保育園帰りの幼児二、三してランチボックス振りつつ「からっぽ!」
船坂圭之介 (kei's anex room)
正直、「二、三して」がちょっと読みづらかったです。
二、三人の幼児という意味でしょうか。時間(拍子)?
下二句は、雰囲気出まくりです。
得意満面の笑顔が、目に見えるようです。
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浅春に風を生みつつからつぽの終バスが夜のぬばたま運ぶ
丹羽まゆみ (All my loving ♪)
「ぬばたま」は黒や夜などにかかる枕詞。
かかる言葉の後に来るのは珍しいですが、この歌の場合、それが成功
しています。
「ぬばたまの夜を運ぶ」より、断然こちらの方がいい。固形物を運ん
でいるような雰囲気が出ています。
「浅春」という表現も、すごく伝わってくるものがあります。
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厳重に仕舞われていた真四角の箱にあふれるほどのからっぽ
青野ことり (こ と り の ( 目 ))
漢字とひらがなの対比が、まず素晴らしいです。特にひらがなの使い方。
視覚で「からっぽがあふれている」状態を表現しています。
冷静に読むと、やっとこじ開けた箱に何も入っていなくて「なーんだ」
なのでしょうが、何回も読むうちに、その瞬間、主体は笑みさえ浮かべ
たのではないか、と感じました。
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からっぽになった飴缶に水を入れ甘い色水さし出す兄は
島田久輔 (裏庭のきりぎりす)
「飴缶」というと自動的に〈ほたるの墓〉を思い出してしまう私ですが、
それはともかく。
「からっぽ」は、ただからっぽではないということを証明したお兄さん
に、妹(を連想してしまいます、やはり)が向ける尊敬のまなざし。
ブリキの缶からちょっとずつちょっとずつ飲む、小さな口を思い浮かべ
ます。
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産み終えてからっぽとなり・・・わたくしに満ち満ちてくる獣の母性
素人屋 (素人屋雑貨店)
残念ながら男なので、出産された女性の心理は実感できないのですが。
でも、そんな僕にも充分に伝わってくる迫力が、この歌にはあります。
「獣の母性」という言葉からもですが、むしろ「からっぽとなり」とい
う言葉の喪失、虚脱、空白。「わたくしに」の覚醒、復活、自覚。その
間の「・・・」が示す変換。
これらが一体となって、こちらに迫ってくるからではないでしょうか。
女性は、すごい。
船坂圭之介 (kei's anex room)
正直、「二、三して」がちょっと読みづらかったです。
二、三人の幼児という意味でしょうか。時間(拍子)?
下二句は、雰囲気出まくりです。
得意満面の笑顔が、目に見えるようです。
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浅春に風を生みつつからつぽの終バスが夜のぬばたま運ぶ
丹羽まゆみ (All my loving ♪)
「ぬばたま」は黒や夜などにかかる枕詞。
かかる言葉の後に来るのは珍しいですが、この歌の場合、それが成功
しています。
「ぬばたまの夜を運ぶ」より、断然こちらの方がいい。固形物を運ん
でいるような雰囲気が出ています。
「浅春」という表現も、すごく伝わってくるものがあります。
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厳重に仕舞われていた真四角の箱にあふれるほどのからっぽ
青野ことり (こ と り の ( 目 ))
漢字とひらがなの対比が、まず素晴らしいです。特にひらがなの使い方。
視覚で「からっぽがあふれている」状態を表現しています。
冷静に読むと、やっとこじ開けた箱に何も入っていなくて「なーんだ」
なのでしょうが、何回も読むうちに、その瞬間、主体は笑みさえ浮かべ
たのではないか、と感じました。
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からっぽになった飴缶に水を入れ甘い色水さし出す兄は
島田久輔 (裏庭のきりぎりす)
「飴缶」というと自動的に〈ほたるの墓〉を思い出してしまう私ですが、
それはともかく。
「からっぽ」は、ただからっぽではないということを証明したお兄さん
に、妹(を連想してしまいます、やはり)が向ける尊敬のまなざし。
ブリキの缶からちょっとずつちょっとずつ飲む、小さな口を思い浮かべ
ます。
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産み終えてからっぽとなり・・・わたくしに満ち満ちてくる獣の母性
素人屋 (素人屋雑貨店)
残念ながら男なので、出産された女性の心理は実感できないのですが。
でも、そんな僕にも充分に伝わってくる迫力が、この歌にはあります。
「獣の母性」という言葉からもですが、むしろ「からっぽとなり」とい
う言葉の喪失、虚脱、空白。「わたくしに」の覚醒、復活、自覚。その
間の「・・・」が示す変換。
これらが一体となって、こちらに迫ってくるからではないでしょうか。
女性は、すごい。