昨日、自民党総裁選挙が東京都内のホテルで行われ、岸田文雄氏は決選投票で河野太郎氏を大差で破り当選した。
先ず、前日締め切られた党員、党友投票の結果が発表され、河野氏が169票、岸田氏が110票、高市早苗氏が74票、野田聖子氏が29票だった。
その上で382人の衆参国会議員による投票が行われ、岸田氏が146票、高市氏が114票、河野氏が86票、野田氏が34票を獲得した。
党員、党友票を加えた結果、岸田氏256票、河野氏255票、高市氏188票、野田氏63票となり、1,2位の岸田氏、河野氏のいずれも過半数に至らず、決選投票となった。
決選投票は、国会議員382票、地方票47票合計429票で争われ、その結果、岸田氏257票、河野氏170票となり岸田氏が87票の差をつけ当選した。
岸田新総裁は、早速、党役員人事に取り掛かり、10月4日に召集される臨時国会で100代目総理大臣に指名された後、組閣を行い岸田内閣がスタートする。
総裁選挙を前に様々な予想がかまびすしかったが、大方が河野氏と岸田氏の決戦投票になり、その結果国会議員票が多い岸田氏の当選は予測されていた。
ただ、第1回目は河野氏が1位、岸田氏が2位という予想が多かったと思うが、1票差ながら岸田氏が1位になったことはやや意外だった。
河野氏が党員、党友票は順当だったが、国会議員票が3位の86票で予想より少なかったことが起因している。
その分、高市氏が114票で想像以上に伸びた。それだけ安倍晋三前首相が力を入れたことと、党内の右派層が投票したことを立証している。
また、決選投票における国会議員票は、岸田氏249票、河野氏131票と岸田氏が河野氏の2倍近くの票を取った。1回目より岸田氏が103票増えたのに対し、河野氏は45票に止まった。
岸田氏へは、1回目に細田派を中心に高市氏に入れた票が集まったこと。つまり、安倍氏の息のかかった票が岸田氏に入ったことを意味する。
その点で、岸田氏の政権運営が今後も安倍氏に気を使いながら進められる恐れがある。しかし、岸田氏自身が述べているように、自民党の刷新を図るためには、安部、菅、麻生路線を断ち切らなければならない。
岸田氏は、麻生派の甘利明氏を幹事長に起用するようだが、確かに甘利氏は総裁選挙で岸田氏の責任者だったが、3Aと謳われたように安倍、麻生、甘利3氏は盟友関係になっている。
これでは、安部、麻生 菅路線を継承するようなものだ。人事でももっと岸田氏の特徴を表に出さないと、期待が一気に萎む形になりかねない。「関連:9月22日」