自転車もバイクもシクロも自動車も嗚呼いつせいに奔るハーノイよ
髭彦 (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
ベトナムには惜しくも行ったことはありませんが、東南アジアの交通事情は、
ある種F1レースのおもむきがありますよね。
で、人はどうかというと、これも負けていない(これが一番?)
このエネルギーを失って久しい極東人は、「嗚呼」と言うしかないのです。
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自転車に藤吉郎をしたがへて信長われは河土手をゆく
春畑 茜 (アールグレイ日和)
素直に読めば、ガキ大将とその側近(それとも飼い犬)。
でもここは字義どおり、信長が現代によみがえった、あるいは自転車が
戦国時代にタイムスリップした、と読む方が遙かに楽しいです。
「遅れるな、猿!」「おやかたさまぁぁ!」
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君の背を小さくつかみ自転車の荷台にすわる完熟トマト
水沢遊美 (ふんわりんさまの想ひ人)
どうも僕には、言葉そのとおりに読んでしまう癖があるようで、
この歌も、ちっちゃなトマトが懸命に、前の人の服を掴んでいる、
といったイメージが頭を離れません。
そう思わせてしまう、この歌の力に頭が下がります。
これほど必死についてきたトマト、あだやおろそかには食べられ
ませんよね。
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みずからの影を轢きつつ自転車の少年ななめに校庭を裂く
水須ゆき子 (ぽっぽぶろぐ。)
水須さんの歌を読むといつも思うのですが、体温を感じさせる言葉の中から、
一瞬きらりと、あるいはヒヤリとさせる何かが飛び込んでくる心地がします。
この歌も、一読して袈裟斬りにでもあったような感触を憶えました。
この感触を繰り返し味わいたい。そんな歌です。
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おもいきり踏んだペダルを踏みはずす。自転車なんて嫌いだ。恋も。
野良ゆうき (野良犬的)
がくんという衝撃。空回りするペダル。ひっかけた足に残る痛み。
まざまざと伝わってきます。
自分が全て悪いだけに、余計に腹が立つ。恋も。
3つの「。」が、事件と思考との、微妙な間を物語っています。
髭彦 (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
ベトナムには惜しくも行ったことはありませんが、東南アジアの交通事情は、
ある種F1レースのおもむきがありますよね。
で、人はどうかというと、これも負けていない(これが一番?)
このエネルギーを失って久しい極東人は、「嗚呼」と言うしかないのです。
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自転車に藤吉郎をしたがへて信長われは河土手をゆく
春畑 茜 (アールグレイ日和)
素直に読めば、ガキ大将とその側近(それとも飼い犬)。
でもここは字義どおり、信長が現代によみがえった、あるいは自転車が
戦国時代にタイムスリップした、と読む方が遙かに楽しいです。
「遅れるな、猿!」「おやかたさまぁぁ!」
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君の背を小さくつかみ自転車の荷台にすわる完熟トマト
水沢遊美 (ふんわりんさまの想ひ人)
どうも僕には、言葉そのとおりに読んでしまう癖があるようで、
この歌も、ちっちゃなトマトが懸命に、前の人の服を掴んでいる、
といったイメージが頭を離れません。
そう思わせてしまう、この歌の力に頭が下がります。
これほど必死についてきたトマト、あだやおろそかには食べられ
ませんよね。
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みずからの影を轢きつつ自転車の少年ななめに校庭を裂く
水須ゆき子 (ぽっぽぶろぐ。)
水須さんの歌を読むといつも思うのですが、体温を感じさせる言葉の中から、
一瞬きらりと、あるいはヒヤリとさせる何かが飛び込んでくる心地がします。
この歌も、一読して袈裟斬りにでもあったような感触を憶えました。
この感触を繰り返し味わいたい。そんな歌です。
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おもいきり踏んだペダルを踏みはずす。自転車なんて嫌いだ。恋も。
野良ゆうき (野良犬的)
がくんという衝撃。空回りするペダル。ひっかけた足に残る痛み。
まざまざと伝わってきます。
自分が全て悪いだけに、余計に腹が立つ。恋も。
3つの「。」が、事件と思考との、微妙な間を物語っています。