校庭の角で唇噛みしめる天下無敵の鉄棒少女
野良ゆうき (野良犬的)
読み方が、いくつかありますね。
鉄棒なら誰にも負けない少女が新技に(あるいは基本的な技に)失敗し、
悔しがっている。
あるいは、かけっこや言い争いに負け、「鉄棒なら…」と思っている、
とか。
他にもいろいろあるのでしょうが、いずれにしても一芸に秀でた人は負
けず嫌いですよね。
それが魅力でもあり、あるときはマイナスにもなるのですが。
---------------------------------------------------------------
あんぱんを噛んだ形の美しさ些細な場所に愛は佇む
みにごん (MINI'S LIFE blog)
好きな人は噛み跡さえも美しい、と最初は読んでしまいましたが、そう
ではなく、その人のあんぱんを噛んだ形を見て、「ああ、美しいなあ」
と思ってしまったのですね。
これが恋愛に発展するかどうかはともかく、こういった形の「愛」は、
びっくり箱のように日常に潜んでいるのでしょう。
---------------------------------------------------------------
噛み終えたガムを譜面の一枚に包んで放り投げる日曜
佐原みつる (あるいは歌をうたうのだろう)
佐原さんの歌は、いつも「リズムがよいなあ」と思います。
意味を考えるよりも、まず何度も口ずさみたくなるような。
で、口に出した後に、ちょっと「ん?」と立ち止まるところがある。
この歌で言えば「譜面」。なかなか見つけられない言葉ですよね。
これが、歌人の穂村弘さん言うところの「くびれ」なのでしょうか。
---------------------------------------------------------------
あぎあぎと噛めば毛糸は甘くなりからまってゆく君の首筋
西宮えり (aglio-e-olio)
子どものころ、毛糸に限らずよく糸って噛んだ記憶があります。
噛んでいくうち微妙な味がしてくるんですよね。
本当に甘いわけじゃないけれど、あの味がよみがえってくるような気
がします。
下二句は、残念ながら読み切れませんでした。
雰囲気としては伝わってくるものがあるんですが…。申し訳ありません。