はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年10月10日 18時43分41秒 | 日詠短歌

2012/9/10(月)
   今の通勤路には、花屋が四軒ある。

 十四五のつぼみの青を貯えて鉢にしずまる竜胆 風が


9/11(火)
   ビールも、味わって飲む季節になりつつあるか。

 首振りのボタンを上げて風を受け続けた夜も葉のさえずりも


9/12(水)
   今年は、夏休みを取りきれなかった。

 虚しいと指さすだろう部屋のなか返事を待ってよむ呟きを


9/13(木)
   同じセブンイレブンでも店舗が違えば、置いてあるビールの銘柄も微妙に違う不思議。

 おさな子を横抱きにゆくひと過ぎてまだ青々と苦瓜の蔦


9/14(金)
   愉しくてならぬ歌作を苦しなど書きたる日より告白憎む
    (杉山隆)

 心臓に乾いた声の引き掛かる朝はリーゼをひとつ増やせば
 (リーゼは、軽度の抗不安薬)


9/15(土)
   まだ暑いが、空の色は少しずつ薄れている。

 ひと巡りしたってことか仰いでも葉の裏だけを見せる楠木


9/16(日)
   何でかう蝉はしづかに遠く鳴くものかされど夕蝉ふいに近づく
    (『蝉声』 河野裕子)

 うた声がきみにとどいてほしいから夕蝉色のルージュをひいて


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