わたくしの宝石になる秘密です男のひともあんなして泣く
ハナ (象の求愛ダンス)
え、ええっと、「あんなして」って、どんなして泣いたっけな…。
と、全く関係ないのに、一瞬あせって考えてしまいました。
そのくらい、下二句におだやかなパワーがあります。
「宝石になる秘密」をお互い持っている関係って、素敵ですよね。
でも(くだらない男の見栄ですが)くれぐれもひとつ、秘密にして
やってください、ね。
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秘密にするわけでもないが言うほどのことでもなくて二階に上がる
西中眞二郎 (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
「秘密」の発生段階ですね。
隠すつもりもないんだけど、わざわざ言うのも変だから放っておくと、
それがだんだん積もってきて、ちょっと深刻になっていく。
思春期の子どもと親の間の出来事でしょうか。
夫婦や恋人同士でも当てはまりそうですが、「二階に上がる」という
表現が、ちょっとそれっぽく思えました。
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遠ざかる子供の声を見送って秘密基地にも夕闇せまる
佐田やよい (言の波紋)
作りました、秘密基地!
そこら中からがらくたを集めてきて、風が吹いただけでも壊れそうな
のを建てて、暗くなるまでみんなでそこにいて。
家に帰った後も、「あの基地は今頃どうしてるだろう」とふと思ったり。
そんな子どもの時の気持ちを、基地の側に視点を移して、見事に表現し
てくれました。
ひょっとしてこの基地、壊れて飽きられて放ったらかしにされたのかな?
そう思うと、なおさら胸に浸みます。かつて自分も同じ事をしただけに。
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校庭の桜の幹の裏側に卵を産んだ 誰にも秘密の
素人屋(素人屋雑貨店)
この卵産んだの、あなたじゃないですよね?
文字通り主体が桜の幹に卵を産み付けたとすると、とても中村好みの世界
なのですが(ぞくぞく)、ちょっと一般向きではないかもしれない。
「卵」を〈宝物〉と解釈すると、タイムカプセル、未来に孵化して自分の
宝物となる、ということでしょうか。
でも、やっぱり…(ぞくぞく)