10月30日、ベトナムのハノイで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)で、菅直人首相と中国の温家宝首相との会談が10分間行われた。菅、温両首相の会談は、10月4日(日本時間5日未明)ベルギーのブリュッセルで行われたアジア・欧州会合(ASEM)で25分間、廊下での会談に次ぎ、尖閣諸島問題後2度目になる。
今回は、あらかじめ、予定していた会談を、中国側が一時キャンセルして、いっそう両国関係の悪化が危惧されたが、形としては、中国側が歩み寄って10分間という短い時間ながら、何とか格好をつけた感じだ。
中国が、首脳会談を一時ドタキャンした理由については、さまざまな憶測が流れているが、最大の理由は、中国国内のデモに対する配慮と、そのデモにさらに油を注ぐような、前原誠司外相とアメリカのヒラリー・クリントン国務長官の会談で、クリントン国務長官が、尖閣諸島問題は、日米安保第5条に含まれるとの見解を表明したことにあるようだ。
何れにしても、中国国内の反日デモは、へたをすると反政府デモに発展する要素を含んでいるとか、日中の経済関係は、菅首相の言葉を借りると、「一衣帯水」の関係にあり、両首相同士の会談が出きるか、出きないかの単純な問題ではない。つまり、もう離れられない関係になっている。
どうも、一連の推移を見ると、北朝鮮が中国に対してダダをこねているように、日中関係では、中国が我が国にダダをこねている感じだ。その意味で、北朝鮮に対しては中国が大人の立場で接しているように、中国に対しては、日本が冷静に大人の対応を行うべきである。 その点、我が国における閣僚を含めた国会議員や民間の保守層が、やたらに中国を刺激するような言動を発していることは、大人げないと言うべきだ。
また、尖閣諸島問題で、クリントン国務長官が我が国寄りの発言をしたことは、当然なことを言っているだけだが、一時、アメリカが我が国を飛び越えて中国と緊密になりそうだと、マスメジェアなどがやきもちをやいたが、アメリカがそんなことないことを示したことで、一安心した向きもあろう。しかし、アメリカが、中国重視の政策を変えたわけではないと思うし、あくまでも外交は、国家間の利害得失を展望した上で、先の先を見据えた冷静沈着な対応をしなければならない。
自民党の山本一太参議員が民主党の外交はアマチャだと揶揄したが、民主党がそれに反発する材料はないにしても、それでは、今までの自民党外交がプロかというと、そんなことはないと思う。今までの外交を含めて、我が国外交は拙劣であることは前から言われていたことであり、中国が、北朝鮮には大人、日本に対しては子供を装った巧妙な対応をしていることに、その奥の奥をもっと見据えるべきである。「関連:10月11日」
今回は、あらかじめ、予定していた会談を、中国側が一時キャンセルして、いっそう両国関係の悪化が危惧されたが、形としては、中国側が歩み寄って10分間という短い時間ながら、何とか格好をつけた感じだ。
中国が、首脳会談を一時ドタキャンした理由については、さまざまな憶測が流れているが、最大の理由は、中国国内のデモに対する配慮と、そのデモにさらに油を注ぐような、前原誠司外相とアメリカのヒラリー・クリントン国務長官の会談で、クリントン国務長官が、尖閣諸島問題は、日米安保第5条に含まれるとの見解を表明したことにあるようだ。
何れにしても、中国国内の反日デモは、へたをすると反政府デモに発展する要素を含んでいるとか、日中の経済関係は、菅首相の言葉を借りると、「一衣帯水」の関係にあり、両首相同士の会談が出きるか、出きないかの単純な問題ではない。つまり、もう離れられない関係になっている。
どうも、一連の推移を見ると、北朝鮮が中国に対してダダをこねているように、日中関係では、中国が我が国にダダをこねている感じだ。その意味で、北朝鮮に対しては中国が大人の立場で接しているように、中国に対しては、日本が冷静に大人の対応を行うべきである。 その点、我が国における閣僚を含めた国会議員や民間の保守層が、やたらに中国を刺激するような言動を発していることは、大人げないと言うべきだ。
また、尖閣諸島問題で、クリントン国務長官が我が国寄りの発言をしたことは、当然なことを言っているだけだが、一時、アメリカが我が国を飛び越えて中国と緊密になりそうだと、マスメジェアなどがやきもちをやいたが、アメリカがそんなことないことを示したことで、一安心した向きもあろう。しかし、アメリカが、中国重視の政策を変えたわけではないと思うし、あくまでも外交は、国家間の利害得失を展望した上で、先の先を見据えた冷静沈着な対応をしなければならない。
自民党の山本一太参議員が民主党の外交はアマチャだと揶揄したが、民主党がそれに反発する材料はないにしても、それでは、今までの自民党外交がプロかというと、そんなことはないと思う。今までの外交を含めて、我が国外交は拙劣であることは前から言われていたことであり、中国が、北朝鮮には大人、日本に対しては子供を装った巧妙な対応をしていることに、その奥の奥をもっと見据えるべきである。「関連:10月11日」