によると「営業用の声」があるらしいです。前にイベントの余興?で詩の朗読はやったことがありますが、ちょっと年上のおっちゃんに「森田童子に似ているねえ」と嬉しそうに言われました
書いてると次々書きたいことが出てきますね。またひょっこりつづくかも。
関西にもぜひ一度お越しください。
いつか関東しらすピザ集会もしたいものです(笑)
僕は昔、しゃべり方がデーモン小暮に似ていると言われたことがあります。地なんですけどね。
しらすピザ集会、やりたいですねえ。関西にも行きたいな。
穂村さんの講座でもやらないかな。
『集成』の感想も、どんどこ続けてください。
お待ちしております!