トランプ大統領、温暖化規制見直し令に署名 パリ協定離脱へ道か
アメリカのトランプ大統領が、オバマ前大統領が推進してきた気候変動対策を見直す大統領令に署名し、「対石炭戦争」の終結を宣言した。
新大統領令は、石炭火力発電所に対する温室効果ガス排出量規則の見直しと、石炭採掘目的での国有地賃貸規制の緩和を指示する内容だ。
オバマ政権が制定した規制は、アメリカの温室効果ガス排出削減目標の実現と、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」履行のための土台となっていたが、トランプ大統領は「雇用を奪う規制」だとして撤回を宣言した。
ただ、米国の石炭産業は長年にわたり衰退を続けており、オバマ政権の温暖化対策を撤廃しても産出量の増加や大幅な雇用創出にはつながらないと指摘する声も上がっている。
トランプ大統領は、大統領選挙中もパリ協定に批判的な立場を示していたが、地球温暖化否定に関する科学的な説明は聞いていいない。
今回の大統領令が直接パリ協定離脱に繋がるかは分からないが、CO2排出量世界1位の中国は、第2位のアメリカが温暖化ガス規制に後ろ向きの大統領令を出したことに対し、パリ協定を前進させる立場から暗にトランプ氏の大統領令を批判した。地球温暖化対策で中国に批判されるようでは情けない。「関連:2016年11月5日」