予てから企業売却に関して交渉を続けてきたそごう・西武の労働組合と親会社のセブン&アイ・ホールディングスの交渉が決裂し、今日、組合は西武池袋本店でストライキを敢行した。
大手百貨店でのストライキは、1962年5月に当時の阪神百貨店で実施されて以来61年ぶりとなる。
2022年11月、セブン&アイ・ホールディングスが、そごう・西武を米投資ファンドに売却すると発表したことだ。
小売・流通アナリストは、売却交渉が進む中で、「売却後の雇用について明言されず、ここまでもつれた」と指摘する。
ストライキが行われている中で、セブン&アイ・ホールディングスは当該米投資ファンドへの売却を決定、明日9月1日を以って売却されることになった。価額は2200億円という。
売却先の投資ファンドは、そごう・西武が持つ池袋、渋谷、千葉の不動産を、提携先であるヨドバシカメラに売却する計画だという。
ヨドバシに売却された場合、百貨店としての売場は大幅に縮小、さらには切り売りされて消滅する可能性もある。そうなれば、そごう・西武の従業員の雇用に大きな影響が出ることは避けられない。
今回のストライキの争点もこの点にあり、ストライキが行われている中で、言わば問答無用の形で売却が決定した。
今後、そごう・西武従業員の雇用がどのように守られるのか、現状は暗中模索の状態に陥っていないか危惧される。